21 尊敬

おれは若い人たちから

尊敬されるような

存在とまで

言われるようになったが

人から

尊敬されて

悪い気は

しない


けれど

おれは人から

尊敬されるような

立派な人間ではない

おれは決して

人のお手本に

なるような

男では無いんだ


でも

おれが若い頃は

楽器を

上手く演奏したり

歌が上手かったり

人を感動させるような

名曲を

書ける

ミュージシャンたちを

尊敬していた


たとえそれが

不良の代名詞と

なったような

ロックや

ヒップホップの

アーティストだったと

してもだ


そういう意味では

今の若い人たちは

おれみたいな

詩を書く人間の

ことを

同じように

尊敬している

のかもしれない


でもおれは

人のお手本に

なるような

人間ではない

ましてや人から

尊敬されるような

男でもない


おれは常に

オチコボレで

人の上に

立つような

男では

無いことを

自分でも

よく分かっている


でもそんな

おれのことを

親父もお袋も

可愛がってくれた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る