第89話 大量生産

惑星に家を建てようと決意してから3日後、マイルームを船団番号31の船に移動させる申請をして許可が出たので船団番号31の船に移り住むが内装はほとんど変わらない。一部、ショップエリアに居酒屋が出来ていたり清掃専用のロボットがメイドロイド(幼女)になっていること以外は特段変わりないな。……露骨に黒猫の趣味が出ているのは突っ込まないぞ。


「で、ここが惑星レリックと。何もないな」

「分かってはいたけど一面ジャングルか。……気持ち悪い虫とか触りたくないな」

「……焼き払いてえ」

「おい馬鹿やめろ」


目的である惑星レリックにユリクリウスと2人で向かい、一応自分の領地ということになったアフリカ大陸のど真ん中に降下するけど一面ジャングル。ロケットランチャーなどを使って焼き払いたくなるのを我慢してコッペパン、チョココロネ、ロールパンの3人にサポートロイドの工場を作って貰う。


……黒猫やABCの方でも工場は建てるそうだけど、大量にサポートロイドを生産するなら自分でも工場を持っていた方が良いだろう。幸い、工場を建てるのに必要なゴールドは少ないしこの惑星のアフリカ大陸には資源が多いようだから資材の方も自給自足できるかもしれない。


「工場建設のための資材は全部用意してくれていたとか準備良いよな」

「まあ幼女同盟のメンバーなら工場の方を建てる奴の方が多いだろ。工場の設計図見たけど工場内で電力が自給できるようだから未来技術はヤバイな」

「あの設計図理解出来たのかよ……。太陽光発電的なシステムがあることしか分からんかったぞ」

「それが分かれば十分だと思うが。あと今ある恒星は太陽じゃないから正確にいうなら恒星光発電か?」


工場を建てるのにも当然資材が必要だが、そこは黒猫が買い付けていた。本格的に船長になって初の仕事がサポートロイドを生産する工場の資材集めな時点でだいぶ先走っている気はする。なおきっちり中抜きはしていく模様。別に数万ゴールドぐらい良いけど手数料で端数切り上げは性格がいやらしい。


設計図の方はサポートロイドが理解出来るので、あとはコッペパンに任せておけば1週間後には完成するようだ。で、工場が1つ完成したら1日に5体ぐらいのペースでサポートロイドの製造が出来る模様。これから毎日ロリっ子増えるよ。


「じゃあ俺の方でも工場建てて開拓していくわ。……パナマ辺りに首都作るか」

「この惑星で将来的に海運はないだろうからパナマは微妙じゃないか?」

「海運が無くても一応南北アメリカ大陸の中心だし都合は良いだろ。地球人の移住が始まれば運河ある方が良いだろうし」

「……そう言えば海に生き物いるの?」

「テラフォーミングで割と死んだとか聞いたが一定の数はいるし種の保存はしているみたいだぞ」


今はまだ想像出来ないけど、将来的にこの大陸を埋め尽くすぐらいにサポートロイドが増殖するなら楽しそうではある。……工場のラインを増設すれば、1つの工場で最大5ライン25体まで1体のサポートロイドの管理で生産出来るのか。これはネズミ算式で増えて行きそうだ。


……タキオン船団がサポートロイドを大量に生産していない理由は、反乱の危険性があるからだった。滅私奉公することで幸せを感じられるように作られていると、サポートロイド達は自認出来ているぐらいに頭が良い。そんな存在が大規模になればなるほど、反乱のリスクというのは増える。黒猫にそこら辺聞いた時は『気にせず増やせ』だったから何か考えでもあるのかなと思うんだけど……。


「……どうされましたか?」

「いや、サポートロイドがこれから増えるなら戦い方は少人数のパーティー編成から大規模になるのかなって」

「工場を際限なく建てられるというわけではありませんが、しばらくすればサポートロイドの工場が100を簡単に超えるため、1日で2500人以上のサポートロイドが出来る計算になります」

「……サポートロイドを作り始める前に管理番号みたいなのは制度化しとこ」


コッペパンにいっぱいサポートロイドを作るよう指示を出すと、1ヵ月後には1日で2500人以上のサポートロイドを製造できるようになるとのこと。もちろんこれは成長途中の数字であり、2ヵ月後には1日5万人を超えるとのこと。


……サポートロイドに増殖の制限をかけなかったらこうなるってこと、タキオン船団側も把握しているだろうしだからこそサポートロイドには頼らなかったんだろうな。機械文明と絶滅戦争をしていた経緯からサポートロイドの存在自体、あまり好んで無さそうだし。


コロネが沢山のドローンみたいな機械を操作し、工場の枠組みを作っていたけど1日で下地が出来上がるって早くない?その工場10個分ぐらいの土地はロールパンが開拓して一部で植物工場とかも作り始めたし、思っていた以上に国作りは手早く出来そう。

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