魔法が使える現代社会で最強です

ごーや

魔法が使える現代社会

2045年 5月14日 午後2時30分

世界に変化が訪れた

何も無いところから火事が発生し

知らぬ間に空間に水が溜まる

人を傷つける風

晴天に突如現れる霹靂

今まででは証明のしようがない現象が相次いだ

しかし現代の学者というものは優秀で

この現象の謎を解き明かした

原因はひとつの原子であった

その原子は今まで見たことない構造をしており

新しい原子として119番目の原子として登録した

また、その原子はとても不安定で少し他の原子とぶつかり合うだけで原子そのものが変化してしまう

それが原因でC炭素が発生し発火

不安定であるが故に電子イオンの関係が崩れ

雷雲がないにも関わらず霹靂を起こす

そんな変化が起こる世界の中で

徐々に適応していく人間も増えた

その者たちを世間は覚醒者かくせいしゃと呼んだ

覚醒者には特殊な力があり、それは……

119番目の原子、「魔素まそ」を自由に操ることが出来る

覚醒者にはもうひとつ、常人とは違う点が存在する

魔素を操る力、「魔力まりょく」が存在すること

これは、そんな魔力で魔法まほうが使える世界で過ごす

1人の少年の物語……

2050年 4月3日 午前1:36

真夜中の廃立体駐車場に1台の車がある

車の中には大量の金品と黒い装置のようなものが数台

「おい!これで全部か!?」

「は、はい!」

部下とその上司のような2人が会話している

「よし!乗り込め!」

ガタッ

部下が乗り込み、上司がエンジンをつけ 、ライトが照らされた

「あ?」

上司が一言、疑問の声が出た

照らされたライトの先に居たのは夜宵に包まれる明るい街ではなく

人の形をした影だった

影は一歩一歩、車へと歩み寄る

徐々に身体が見えて来た

「お、女?」

パーカーを着た白髪の女が車の前へと歩み寄った

目の前へと来ると女は止まった

ブォォォォン!

上司が勢いよくアクセルを踏んだ

ゴンッ

車内の鈍い音が響いた

「あ、兄貴……」

「俺らは元々、こういう仕事だ」

「今更悔やんでも……」

上司が振り切ったような顔で言うと

「そ、そうじゃなくて……」

「うし……ろ……」

部下が完璧に怯えきった表情で言った

「あ?うしろ?」

そう言われ後ろに振り返ると

先程轢いたはずの白髪の女が満面の笑みで上司を見つめている

「ひ、ひぃ!」

コンコン

笑顔でノックする白髪の女に恐怖しかない2人は怯えきっていた

「〜〜〜〜〜、〜〜、」

「な、何喋ってんだ?」

「わ、分かんねぇっす、ところで兄貴.....鍵閉めました?」

「...........」

「兄貴?」

上司は顔面蒼白で答えた

「すまねぇ」

「え?」

ガチャ

「お、開いてんじゃーん♪」

ニコニコの女が車内へと入り込んできた

「こんばんわー」

「今だ!」

ガチャ

上司が合図をした途端車のドアが開いた

「急げ!」

「は、はい!」

慌しく走る2人

着いてきてないか確認するために部下が後ろを確認した

部下の目には信じ難い光景が写った

先程の女がすぐそこまで来ていたのだ

「まぁーてぇー!」

「あ、兄貴!助け... 」

ドサッ

「痛ってぇ.....」

ガシッ

「ひぇ!?」

「つーかまえーた」

躓いた部下を離すまいと掴む女

「くそッ!離せ!」

「抵抗するな」

それまで陽気に話していた女の声は途端に冷徹になった

「ッ!!これでも喰らえ!」

火炎フランマ!」

ボォン!

部下の手から放たれた炎は女に直撃した

「兄貴!今のうちに.....」

ドサッ

目の前に大きな何かが飛んできた

「兄.....貴...?」

ボロボロの上司が目の前に転がっていた

「今のうちに.....って?」

もう1人.....女の仲間と思われる男...いや

「子供.....?」

高校生程の背丈の子供がいた

「(兄貴がこんな子供ガキにやられた?)」

「はぁ、いつまで寝たフリしてんだ?」

その子供は月明かりを背に、女に話しかける

「.............」

「チッ、面倒臭い」

少年は舌打ちをし、女の方へと向かった

「い、今のうちに.....!」

ゴツン!

部下が逃げようとすると目の前に半透明の壁が現れた

「痛っ!これは.....結界!?」

「おい、逃がしたわけじゃねーぞ」

少年が部下を睨みつけた

その目はまるで虫以下のゴミを見るような目だった

「この馬鹿を起こしてからお前を運ぶ」

「いいな?」

気がつけば部下の周りは結界で囲まれていた

「起きろ」

その言葉と同時に

パァン!

鋭い音がなった

「ったぁぁぁ!」

「なにすんの!!」

「レディの顔に手ぇ出しやがって!」

陽真はるまの鬼!悪魔!人でなし!クソニート!」

陽真と呼ばれた少年は半ギレになりながら

「ニートは余計だ」

「それとレディって誰のことだ?」

「あ゛?」

がなりの効いた声と剣のような視線が陽真にささる

「……んな事よりあれどーすんだよ」

陽真は結界に閉じ込めたままの子分を指さした

「あ、忘れてた」

「あわよくば陽真がやってくれないかなって…」

「嫌や」

「ちぇ」

数回の会話を交わした後

コッコッコッ

「ごぉめんねぇ?早く終わらせるね」

そう言って部下の元へと歩み寄る女

「く、来るな!来るなぁぁぁ!」

ピトッ

女は部下の額に触れ

「雷系統魔法 静かな雷スパーク

ここから、部下の記憶は暗闇を迎えた

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