第4話
さっき鳴ってたスマホ。僕のとは違うから見るのは気が引ける。けどどんなに探しても僕のスマホは見つからない。それに部屋の主のものなら置いていくだろうか?なんだか部屋の中のものすべてのデザインに違和感があるし、だけどなんだか既視感がある。あのスマホも、なんだか僕のみたいだし、いや、なんだかこれが所謂スマホではない別のものである事も知っている。
手に取る。画面が点く。日付けはきっかり3月25日。朝の8時少し前だった。あ!
このスマホみたいなのは今では「i(アイ)」と呼ばれ生活必需品として当たり前の存在となっていた。
ただ液晶を見るだけで、脳波をキャッチして情報を表示する。発信に関しては敢えて手動の操作を残しているが、持ち歩くだけで身分証にも財布にも鍵にもなった。
これひとつでなんでも出来るし、心理状態に寄り添って様々な情報を与えてくれたり、それに合わせた人格の様なものを備えて寄り添ってくれる。
再び画面を見やると、iが僕の疑問に答えてくれた。
今は西暦2524年3月25日。
300年前、地球が熱くなり、僕らは地下のシェルターで暮らしていた。
地上は熱エネルギーの取り込みだけに使われ、その無尽蔵な地表熱エネルギーは地下の生活を快適なものとした。
もはや気象なんて概念は存在せず、水や空気は合成され、レジャー特区や農区、食糧保管区では極端な低温も作られたが、居住区において温暖な気温が常に保たれ、そのうちみんな薄着になった。
すると女性から、おっぱい解放運動が生まれた。
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