133 初めて見た青空

おれは生まれて初めて

世界はこんなにも

美しかったのかと

頭上に広がる

夏の青空を

見上げて

そう思った


おれがこんなに

清々しい

気持ちに

なれたのも

子供の時以来

かもしれない


おれは真夏の

頭上に広がる

どこまでも

果てしなく続く

青空を

仰いで

こう思った

「この世界は

こんなにも

美しかったのか」と


おれはまだ

経験も浅く

悩み事に

尽きなかった

若い頃から

始まって

今まで

とてつもない

ぐらいに

長い時間を

かけて

生きてきた


その途中で

挫折しそうになった

ことも遭ったし

死にたくなるような

無力感に

襲われた

ことも遭った


それらも今では

すべて

忘却の

彼方へと

追いやられた


おれは若かった

頃のことを

思い出して

こう思う

「この世界は

こんなにも

美しかったのか」と


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