第3話 すてきなおにいさん

 走っていくうちに、二人は郵便局につきました。郵便局なので当然、真っ赤なポストもあります。ここでは蒼太そうたお兄さんが働いています。蒼太お兄さんは、金雄お兄さんのピカピカの変な車より使い古されている配達のバイクに乗って、いつも町中を駆けまわっています。優しい目元が印象的な人で、お休みの日には時々公園でのんびりバードウォッチングをしています。そんな時に限って、朱美ちゃんは一人、泥だんごづくりに熱中していたりするのでした。


 お兄さんはそんな朱美ちゃんを見ると、いつも笑って、ほっぺたに飛んだ泥を拭ってくれるのです。


『おいしいお団子、作れたかい?』




「……ここはやめとこ」

「なんで?」

「なんでも!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る