急げ、急げ
灯火(とうか)@チーム海さん
第1話
急げ、急げ。
もう、まもなく。
花火が打ち上がる。
残りはまだ5分ほどあるが、大体この通りにはいかない。
向こうの方からだ。どぉん、どぉんと花火の上がる音。
なんとか、間に合った。
少し、遅れた気がするが、目を瞑ろう。
雲ひとつない澄んだ夜空に大輪の炎が華の如く瞬間的に咲き誇る。
花火を写した目から流れる一筋の涙は七色に光りながら地に落ちていく。
これで、巣立ち。もう、戻れない。
そして、旅立ち。もう、負けない。
周りから、歓声が上がる。私がこの街の雰囲気に溶けていくのだと、そう思った。
溶けていけたのだと、そう思った。
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