第104話 飛騨まんが王国

 飛騨市宮川町にある「池ケ原湿原」が水芭蕉の群生地だと聞き及んだので、旅行仲間達とゴールデンウィークに観に出かける相談をしました。


 飛騨まで行くのだから「温泉がある宿が良いね」とか「食事も飛騨牛や山菜の天ぷらなんかが食べたいね」とか「折角だから白川郷まで行くのもイイかもね」などと話しながら、宿をインターネットで探し始めました。


 そこで「池ケ原湿原」の近くで見つけたのが、ちょっと変わり種の宿「飛騨まんが王国の宿泊施設まんがサミットハウス」です。


 温泉施設も天然温泉で泉質が低張性弱アルカリ性低温泉の『宮川温泉 おんり~湯』と捻りが効いた名前の温泉が併設されていて、飛騨まんが王国の名称のとおり、まんがの蔵書が42000冊を超える図書館を併せ持つかなり風変わりな宿ですが、食事は地元で採れた野菜や山菜・魚・肉などの食材で作る領土料理、厚めに切った飛騨牛カルビの陶板焼きも出て来るとのことだったので、早速予約してしまいました。


 株式会社ビーグリーがインターネット上で運営している、漫画・コミックを読むサイトの「まんが王国」とは何の関係も無い、飛騨市の第三セクター会社らしく、蔵書は全国の漫画愛好家から寄贈された漫画本のみで構成されているとのこと。


 昔、東海北陸自動車道が全線開通していなかった頃、高山や飛騨古川、白川郷・五箇山の合掌造り集落なんかに写真撮影に行った時には、国道41号線や国道156号線と言った下道(一般道路のこと)をひたすら北上して行ったので、凄く遠い場所のイメージがありましたが、今は名古屋高速道路と東海北陸自動車道を利用すれば、約2時間で高山、約3時間で白川郷まで行けてしまうのだから、凄く近い場所になったものだと思います。


 誰もがスキーをするのが当たり前のトレンド、休日にスキー場に通うことが大流行していて、冬になるとスキーキャリアを装着した車を多く見かけた頃には、真夜中に下道を北上して岐阜県や長野県の山々にあるスキー場を目指す車列が、青信号1回分の固まった車列で走って行く姿は、真っ暗の道路を車のライトの輝きが一列に連なりながら、こちらに向かってくるのですから、中々に壮観だったと思い出してしまいました。


 真夜中に岐阜県のスキー場を目指し北上する、光り輝く車列を見た時の小生は、白川郷での夜景撮影を終えて、ポツンと1台南下していましたね。


 当時は写真撮影とカメラ機材に生活費以外の余剰金を殆どを注ぎ込んでいたため、スキーは年数回行くのが限界でしたから、誘われても多くて1カ月に1回程度しか行きませんでしたので、付き合いが悪い奴だと思われていたかも知れません。


 誘ってくれた同僚達がスキー場でスキーを楽しんでいる頃には、小生は別の山をカメラを構えて眺めている訳ですからね~


 今ではスキー人口の減少で廃業してしまったスキー場も多々ありますが、当時はスキー場近隣の宿は予約も困難、スキー場の駐車場も満車、リフト待ちも数十分は当たり前の盛況期でしたから、懐かしい限りです。


 高速道路の利用で思ったより短時間に高山まで到着したので、名物の高山ラーメンを昼食に食べて、高山の市内観光などをしつつ、高山から飛騨宮川の宿までの下道で新緑の風景を眺めつつで、今回の宿の「飛騨まんが王国」に到着すると、早速『宮川温泉 おんり~湯』を堪能しました。


 食事も楽しみにしていた、飛騨牛の陶板焼きや山菜のてんぷら等々、地元の食材づくしで、とても美味しかったですよ~。


 併設しているコミックスだらけの「まんが図書館」にも行って来ましたが、下手な漫画喫茶やインターネットカフェが霞むほど大量な蔵書量で、昔懐かしいコミックスも多々有りました。


 欠点は寄贈品での運営であるために、直近に新発売されたアニメ化等で話題となっているコミックが、都合好く集まらないことですかね~。


 翌朝は朝食を食べたら直ぐにチェックアウトして、「池ケ原湿原」まで水芭蕉を観に行きましたが、道中の道が狭い狭い、すれ違いも大変そうな登り道で、所々たまにカーブミラーは設置して有りましたが、ガードレールも完備されている訳では無い細道ですから、対向車に気を付けながらゆっくり慎重に走って行きましたよ。


 もしも対向車に出会ってしまったら、何方かが退避場所までバックしての、すれ違いですよ~。


 細道の右側には苔生した清流が流れている所もあり、鮮やかな新緑と苔生した緑のコントラストがとても綺麗です。


 細道の右側に「池ケ原湿原」の看板が見えた時には、本当にホッとしました。


 駐車場は上手に詰めて停車させたとしても、普通車が60~70台駐車が出来る程度でしょうか、早朝と言っても小生達でも朝食を食べてから出て来ている時間帯ですから、日の出と共にの早い時間では無いので、水芭蕉を観に来た観光客で、既に半分ほどは駐車場が埋まっていましたね。


 駐車場から少し奥にある「池ケ原湿原」に入ってみると、湿原一面に水芭蕉が綺麗に咲いていました。


 早速、通路をウロウロして綺麗な風景写真が写せるポイントを探し回り、ファインダーを覗いた構図が気に入れば写すを繰り返し、無事写真撮影は終了ました。


 こんな時は、旅行仲間達には申し訳ないけれど、集合時間だけ決めての、お互い自由行動でお願いしていますが、大抵の場合は、綺麗に写真撮影出来そうな撮影ポイントを一緒になって探してくれたり、別行動でも「あっちは満開に数が揃って咲いていた」とか「むこうは花がまばらで残念だった」とか「この先は観るものがほとんど無いよ」とか教えてくれますから、感謝していますよ。


 池ケ原湿原までの細道を考慮して、混む前に早めに写真撮影を切り上げて、宮川の清流と宮川沿いの新緑を眺めつつ、写真撮影しつつ、帰途につくこととしました。


 池ケ原湿原までの道がどんな細道かは、グーグルマップのストリートビューでも見て頂ければと思います。※確認したら、撮影された映像がありましたよ~


 気が付くと2300文字超え、今までで一番の長作となりましたので、第105話に続くとします。



https://kakuyomu.jp/users/ALICE1961/news  近況ノートもご覧あれ


https://kakuyomu.jp/users/ALICE1961/news/16818093076304751426


https://kakuyomu.jp/users/ALICE1961/news/16818093076304839933


https://kakuyomu.jp/users/ALICE1961/news/16818093076304956769




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