第28話 目が覚めたら真っ白

 まだ上高地に自分の運転する車で、河童橋手前のバスターミナルとなっている、大きな駐車場まで入ることが出来た頃のお話です。


 大判さんの運転するランクルで上高地まで出かけることとなり、夜中の草木も眠る丑三つ時頃に駐車場に無事到着しました。


 車から出て、夜空を見上げて観れば、月が出ていない状況での満天の星、天の川までがしっかりと見えていました。


 皆、満天の星に感動しながら「これは朝が楽しみだ」と黎明時までの数時間仮眠することに・・・


 しかし、早朝に目が覚めたら、そこは一面真っ白な世界でした。


 駐車場は白い霧の中で、視界は良くても精々数十メートル程度、山々は何も見えずだったので、皆で相談の結果、何も撮らずに帰還することになりました。


 そのときには、満天の星だった夜中に長時間露光の星空写真を撮らなかったことを悔やむばかりでした。



 早々に写真仲間の全員が上高地の写真撮影をあきらめてしまったので、写真仲間の誰もが気が付かなかったのです。


 後になって冷静に考えてみれば、単に朝霧であったのならば、日の出後に太陽がある程度高い位置になれば、自然と霧は晴れてくるんですよね。


 じっと我慢して、あと何時間か時間を潰していれば、上高地の写真が撮れたかもしれませんが、あきらめてしまい帰途についてしまったので後の祭りですよね~



※今は沢渡の駐車場に車を預けて、バスまたはタクシーでの上高地入りとなります。


 4人でタクシーに乗れるのであれば、随時発車してもらえるし料金的にも定期バスと大差が無くなるようです。


 タクシーならば、途中からバスの走行するルートから外れ、日帰り温泉施設のあるホテル前など、上高地内の希望の場所で降ろしてもらうことも、可能でしたよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る