第35話 小澤、山口、角田の感想
新たな航空戦術による、アメリカの空母『エンタープライズ』と空母『レキシントン』の撃沈。
今はまだ、アメリカ側は知らないが、現場近くにいた第二航空艦隊の関係者達には、改めて、大きな衝撃を与えていた・・・。
空母『大鳳』を旗艦にしている、第六航空戦隊司令官の小澤治三郎中将も衝撃を受けていた一人だった。
彼の周りにいた幕僚達や『大鳳』の艦長達も『エンタープライズ』と『レキシントン』撃沈の報せに喜びで沸いていた。
(若大将と樋端が生み出した『連携戦闘』と『反跳爆撃』・・・。改めて、驚嘆したが、若大将の側にいると色んな意味で退屈しないな・・・。)
小澤は内心で、嬉しそうに感じていた。
また、空母『舞鶴』を旗艦にしている第七航空戦隊司令官の山口多聞少将も、小澤と同じ感想だ。
(やはり、俺の目に狂いは無かったな・・・。ここまでの戦果を見れば、あの人も考えを改めるだろうな・・・。)
そして、山口が言っていた『あの人』である角田覚治少将は、自身の指揮する第八航空戦隊の旗艦である空母『神鶴』の飛行甲板上にいながら、友軍機の帰還を待っていた。
彼もまた、今回の新たな戦術とそれによる戦果に衝撃を受けていた・・・。
(今回、『エンタープライズ』と『レキシントン』だけでなく護衛艦も数隻、撃沈出来た・・・。山口の言う通り、遠藤・・・いや若大将がどれだけ凄いか、痛感したな・・・。)
内心で角田は、遠藤の凄さを実感していた・・・。
そして、角田は山口達の言う通りの展開になった今回の結果から遠藤の事を改めて、評価し直さなければと思っていた・・・。
『エンタープライズ』と『レキシントン』の撃沈は、南雲が率いる第一航空艦隊と、呉鎮守府にも報せが届いていた。
南雲の方は、特に第一航空戦隊と第二航空戦隊のパイロット達には、かなりの衝撃を与え、「自分達だって、目標は違えど、成し遂げてみせるっ!!」と鼻息を荒くしている状態だった。
そして、南雲達も、
「パイロット達には、良い刺激になっているな。」
南雲の嬉しそうな言葉には、草鹿と源田も同じ感想だ。
一方、呉鎮守府で報せを聞いていた山本達からも、歓声が上がっていた。
(史上初めて、『洋上を移動中の艦船を航空攻撃のみで沈めた』という事例を成し遂げた。今頃、アメリカのキンメル達は、相当、落ち込んでいるだろうな・・・。)
山本の考えは、あながち間違ってはいないが、アメリカの悪夢は、まだ、始まったばかりである・・・。
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