第17話 言葉について(「文学」ほか)

 文学という言葉は、僕にはややこしい言葉である。

 大学によっては文学部というのがあるらしいが、様々な学科が含まれているそうだ。

 おそらく、文学部政治学科とか文学部心理学科とかも考えられるだろう。つまり、文学部というのは人間を中心に置いた(?)領域を探窮する学問の学部ということらしい。

 それで、純文学というときと、この文学部は違うのだろうか。

 文学に「学」という文字があるので学問の名前みたいである。

 でも、純文学の文学は「literature」の訳として使われているだけなんだろうから、ややこしいと思う。

 分からないことだらけだ。

 僕は、本も読んでいなかったので、思想の分類の言葉であるところの左翼も右翼も分からなかった。

 或る時、僕は以前にも書いたことのある、読書家の同級生に「左翼って何? 右翼って何?」と訊いてみたことがあった。

 彼の答えは、確か、「遡れば本居宣長の……」という結構長い説明で、僕にはちんぷんかんぷんであった。だから、覚えてもいない。

 その時の僕には、そんな深いことではなくて、「フランス議会で……」で良かったのだろうが、彼は真面目(?)に本気で答えてくれたのであった。

 社会学系の言葉については、『サイファ 覚醒せよ!――世界の新解読バイブル 』(宮台真司・速水由紀子、筑摩書房)が参考になった。本の内容については覚えていないけれども、この本には註があって、それらを僕は一つひとつ確認するように読んだのは覚えている。例えば、「アノミー、デュルケーム、自殺論かあ、これは重要な本なのだな」ということで、実際に『世界の名著』(中央公論社)で「自殺論」を読んだりした。

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