眼鏡とSDGs

菅原 高知

眼鏡とSDGs

 SDGsという言葉をご存じだろうか?


 SDGsとは “Sustainable Development Goals――持続可能な開発目標の略称であり、二千十五年に国際連合により採択された「二千三十年までの国際目標」である。


 その内容は、下記の十七に分けられている。

①貧困をなくそう

②飢餓をゼロに

③全ての人に健康と福祉を

④質の高い教育をみんなに

⑤ジェンダー平等の実現しよう

⑥安全な水とトイレを世界中に

⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに

⑧働きがいも 経済成長も

⑨産業と技術革新の基盤を作ろう

⑩人や国の不平等をなくそう

⑪住み続けられるまちづくりを

⑫作る責任 使う責任

⑬気候変動に具体的な対策を

⑭海の豊かさを守ろう

⑮陸の豊かさを守ろう

⑯平和と公正を全ての人に

⑰パートナーシップで目標を達成しよう



 これを見て、眼鏡がどう関係するのかと思ったアナタは意識が足りないと言わざる負えない。



①、④、⑩

 まず、貧困について考えてみると、眼鏡は決して安いものではない。そもそも生活に余裕がなければおいそれと手が出せるものではないのだ。

 しかし、二千五十年には世界人口の半分が近視化するという予測が立てられているほど、眼鏡は私達の日常になくてはならないものになってきている。


 我々は五感を通して外界から情報を得るが、その内視覚情報は何と八割に上ると言われている。

 見えない=情報弱者と言っても過言ではない。

 

⑦、⑭、⑮

 他にも、眼鏡のフレームやレンズの材料はプラスチックが主流で、同様に機能する素材は少なく、全商品を持続可能なものにするためにはまだ多くの課題が残っている。しかし、その中でもトウゴマと言った荒れ地でも育つ多年草植物由来のフレームなどが開発されている。これは森林破壊や再生可能エネルギーといった問題に対する一つの解になり得るのではないだろうか。


 寿命の延長や娯楽の増加に伴いQOV(クオリティ オブ ビジョン)――生活の質を通した、健康寿命の延伸、福祉の推進も重要になってくる。


⑫、⑭

 我々は作る責任は考えるが、使う責任を考える事ができる人は少ない。少しでも見えにくくなれば、少しでも壊れれば捨てる。確かに見え方の質を考えればそれも必要なことかもしれない。

 しかし、前述した通り貧困で眼鏡が買えない人も世界にはいるのだ。そして、そのような人たちのために、眼鏡の再利用を手掛けている企業も存在する。

 捨てる前に一旦手を止め、ソレが本当に誰の役にも立たないか考えてみる事も必要ではないだろうか。

 また、捨て方にも気を付ける必要がある。こちらも前述した通り眼鏡の素材はプラスチックがほとんどだ。そして悲しいかな、川や溝などに眼鏡が捨ててある(落ちている)事は決して少なくない。それの行き着く先は海だ。

 近年海のプラスチックゴミ問題は大きく取り上げられている。遠くない将来、海洋生物よりプラスチックゴミの方が海における割合が多くなるというものだ。


⑤、⑧、⑨

 そして、どんな分野の企業でも、働きがいや、経済成長、技術革新の基盤なくして今後の発展はあり得ない。それには性別関係なく能力に応じた仕事を任せる事、その環境づくりも重要になる。


 そしてどんな対策も協力関係がなければ成り立たない



 パッと考えただけでも、コレだけ――半分以上の課題目標に該当する。



 どんな小さな事も、自分が知らないだけで多く物事に関わっている。視点、思考を、意識を変え、一人一人がコレからの社会、地球の事に目を向けるなければならない、そんな時代が来ているのだ。

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眼鏡とSDGs 菅原 高知 @inging20230930

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