第5話 進化
まぁ何事もなく終わって良かった。
それにしてもその何ちゃら商会は何がしたいんだ?塩と砂糖を牛耳るのも儲けでいいかもしれないが普段使うものだからあまり高くしたらみんな買えなくなるだろうに!
「はぁ、ジェシーはどうなったんだ?」
商業ギルドに行くと、デブってギラギラしてる太ったおっさんがいた。
なにやらギルド長に話があるようだがどうせ碌なことじゃないだろ?
「塩と砂糖があるからっていつまでも上手く行くなんて思うなよ!」
「お前が高騰させたんだから売れなくなって普通なんだよ!」
ハハッ!何ちゃら商会の会長ってとこか!
「クオン様こっちへ」
と、職員の女の子が呼びにくる。
「はいはーい」
ついて行こうとしたら見つかってしまった。
「あっ、あいつです!」
「なに!お前!こっちにつかんか?金ならやるぞ?」
「やだねー!俺は庶民の味方だからな!」
「く、クオン様」
ギルド長は涙を流している!
「そうです!我々は平等に庶民の味方なんです!あなた方から買うものなんて一つもない!」
「い、いうたな!おんどれは!」
「おう言ったがどうした!」
「もう知らんぞ!必ず後悔させてやるからな!」
「今度はそっちが後悔する番だ!」
おお!強気なギルド長だな。
何ちゃら商会の会長はドスドスと足音を響かせながら出ていった。
「や、やりましたよ!あのルイード商会に言い返してやりましたよ!」
「大丈夫なんですか?」
「えぇ!あれだけあれば皆さんに行き渡りますしあいつらにはこれ以上好きにさせませんから!」
「俺も力になれればいいですが」
「いえ、十分に力になってもらってますよ」
と言うと、ジェシーの話題になった。
「尋問したらすぐに吐きましたよ、機密情報漏洩ですからね!すぐに衛兵に連れていかれました」
「どうなるんですか?」
「まぁ、禁錮3年くらいでしょうね」
「そうですか、それだけで済んで良かった」
「クオンさん、あなたはいい人ですのでお気をつけて下さいね!」
「あはは、騙されることはありませんから」
「そうですよね」
それからルイード商会はどんどん客が入らなくなり遂には潰れてしまった。
まぁ、こっちにチクチク嫌がらせをしようとして先に店が潰れたのだ。
派手に遊んで使った金で債務不履行に陥って自滅したのだった。
「やった!あははは!これでまた商業ギルドの復活だ!」
「まぁ、今まであいつらが邪魔してたんですからしょうがないですけどね」
「はい!これもクオン様のおかげです!」
「あはは、また第2第3のルイード商会ができないように気をつけてくださいね!」
「はい!」
これで一件落着だな。
さて次は何しようかな?
とりあえずレベルでも上げてみるかな?
と言うことで冒険者ギルドに登録に来た。
「すいません、登録したいんですが」
「はい!ではこちらの紙に書いてください」
「はいはいっと」
氏名、年齢など、書けるところを書いて渡すと、
「はい!こちらがギルドカードになります!」
ギルドカードを受け取るとランクFからだな!ここから俺はランクを上げていってやる!
「では何か受けて行かれますか?」
「あ!ここで何か講習とかないんですか?」
「ありますよ!剣術なんかは人気ですね」
「じゃあその講習を受けたいんですが」
「はい、あ、明日は空いてますけど」
「じゃあそこでお願いします」
と、剣術の講習をお願いして宿屋に帰る。
「あら、若いのがこんな真っ昼間から部屋に閉じこもって!ニート?ニートなの?」
「うるせぇよ!女将さんは女将さんの仕事ちゃんとして!」
「あーもう!あんたのことを考えて言ってるんだからね!」
「はいはいわかったから」
「もう!あの子ったら!」
あれ?女将の様子が…
女将がオカンに進化したようだ。
「ったく、月の石でも持たせたかな?」
女将がオカン化したらそのうち急に部屋に入ってきそうで怖い。
それよりもまさか剣術とかは覚えられるよな?魔法みたいに全滅なんてことになったらマジで泣くよ?
「はぁ、今日は部屋で飯食うか!」
ショップを開いて吉家の牛すき定食とビールを購入し食べながら飲んでいると、暗くなってきたので生活魔法のライトを使う。
「目、目がぁぁぁぁぁぁ」
ライトが眩しすぎる!目がしばらく開けられないほど眩しかった!
一昨日使った時には問題なかったのにな。
まさか魔力循環で生活魔法がレベルアップしたとか?
「まさか!」
そんなことあるわけがない?いやあるかもしれない!
俺のおぼえている生活魔法は六つ、
トーチ…火をつける(種火)
ウォーター…水を出す(飲料)
ブリーズ…風を出す(乾かす)
ホール…穴を掘る(主に野外トイレや生ゴミ)
ライト…明かりをつける(明るくする)
クリーン…清潔にする(お風呂代わり)
など使い勝手がいい魔法だ。
ライトがあれだけ強かったんだ、他の魔法も?
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