第2話 赤い軍団の介入するデート

東京の喧騒から少し離れた公園。


木々の間から差し込む日光が、緑の芝生を照らしている。


そんな公園の一角で、悠介と美咲がデートを楽しんでいた。


悠介は、赤いチェックのシャツにジーンズ姿。


一方、美咲は白いワンピースに麦わら帽子を合わせ、清楚な印象を与える。


二人は、公園のベンチに座り、弁当を広げている。


和やかな雰囲気の中、会話が弾む。


しかし、そこに赤い軍団が現れ、過剰な介入を始める。


まるで、悠介の恋心を後押しするかのように、軍団は二人の周りを飛び回り、時にはピクニックシートの上に舞い降りる。


「ちょっと、赤い軍団さん!邪魔しないでよ!」


悠介が困ったように叫ぶ。


美咲は、その様子を見て、クスクスと笑う。


「悠介さんの恋心、とっても熱心なのね」


赤い軍団のおかげで、二人の距離は自然と縮まっていく。


そして、公園での奇妙なデートは、二人の心をより近づけるきっかけとなったのだった。


◇◇◇


美咲のアパートの一室。


夕暮れ時の柔らかな光が、部屋を温かく包み込んでいる。


美咲は、机の前に座り、ノートパソコンに向かっている。


フリーランスライターとして、原稿に取り組む彼女の表情は真剣そのもの。


そんな美咲の周りを、青い軍団がゆったりと舞う。


軍団は、美咲の恋心を映し出すかのように、穏やかな動きを見せている。


ふと、美咲は手を止め、悠介のことを思い出す。


「悠介さん...私、あなたのことが...」


美咲の瞳に、揺れ動く感情が浮かぶ。


すると、青い軍団が積極的に動き出す。


まるで、美咲の恋心を後押しするかのように、軍団は部屋中を舞い回り、美咲を優しく包み込む。


「そうね。もう、自分の気持ちに正直になるわ」


美咲は決意を込めて呟く。


青い軍団に導かれるまま、美咲は悠介へのアプローチを始める。


手紙を書いたり、小さなプレゼントを贈ったり。


美咲の行動は、青い軍団の舞いと共に、徐々に大胆になっていく。


二人の恋は、ゆっくりと、しかし確実に深まっていくのだった。


◇◇◇


夜の公園。


街灯の明かりが、歩道を照らしている。


そこに、美咲の孤独な姿があった。


ベンチに座る彼女の表情は、どこか悲しげで、青い軍団も弱々しく揺らめいている。


「どうしたの、美咲?」


悠介が、そっと声をかける。


美咲は、過去の失恋の記憶に囚われていた。


かつての恋人に裏切られた傷が、今も彼女の心に深く刻まれている。


そんな美咲の心情を映し出すかのように、青い軍団は次第に色を失っていく。


「悠介さん...私、もう恋なんてできないかもしれない...」


美咲の声は、かすれがちだ。


悠介は、美咲の手を取り、優しく微笑む。


「大丈夫。俺が、君の心の傷を癒すから」


赤い軍団が、力強く舞い上がる。


まるで、悠介の強い意志を表すかのように。


悠介は、美咲を抱きしめ、彼女の心に寄り添う。


青い軍団は、かすかに光を取り戻し始める。


「美咲、君の過去も、君の一部なんだ。だから、俺は全部受け止める」


悠介の言葉に、美咲の瞳に涙が浮かぶ。


そして、二人は固く手を握り合う。


赤い軍団と青い軍団が、寄り添うように舞う。


美咲の心の傷を癒やすために、悠介は赤い軍団と共に立ち上がるのだった。


(続く)

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