第7話
誰だ、誰だ。
私は誰と登校していたんだ。
ああ。思い出せない。
寮に帰った後、夜月は疲れ切っていた。
佐々山詩音が声をかける。
「なんかあった?」
「ううん。何も。」
来週には女子寮内で部屋替えがある。
たしか中2は木曜日。
そのときになったらこんなことわすれているかもしれない。
次の木曜日。部屋替えがあった。
新しい部屋のメンバーは夜月怜愛、寺田春菜、酒井愛玲奈、石川秋葉だった。
部屋替えが終わり、新しいメンツで挨拶をする。
「怜愛たんはじめてだね。よろしく〜」
「こちらこそ。春菜ちゃんとあまり喋ったことないから〜。よろしく〜。」
「なんか、れいあとえれなって名前がなんとなく似てるから、間違えそうw」
「え〜、れが入ってるだけじゃんw」
さあ、ここで読者さんに話しておこう。
読んでいてきっと4人部屋なのは承知のことだろう。
この寮では二段ベッド制で、夜月の部屋は、部屋に入って右側にあるベッドの上が寺田春菜、下が石川秋葉。もう一方のベッドの上が夜月怜愛、下が酒井愛玲奈という具合だ。
そしてベッドにはみんなが落ち着いて寝れるようにカーテンがある。
このことを覚えていてほしい。
夜11時半ごろ。
私はふと目を覚ました。
下から、かさっかさっ、という音がきこえた。
落ち着かず見にいきたくなったのと、水を飲むために下に降りた。
すると…。
下のベッドのカーテンが開いていて、愛玲奈が姿を消していた。
この時間帯に行ける場所はトイレだけ。
この寮は厳しく、自分の部屋ではない部屋はいってはいけないことになっている。
気になってトイレにいってみた。
だがトイレの電気は消えていて、人の姿が感じられない。
では愛玲奈はどこに行ったのだろう。
部屋に戻っても愛玲奈の姿は見当たらなかった。
落ち着かなかったが私はベッドに入った瞬間眠りに陥っていった。
次の朝。部屋にはきちんと愛玲奈はいた。
怜愛は愛玲奈に昨晩のことをきいた。
「ねえ。昨日の夜、何してたの?」
「え?普通に寝てたけど?」
「え?ベッドにいなかったじゃん」
「そうだったかな。普通に寝てたけど。」
昨日のは夢か?いや、そんなことはない。
絶対この目でみて、疑問を抱いた。
愛玲奈は何かを隠している。または…愛玲奈は本当に何も知らず、昨日のは何か変な現象が起きていたのかもしれない。
交通事故にあった、もうひとりの…
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