とりあえず責任取り続けていたら、いつの間にかクラスの美少女全員オトしていたらしい
ミナトノソラ
第1話
ある日の高校生活の日常の昼休み、俺、涌井遥樹は教室の端っこで読書をしていた。
なんで読書をしているのかだって?それは単純に読書が好きだからだよ。
俺の通っている高校は県内でも有数の進学校として有名で卒業したら100パーセントに近い確率で優良企業に就職できるという。
俺がこの高校に進学した理由だが特別なことは何一つない。だってたまたま家の近くにあったのがここだったからだ。
俺の偏見かもしれないが進学校には美男美女が多いと思っている。実際、俺のクラスメイト達は圧倒的美少女が多い。もちろんイケメンもいるのだが、うちのクラスは美少女が多すぎてイケメン君たちが隠れてしまっている。
ちなみに俺は隠れてしまっているイケメン君の中にでさえ入ることが出来ないフツメン男子である。我ながら話していて悲しくなってくるが、現実だし受け入れないわけにはいかない。
今日も美少女たちの生活はキラキラと輝いている。
俺の学生生活は読書をしながら時々チラチラと美少女たちの姿を瞳に映すだけで満足できる。彼女たちには常に笑顔でいてほしいし、これからも平和なクラスづくりに全力で励んでいってもらいたい。
(今日も早速チラ見させてもらおう。陰キャではある俺とは言っても、女子を見ることくらいは許してくれよな)
「んっ?」
美少女たちにふと視線を送った時、その中の一人と目が合った気がした。確か彼女の名前は真中さんだったか。美少女軍団の中ではあまり目立たない方だけど、しっかりと美少女として周りに認知されているクラスメイトだ。
目が合った瞬間逸らされた気がしたけど気のせいだろうか…いや、冷静に考えれば美少女である彼女らが俺のことなど目に留めるわけがない。
何を思いあがっているんだ俺は。
読書に戻ろう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
放課後、帰りのホームルームが終わり下校しようとしているとうちのクラスの委員長がなにやら大事そうなものを運んでいる姿を目撃した。
凄く重そうな顔をしてるな。
委員長は危なげない感じで職員室の方へと向かって歩いて行っている。
手を貸してあげたいけど、突然俺に話しかけられたら逆に困惑してしまうだろうな。こんな時にラブコメ展開でよくあるイケメンが通りかかってさっそうと美少女を救う、なんてストーリーが起きてもいいのに。
まあ二次元の世界の話が現実で再現されることなんてありえないか。死ぬまでに一度くらいは俺もいい思いをしたいところだ。
そして俺はそのまま帰ろうとしたところでアクシデントが発生した。
「キャッ!」
なんと歩いていた委員長が転倒したのだ。そして同時に抱えていた段ボールの中から何かが割れた音がした。
あの中には割れ物が入っていたのか…、しかも相当な音量だった。
俺は周りに誰もいないことを確認して彼女のもとへと駆け寄った。流石に放っておくわけにもいかないと判断したからだ。
イケメン君が近くにいたのであれば任せたのだがね。
「斎藤さん、大丈夫か?」
「え、あ、はい。大丈夫です」
斉藤さんは突然俺に話しかけられて混乱した様子だ。あれ、俺って委員長にさえ認知されてない?クラスのまとめ役である委員長に認知されてない?
「なにか割れたっぽいけど、怪我してないよな?」
段ボールの中にあったとはいえ一応怪我の確認はしておく。お決まりと言えばお決まりだろう。
「うん、怪我してないよ。ちょっと腕が痛いけど気にならないくらい」
「本当に大丈夫か?すごい転び方をしてたからな」
「私の不注意でした。この中に入ってるのは先生たちが使う大事な備品で壊してはいけないものだったのですが…私、職員室に行って謝ってきます」
「ちょっと待ってくれ」
「え?」
「俺が先生呼んでくるよ。斉藤さんはこの場で待っていてくれないか?」
俺は気づいていた。斉藤さんは怪我はない、と言っていたがどうやら足を怪我しているらしい。ふと足元を見たときに膝に切り傷があったのが見えた。
切り傷だけじゃ対して問題ないかもしれないが、俺が先生を呼びに行くのは俺のある目的のためでもあるのだ。
「う、うん。じゃあお言葉に甘えて」
「ああ、任せてくれ」
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最近ダーク味の強いヤンデレばかり書いていたので久しぶりに平和なヤンデレを書こうと思います。
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