彷徨のペルシャディー。〜ポンコツパーティーが行く〜

猫野 尻尾

第1話:孤高の少女。

1この物語のヒロインの名前は「ペルシャディー・リクリット」

人間の女性・歳は15才。


天涯孤独な少女。

だが最近までペルシャディーはウッドガルドと言う魔法使いの老人と一緒に

暮らしていた。


ペルシャディーは両親とは幼い時に死別していてそれ以来天涯孤独。

彼女は村々をあてもなく彷徨い飲まず食わずで力尽きて道に倒れてるところを、

たまたま馬車で通りかかった魔法使い「ウッドガルド」によって助けられる。


そして彼の元で魔法の修行をしながら14才までウッドガルドに育てられた。

ウッドガルドは国中に名が知れ渡った魔法使いでシュランダル王が支配

する国の城に使える宮廷魔法使いだった。


普段は隠遁暮らしをしているが、いざとなれば国王のために魔法使いとして

大いに活躍した。


ペルシャディーは親の愛情を得られないで育ったにも関わらず案外素直に

育っている。

元来、楽天家で多少のことは気にしないポジティブタイプ。

のんびり屋でノ〜天気な性格だった。


魔法使いウッドガルドには放浪癖があったためペルシャディーは彼と一緒に

各地を旅して回った。

ウッドガルドは目立つことが嫌いで旅先で自分の名前が有名になるような

ことは控えた。


ペルシャディーはもともと魔法使いとしての資質がなかったためウッドガルド

は苦労させられた。

ペルシャディーが唯一覚えた魔法は「フローズン・スター」と言う空間にブラックホールを作りだせる魔法で、それも発動するとどこにブラックホールが現れるか

定まらないと言う不安要素たっぷりなあやふやな魔法。


ペルシャディー自体不安要素ありありの魔法使い。


結局ペルシャディーがウッドガルドのすべての魔法をマスターすることなく

ある日ウッドガルドは何も言わず魔法の杖「カドゥーケス」だけ残して彼女の

前から忽然と姿を消した。


机の上に残されたメモには


《そのカドゥーケスの杖はおまえにやる・・・ワシからの餞別だ》

《老人の杖じゃないんだからむやみに折ったりするなよ・・・杖は今後の

おまえの行く末に大いに役にたってくれるはず》

《これからは一人で生きて行け・・・そして決してわしを探してはならん・・・》

《元気で暮らせよペルシャディー・・・ウッドガルド》

《それから、むやみやたらに魔法を使うなよ》


そう書いてあった。


「勝手なじじい・・・」


ウッドガルドがいなくなってもペルシャディーは悲しいとか寂しいとか

思わなかった・・・本来ノ〜天気な性格なのだ、彼女は。


またひとりになっただけか・・・。


ウッドガルドが残したカドゥーケスの杖は神の杖と言われ上級魔法使い

しか持つことが許されない杖。

とてもペルシャディーのレベルで所有できるような代物じゃない。

宝の持ち腐れにならなきゃいいけど・・・。


ひとりになったペルシャディーはこのまま家にくすぶっていてもつまらない

と、すぐに荷物をまとめてカドゥーケスをひっさげて旅に出た。


旅の話し相手が欲しかったペルシャディーはよく森に寄って妖精たちと

話をした。

その森でペルシャディーはバルクハイド「強大な蛇の怪物」 に追われていた

小さな妖精を助けた、

その子はリスくらいで大きさでリスの縞模様と違ってまだらな毛色に

耳が四つ尻尾が二本生えていた。


「君、レングーリだね」


レングーリというのはその子の種族の総称。

レングーリはどうやら女の子らしく言葉もちゃんとしゃべれたからペルシャディー

のいい話相手になった。


ペルシャディーはその子に「ティグル」って名前をつけた。

ティグルのおかげでペルシャディーの旅は退屈せずに済んだ。

ペルシャディーはティグルとともに旅を続けながら傭兵をしたり頼まれごとを

解決しながら各地を巡った。


まあ、完璧とは言えなかったが、これまでなんとかピンチを凌いできた。

食べていかないと餓死するしかないからどうしても無理な仕事も請け負った。


人探しや、時には化け物と対峙して村人を救ったりその活躍は自国の名

とペルシャディーの名とともに人々や他国の噂になっていった。


いつも運が彼女に味方した・・・完全にまぐれだ。


ペルシャディーの名を確固たるものにしたのはエランダル郷って人間の村を

襲っていたアルモグロスの洞窟のドラゴンを一人で倒したことが一番有名な

話だろう。

ちなみにその時はフローズン・スターが見事に発動してドラゴンは混沌へと

落ちていった。


それだけカドゥーケスの力が持ち主より優れていたんだろう。


その噂は当然自国のシュランダル王の耳にも届くわけで、ゆえに王の伝令に

よってペルシャディーは城に招待されることになった。


城に使える宮廷魔法の誰かの使い魔のカラスがペルシャディーにその旨を

伝えにやって来た。


「めんどくさ〜」


ペルシャディーはなんだか嫌な予感がした。


To be continued




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