70 親父の表情
おれの懐に
ビタ一文
入った訳では
無いが
おれを取り巻く
環境は
最近になってから
劇的に
変化した
スマホを
おれが操作すれば
おれにとって
長年待ち望んだ
夢のような
文言が
大量に
並んで表示
されるように
なった
それはおれにとって
良いこと
ばかりで
おれは思わず
得意になって
自分の部屋の中で
スマホを見ながら
一人で
飛び跳ねるほど
嬉しそうに
笑うことも
多くなった
でも同居している
親父にも
お袋にも
おれの身辺に
何が
起きたのかは
何も言わずに
黙っていた
でもそんな
おれの様子を
見ていて
親父は
おれの身に
何が起こったのか
薄々と
察知したのか
おれが
生まれてから
一度も
見せたことも
無いような
満足げな
表情で
おれのことを
黙ってジッと
見つめていた
親父の
あのときの
満足げな
表情は
おれはこの先
一生涯
忘れられないだろう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます