無情な詩

瀬若葉

田舎景

夕暮れに 落ちたる烏 川に浮く

烏は死んだ 我が子も死んだ


海沿いの 松は老婆か 飛び込みか

苦しみながら 幾年も立つ


山に消ゆ 弟君は いつ帰る

空蝉の世に 憚りけるか


流れ星 明日の生を 祈れども

三つ言う前に お前は死んだ


田の中に 案山子一本 瞬きも

せず殺せよと 言わんばかりに

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