第32話 僕にはユーモアがない

 僕は、自分にはユーモアが無いと思う。

 別になくてもいいけれど、小説にあったら愉しいと思う。

 僕の話には、オチが無い。

 確かに、小説にもオチがあって愉しいものがあると思う。

 しかし、フツーの会話には別になくてもいいと思う。この場合のオチというのは小説のそれとも異なる気がするし。現在のニッポンの文脈では、漫才的な何かであって、僕の会話には関係が無い。たまにテレビやYouTubeで視聴する側でかまわない。

 高橋源一郎さんの『ゴーストバスターズ――冒険小説』という小説作品がある。その章節「Ⅵ」の、講談社文芸文庫で言えば240頁からある、野球というスポーツについての説明が、僕にはめちゃくちゃ面白く感じられる。

 たぶん「お笑い」という言葉と「ユーモア」という言葉があるとすれば、これは「ユーモア」だと思う。

 また、最近『Dr.スランプ』の第一巻(Kindle)を読んでいるのだが、メタ的なギャグ(漫画ならではの表現を利用したもの)には笑ってしまった。

 或る四コマ漫画の内容で覚えているものがあって、それは占い師が雑誌の編集部に、占いコーナーの記事執筆でミスをしたと、訂正の電話を入れるものであった。作者もどの媒体で読んだのかも覚えていないのだが、こういうのも僕には面白く感じられた。

 僕にも、面白いと感じる何かしらの感覚があることは確かだと思う。

 ユーモアのあるお話を作るのは、それとはまた別のようだ。難しい。

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