第8話 拠点に追加した射撃場と、ちょっとした経験値稼ぎ
トッシュタリスにはピアと同じ銃の中では使いやすいリボルバーを渡してある。
玉の入れ替えはアタシのスキルで出しているので無限だが、アタシが使うなと思えば銃は消えて没収される。
そこの所、安全性はちゃんとしてるんだ。
それに、【アタシの貸した銃保持者同士の打ち合いは不可能】にもしている為、喧嘩でカッとなってパーン! ……なんて事もない。
さて――スキルを弄ったお陰で拠点も追加になった所がある。
二人を連れて向かったのは、一枚の扉。中を開けると射的場となっており、此処でスキルを上げて貰う。
「ここは?」
「射的場。銃のスキルを上げる為の場所が欲しくてね」
「素晴らしいですわ!!」
「トッシュにはアタシが銃の構え方や使い方を教えるから、ピアは練習開始。的にちゃんと当てな」
「はいですわ!」
こうして射的の訓練がスタートした。
トッシュには使い方と狙い方を伝え、耳が痛くなる前に二人共終えるように伝える。
一応騒音が余り響かないようには射的場は作っているが、それなりに大きな音はでるからねぇ。
「あ、当たりました!」
「流石【命中率5】【運の良さ7】だね。ドンドン当てて行きな」
「悔しいですわ! でも負けていられませんもの!」
「その意気だよ!」
こうしてまずは立って撃つ事を身体に沁み込ませていき、その内しゃがんで撃つ事も練習として二人に課す事にした。
これで暫く二人は銃スキルを上げることができるだろう。
その間に食事の用意も忘れない。
全く、食べ盛りが増えると料理も増えるねぇ。だが、6人の子供を育てたアタシに掛かれば大体の事は出来ちまう。
【ネットスーパー】で鶏肉と焼き肉のたれを購入し、今日は手短に焼き鳥丼と行こうか。
刻み海苔を乗せるのを忘れちゃいけない。後はゴマだね。
ご飯は炊飯器をもう一つ買っておいて米を研ぐ。男の子はしっかりご飯を食べないとねぇ!
これに具沢山味噌汁にお漬物。鳥の手羽元も焼き肉のたれでしっかり絡めて焼いて、味付けをする。
ご飯が出来上がる頃どんぶりにご飯をよそって上に大量の焼き肉のたれで焦げ目も少し付けた鶏肉をゴロゴロッと入れて刻み海苔をかけてゴマをふる。
具沢山味噌汁の味付けを再度確かめて――完成だ!
それらをダイニングテーブルに並べ、後は気まぐれサラダを作れば完成。
飲み物は麦茶と牛乳をドンとおく。
射的場に向かい「飯だよ!!」と言えば、二人は笑顔で着いてきて手を洗わせ食事となった。
美味しそうに食べる二人の食欲は凄い。
魔族と獣人だ、食欲は凄いんだ。
「美味しいです!!」
「美味しですわ!!」
「お替りもしっかりあるからね、好きに食べな」
「「はい!!」」
腹が減っては戦も出来ぬってね。さて、二人の銃スキルは――ピアが【銃スキル3】と意外と上がったね。
トッシュはスキルを持っていなかったが【銃スキル2】まで上がっている。流石【命中率5】【運の良さ7】の持ち主だ。
「さて、ご飯も食べたら昼から狩りと行こうか!」
「賛成ですわ!」
「しかし弱ったねぇ。トッシュにアクセサリーをつけさせてやりたいが」
「それなら、キヌ様がお買いになったアクセサリーにも同じのを考えながら買うと着くと思いますわよ」
「そうかい。なら腕輪とピアス……はついてないね、ネックレスに、指輪、サングラスってところかい」
そう言うと【ネットスーパー】からトッシュ用の腕輪にネックレス、指輪を購入。
指輪は今後大きくなることを考えてネックレスのチェーンにつけられるようにして置いた。
これでトッシュに装備して貰うと確かに、『魔王の配下(ネックレスから武器を取り出す事が出来る)』『転移の腕輪』『レベルアップ(指輪)』『サングラス(遠くまで見ることができる)』がついていた。マントは今度いいのを買って良いだろう。
【体力10】の力も知りたい所だからねぇ。
「さて、じゃあ狩り拠点は消して狩りと行こうかね! ついでにお宝ゲットだよ!」
「「はい!!」」
こうして人気がない事を確認して外に出ると、アタシ達は次なる獲物を探して歩きながら宝箱のある隠し扉を探す。
まぁ、先ずは宝探しでもいいだろう。
すると、隠し宝箱付近に冒険者が一組……入り組んでいて分かりにくい所に来ているようだ。
「リーダーここ行き止まりですよ?」
「仕方ない、戻るか」
「落とし穴があるから注意な」
「何かあると思ったんだけどなぁ」
そう言って歩いている先には確かに大きな落とし穴があり、その横を滑り込みながら歩いて戻って行くところを狙わない馬鹿はいない。
全員が渡り切った所でピアに【もくもく霧】を発動させ「なんか急に霧が増えたな」なんて言っている冒険者にアタシ達三人は銃を構える。
「かすってでもいい。駄目なら足を狙いな」
「はいっ!」
「ピアはスキル上がったんだ。力を見せておくれよ」
「了解ですわ」
こうして霧の間からサングラスで冒険者の頭を狙い、バンバン! と打ち込めば二人倒れた。
悲鳴と共に動けないでいる後衛の女の子も洩れなく足をトッシュに打ち込まれて蹲り、その隙にピアが脳を打ち抜く。
残った男性は慌てふためきながらアタシ達が隠れている霧に気づいたようだが、頭部を打ち抜くとその場に崩れ落ちた。
――ドサリ。
と言う音が聞こえ霧の中からアタシ達が出てくると早速お金とアイテムを奪っていく。
「あ、レベル上がりました。今レベル12です」
「意外と上がったね。最初幾つだったかしら?」
「8ですね」
「良い成長具合だ。この調子でレベルも上げていくよ。スキルポイントは取っておきな」
「はい!」
アイテムを奪い取り終えると金目のアクセサリーもあってちょっとは満足だ。
これが金になるってんだからいいもんだよ。経験値にもなって金にもなる……冒険者ってのは意外と良い金蔓だね。
その後足元に気を付けて一番奥まで向かうと、またしても苔の中に窪みを見つけてトッシュがそれを押し込み、隠し階段が現れる。
そこに入って行くと奥には宝箱があって、鑑定すると普通の宝箱のようだ。
中を開けると両手杖と青と白で出来たクローク装備一式が出てきた。
「後衛用の装備の様ですわ」
「今後に取っておくかね」
「金貨がありましたよ」
「どれどれ……ひいふうみい……全部で50枚金貨。美味いねぇ」
「金塊もありましたわ。2つですけど」
「それでも美味しいよ。金塊だけで【ネットスーパー】で買い放題とまではいかないが、色々と揃えられるからね」
こうして金塊二つは【ネットスーパー】に入れ込み100万単位で入ったので200万。
暫くは大丈夫だろう。
金貨や金は後で町でも使うだろうし持っていて損はない。
アタシのアイテムボックスにあるこっちの世界用の金が入った金庫に入れておけばいいだろう。
「今日はバタバタしたが此処までだね。外にでてアイテム整理と行こうかね!」
「さっきのパーティーの女性陣結構なアクセサリーを持っていましたわ」
「男の人が持っていたミスリルの短剣欲しいです!」
「いざと言う時の為に持っておきな」
「ありがとう御座います!」
こうして外にでて近場の木に再度狩り拠点を作って入り、手を洗ってからテーブルに今日の戦利品を並べていく。
さて、どんな物がでるかねぇ?
ヒヒヒ……物は少ないが、それなりの物を持っていたら良いんだけどねぇ?
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