101 世界に目が向いている
たとえ
無名の
ミュージシャンでも
それなりに
音楽活動が
出来て
稼ぎも多少は
あれば
結婚も
出来るだろうし
夫婦揃って
子供を
養うことも
出来るだろう
無名のまま
歳をとっても
我が子には
「お父さんは
プロのミュージシャン
だったんだぞ」と
自慢の一つでも
出来るだろう
でもおれは
無名のままで
一生を終わらすなんて
イヤだった
おれの頭の中では
常に世界の方に
目が向いていた
作家になるにしても
無名の貧乏詩人の
ままで終わるなんて
イヤだった
おれの頭の中では
いつでも
世界を視野に
入れていた
おれは世界的な
成功を
いつでも
望んでいた
無名のままで
一生を終わらすなんて
考えただけでも
ゾッとする
たとえ
幸せな
結婚生活が
出来なくてもいい
成功と引き換えだったら
おれは多少の
我慢もする
おれは結局
人並みでは
イヤだった
人並み以上の
ことが
したかった
人よりも
頭が一つ
抜きん出る
存在に
なりたかった
無名のままで
甘んじるつもりは
全く無い
おれは人並み
以上の
大成功が
したかった
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