174 深い悲しみ

今でもときどき

思う

おれがもしも

病気や事故で

この世から

ある日

突然のように

姿を

消したりしたら

彼女たちは

いったいどうなって

しまうのだろうかと


毎日のように

元気に

彼女たちのところに

顔を見せていたのが

ある日

突然のように

パッタリと

顔を見せなく

なったとしたら


それこそ彼女たちは

心配も

するだろうし

気が気でなくなって

仕事にも

手がつかなく

なってしまうだろう


ましてや

おれが死んだりしたら

彼女たちは

気が狂わんばかりに

嘆き悲しんで

胸が張り裂けそうに

なるだろう


だから

おれは死ぬわけには

いかないんだ

後に遺された

彼女たちの

張り裂けんばかりの

嘆きや

悲しみを

思うだけで

おれが死ぬことは

もはや罪悪だ


おれは絶対に

今は死なないし

消えたりも

しない

彼女たちの

深い悲しみと

狂わんばかりの

寂しさを

思うだけでも

おれが今

死んだり

いなくなったり

することは

出来ない


おれが今

死んだり

いなくなったり

することは

もはや罪悪だ



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