閑話:ここまでの登場人物と補足説明

※この部分を読み飛ばしても、本編には問題ありません。

 本編で語られなかったり、この先のエピソードで語られるかもしれない裏設定などの紹介を含みます。

 物語の進捗度合いにより、前回と内容が被ったり異なったり省略されていたりする場合があります。



多聞たもん蓮太郎れんたろう

 身長194cm・2月1日生まれ・28歳。

 一部の話を除いて、本編の狂言回し。

 善良にヘタレたメゾンの良心。

 柊一からは「レン」もしくは「ヘタレン」と呼ばれる。

 設定年齢は28だが、常識の基準は昭和中期に近く、中の人は50代後半かもしれない。

 190cmを超える長身痩躯で、黙って睨めば子供が泣くような容貌をしているが、中身は安定のヘタレ。

 柊一は恋人と認めてくれないが、誰から見ても完全に糟糠の夫婦状態。

 子供の頃から柊一の事が好きだったが、怒らせると怖いとも思っている、いわゆる愛妻家の恐妻家。

 高校生の時に柊一及びその他友人と共に、ロックバンドを結成。

 途中までは順調で、かなり本気で「音楽で食っていく!」と考えていたため、学歴は高卒である。

 当時使っていたテレキャスターは、今も大事に手入れをしている。

 部屋は4B。


東雲しののめ柊一しゅういち

 身長169cm(自称172cm)・10月7日生まれ・28歳。

 天上天下唯我独尊、最強運を持つ赤ビルの専制君主。

 赤ビルオーナーではあるが、別に金持ちでもなければヤリ手の実業家という訳でもなく、サッカーくじが高額当選しただけである。

 数字に弱く、電話番号を聞かれただけでも怒り出すので話題は厳禁。

 多聞からは「シノさん」、敬一の友人達からは「お兄さん」と呼ばれる。

 多聞とは幼馴染で同い年であり、昭和的なヤンキー気質を持っており、多聞同様、中の人は50代かもしれない。

 ティーンエイジの頃は、軽犯罪に抵触もしくは違反そのものをしまくった男。

 多聞曰く「当時はギンギンにキメていて、見るからにアレな雰囲気をギンギンに出しまくりで、周囲を威嚇しまくっていた」らしい。

 美味しい物が大好きで、不味い食べ物を心底憎んでいる。

 かなりの偏食でしかも下戸。

 辛い物は苦手で食べると「爆発」する。

 外見は冴えた美形だが、性格は下衆な野次馬気質でトラブルが大好き。

 サッカーくじで高額当選する強運の持ち主で、人生の面倒事はいつのまにか片付くものと思っている。

 美貌故に男女を問わずにモテるのだが、多聞の気を惹く以外に自分から誘っている様子は無い。

 身長に微妙なコンプレックスを持っているが、微妙なナルシスト気質も持ち合わせている。

 色々と微妙なセンスをしているのに、他人に勝手なアダ名を付けて呼ぶ。

 実母は敬一の父と再婚して ”中師” 姓を名乗っているが、柊一は亡き実父の ”東雲” 姓で通しており、母の再婚相手との養子縁組等はしていない。

 実父はもちろん、母の椿もバリキャリであったために、幼少期は祖母(実父の母)に育てられた、ばあちゃん大好きっ子。

 母の再婚時に地元を離れなかった最大の理由は、祖母の元から離れたくなかったからだが、正確には「祖母の料理から離れたくなかった」から。

 喧嘩では負け知らずだが、虫類全般には全く弱く、ゴキブリがいると言われただけでも飛んで逃げる。


中師なかつかさ敬一けいいち

 身長184cm・4月20日生まれ・18歳。

 現役国立大学生。

 柊一からは「ケイちゃん」、多聞のナレーションでは「敬一クン」と呼ばれる、フェロモンだだ漏れの天然気質な優等生

 本人の真面目な性格と偏った常識がトラブルを更に拗らせ、騒動を引っ掻き回す、とんでもトラブルメーカー。

 実父が柊一の母と再婚した事により、柊一に ”義弟認定” されている。

 ただし敬一から見た柊一は、義母の息子というポジションの、赤の他人である。

 柊一からは「ケイちゃん」、多聞からは「敬一クン」と呼ばれる。

 外見はキリッと精悍なスポーツマンだが、落ち着き払った外見が年齢より年上に見え、実は本人はそのことを非常に気にしている。

ている。

 ペントハウスに自室を持っているものの、今のところ自分のベッドを入手出来ず、柊一のベッドで一緒に寝ている。


小熊おぐまいたる

 身長189cm・12月24日生まれ・30歳。

 自分のことを「ヘラクレスみたいにカッコイイ!」と思っている、隔世遺伝で金髪碧眼のガイジンにしか見えない日本人。

 苗字の字面を見た柊一に「でっけぇコグマ!」と言われて以降、通り名は "コグマ" に定着しつつあるが、その惚れっぽい性格を揶揄して裏では「電ボ」と呼ばれている。

 ゲイであることを公言はしていないが、単に公言するのを忘れているだけにしか見えない程度に丸出し。

 本人の好みは綺麗系のほっそりとした美青年だが、モテは筋肉と思っているゴリマッチョ信奉者。

 脳筋マッスル野郎だが、性根は善良な小心者で、実は多聞と同レベルのヘタレ。

 ちなみに家族にはゲイだとカミングアウトしてあるらしいが、隔世遺伝の所為で誕生時に家庭内で一波乱あったらしく、本人の性癖なぞどうでもイイと思われているらしい(隔世遺伝の原因となっている「家系の何代か前に」いたイギリス人は父方の人物で、浮気を疑われた母は離婚を考えていたようだが、父も自分の家系にイギリス人が居た事を知らなかったので、離婚は回避された)。

 だが、コグマの存在が家族の黒歴史を思い出させるためか、実家での扱いは微妙で、居心地がさほど良くないらしく、正月にも帰省しない程度の溝があったりする。

 元は商社の通訳だったがリストラされて、現在は英会話の講師をしている。

 3Bをエビセンとシェア。


海老坂えびさか千里せんり

 身長178cm・9月4日生まれ・18歳。

 容貌は華麗な美少女顔だが、ハンターの目を持つ俺様攻属性な鉄火の男。

 柊一からは「エビちゃん」と呼ばれるが、多聞のココロのアダ名は「エビセン」。

 敬一の鎌倉時代の幼馴染で、家族と面識があり、柊一の実母である椿の事も見知っている。

 当時からずっと敬一を狙っており、メゾンのことを知って入居を目論んでいたが、先にコグマに入居されてしまい、最終的にコグマを陥れて部屋をシェアした。

 父親は建設業を営んでおり、実母は故人。

 父の再婚により幼少期は義母に虐待まがいの扱いを受けていた。

 万里まりという、腹違いの妹がいる。

 3Bをコグマとシェア。


天宮あまみや北斗ほくと

 身長184cm・7月15日生まれ・18歳。

 敬一のことを「同級生でバスケで幼馴染で婚約者です!」と呼ぶ。

 実家は名古屋で、親族経営のかなり大きな複合企業の総領息子。

 柊一には「アマホク」と呼ばれているが、学生時代のアダ名は「エリンギ」。

 本人は「ホクト」という、きのこ業者を彷彿させる名前故に付いたと思っているが、単に彼の髪型がエリンギに似ていたために付けられたアダ名である。

 敬一の婚約者を自称しているが、それは幼稚園時代の「結婚の約束」のため、敬一本人にすら真面目に受け取られていない。

 スマートな気遣いの出来るイケメン王子だが、敬一の事となると周りが見えなくなり、言動が変になる。

 年の離れた姉・葉月はづきと、中学生の妹・美月みづきがいる。

 幼稚園時代は、ホクトに気のある女子が敬一を虐めると、ホクトが敬一を(おかしな言動で)かばうため、更に虐めが酷くなるという悪循環を作っていた。

 ミナミのマンションの部屋を借りた模様。


天宮あまみやみなみ

 身長184cm・6月1日生まれ・23歳。

 ホクトの従兄弟。

 柊一には「アマミー」と呼ばれる。

 天宮家は男女を問わず血族がそっくりな容貌をしており、更にかなり若見えするため初見の人間には見分けがつかない。

 ミナミの母は、長子である自分のポジションを弟(長男・ホクトの父)に盗られたと思っており、ホクトが生まれるまではミナミを次期当主とすべく、ミナミに過干渉をしまくっていた。

 猫に癒やしを求める変人で、溺愛している柊一の事も "ヒトガタをした猫" と見なしている気配が有る。

 猫友繋がりの者とは口を利くが、それ以外の者とはほぼ会話をせず、ホクトに好かれている敬一を「ブス」と呼ぶ。

 酷い偏食で、ホクトは冷食のグラタンしか食べないと思っているし、実際それ以外のものを食べる事は非常に稀である。

 赤ビルの前の路地の奥にある、二世帯型高級マンションに住んおり、現在片方の部屋をホクトに貸している。

 多聞のナレーションは「ミナミ」。


神巫かんなぎはるか

 身長175cm・6月19日生まれ・25歳。

 自称 "イケメン" マッサージ師。

 ミツルと共同経営で、赤ビルの二階のテナント "フライングV" を営んでいる。

 コグマと同じく柊一に一目惚れをして、入居を決めた。

 ただしコグマと違い、マッサージ業を始める前に音楽で身を立てようとしていた履歴があり、柊一の音楽センスにも心酔している。

 ギターの腕はそこそこで、柊一は時々カラオケボックスで生演奏させるために、一緒に出掛けているらしい。


小仏こぼとけみつる

 身長182cm・6月15日生まれ・25歳。

 ハルカ曰く "イケメン" ヨガコーチ。

 存在感はヒジョーに薄いが、実はフライングVの主な収入源はヨガ教室の方だったりする。


白砂しろたえ聖一せいいち

 身長170cm・6月11日生まれ・31歳。

 帰化した元・英国人で、実父からの虐待サバイバー。

 銀髪碧眼で容姿端麗。

 柊一からは「セイちゃん」と呼ばれている。

 製菓のみならず、シェフの技術を持つパティシエ。

 ゲイである事をカミングアウトしており、神職の父親と対立している。

 実は日本生まれの日本育ちなので、英語より日本語が得意。


火威ひおどしあきら

 本編に姓名の表記は無いが、路上生活をしていた聖一に衣食住を提供して、パティシエの修行もさせてくれた恩人であり、元・雇い主の洋菓子屋の店主。

 お人好しの妻帯者で、同性に性的魅力を感じた事は全く無い。

 聖一に「一人前のパティシエとは、美味しいクロワッサンが焼ける事」を指導した人物だが、本人が聖一ほどの腕前を持っているかどうかは微妙。


◯赤ビル

 正式名称は "KING of Rock 'n' Roll KAGURAZAKAビル" である。

 多聞は「身内以外は誰も知らない」と言っているが、公的な地図や、取材に来た雑誌などにはちゃんと記載されているので、むしろ全く初見の客はビル名を知っていたりする(というか、正式名称をアテにして訪ねてきたものが、迷子になる可能性すらある)。

 地下一階・地上五階の、赤レンガで出来た老朽ビル。

 旧式だが一応エレベーターがあり、建築当初は外国建築を取り入れたハイカラビルだったと思われる。

 最初のオーナーが、コレクションのワインを堪能出来る美味しいパンが欲しかったという理由で、一階の奥に巨大な窯がある。

 ちなみにこの窯は、ビルと一体成型されているので、移動は不可能。

 サッカーくじが高額当選した柊一が、地面ごと買い取った。

 初代のオーナーから柊一の手に渡るまで、歴代のオーナーは基本的に窯は使っておらず、ビルそのものも地の利や内装・間取りの問題から殆ど廃墟扱いされてきた。

 柊一にビルを売ったオーナーは、相続税の問題から早急に売却を望んでおり、地価相場からは考えられないほどの安値を付けていた。

 リフォームの際に、上階部分は好き放題に改装しまくった柊一だが、地下室が害獣と害虫の温床になっていると業者に言われた後は、恐怖のあまり一切近付かず「このビルに地下は無い」と自己暗示して封印。

 以降、多聞すら地下階の存在を知らない。

 五階は三階と四階同様の賃貸アパートだったが、リフォームの際にペントハウスに改装、柊一の住居となっている。

 三階と四階は賃貸アパート「メゾン・マエストロ」で、基本的に敬一が管理をしている。

 二階はテナント "ハルカとミツルのフライングV" が入っている。

 一階は、柊一の趣味のアナログレコードコレクションを兼ねた中古レコード買取販売店と、奥の窯で焼いたキッシュとピザを販売するカフェスペース、どちらもオーナーは柊一。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る