第3話
「わ、私もパーティーに行きたいわ」
「美月ちゃん。もう、ちょっと大きな声で」
「私もパーティーに行きたいわ」
みんな困った様に顔を合わせた。少しして、台本が用意でき今日は練習一日目。
「えーっと。今日はもう終わりにしようか」
「そうだね。まだ一日目だし、ゆっくりでいいよ」
監督役となった樹くんがそう言うと周りの子も頷いた。誰も私のことには触れないけれど、もはや、その優しさは心が痛い。私は演技をなにも知らない子供でもわかるであろう大根役者だ。セリフは噛むし、声は小さいし、挙句の果てに感情も込めれず棒読み状態。
いっそのこと、ド下手くそっと言ってほしい。私のシーンに入ると毎回、止まってしまうのだ。本当に申し訳がない。
「お前、本当に下手くそだな」
落ち込んでいる私の隣で蒼空が誰もが言わなかったことをストレートに言って笑った。
「そんなの私が一番、わかってるよ」
「まだ小学生の頃の方がうまくないか?」
私はため息を着いた。昨日のアイスの棒は入らなかった。昨日、なぜかできる気がしたのは蒼空がいたからだ。蒼空といるとできる気がするって、錯覚が起こるのを忘れていた。
「蒼空サポートしてくれるんでしょ」
「さすがに俺が出てないシーンまではカバーできねぇな」
そう王子役が出てくるのはもう少しあと、簡単に全体を通す予定だったのに私が何度も止まるせいであまりできなかった。
「美月ちゃん。大丈夫だよ!まだ時間はいっぱいあるし、最初は下手でもしょうがないよ」
「葵、ありがとう」
葵は私に走ってくると、慰めるようにそう言った。葵でもそれ下手だって言っちゃってるよ、と思いながらも 私はそう言った。
「私、トイレ行ってくるね」
私は気を落としながらトイレに向かった。手を洗っていると目の前の鏡に写っている自分と目が合う。特に目立ったパーツもなく平凡な顔。唯一いいところと言ったら肌が白いくらいだ。
葵は手芸部のこともあって、衣装係となったらしい。さっきまで足や腕にウエストなどあちらこちらはかってもらっていた。私に似合うドレスを作ってくれると言ったけど、似合う気がしない。
濡れた手を拭きながら廊下に出ると下から賑やかな声が聞こえてきた。みんなもう帰ったのかな。私は教室に入ると思ったとおり誰もいなかった。
私は机の上にある開きっぱなしの台本を見つめる。そして、自分のセリフの部分を指でなぞった。
シンデレラは私に少し似ている気がした。夫人や姉たちにこき使われて、嫌われている。シンデレラというのは本当の名前ではないのだ。シンデレラはロシア語で灰かぶりな女という意味らしい。
私は台本をかばんに入れた。すると、ガラッとドアが開く音が聞こえ、反射的に首がドアの方に向いた。
「あれ、まだ帰ってないの。ぼっちかわいそー」
私はつくづくタイミングが悪いなと思う。今から帰ろうとしていたところだったのに。
「痛っ」
突然、頭になにかがあたり、私は短く声を出した。そして、頭に当たったなにかは地面に落ちた。見るとそれはカッターだった。
「私たち、予定があるからこれやっておいて」
梨沙はそう言うと手に持っていたダンボールを地面に投げ捨てた。
「じゃあ、頑張ってね」
「よろしくー」
遥と芽衣も梨沙が投げたダンボールの上に重なるように置いて、帰って行った。三人分を一人でやれって言うの?私は全く進んでいないダンボールを見下ろした。あの三人は意地悪な夫人役にふたりの姉役だ。正直、とてもあっていると思う。
劇で使う大道具はみんなでつくることになっているけど、私と蒼空はセリフが多いからその分、作業はしなくていいことになっていた。
なのに結局やる羽目になってしまった。私はダンボールに挟まっていた説明書らしきもののを引っ張り出して、読んでいく。どうやらこれはガボちゃの馬車の一部みたいだ。
私は説明書、通りにダンボールに下書きをしていく。三人分かけたら今日は帰ろうと思ったが、これは時間かかりそうだな。やらないわけにもいかないし、素直にやり出す自分にため息をしながら私はえんぴつを握った。
しばらく鉛筆で線を書いていくとどこからかタンタンタンという足音が響いた。先生が見回りでもしているのかと思っていると、その足音はだんだんとこちらに近づいてきた。ついにはこの教室まで来ると、スっと足音が止まった。
そして、ドアが開いた。誰なのか確認しようと、顔をあげるとそこにいたのは蒼空だった。
「お前、まだ帰ってなかったのか」
「蒼空こそ、とっくに帰ったと思ってたよ」
「俺は職員室に呼ばれて、帰ろうと思ったら下駄箱にまだお前の靴があったから」
蒼空はポケットに手を入れながら近づいてくると、視線を私からダンボールに目を移した。
「お前、大道具作りはなかっただろ」
「これは梨沙たちが予定があるからって」
「はぁ、お前お人好しすぎ。それで素直にやってるのかよ」
蒼空は携帯を操作すると、私に画面を向けた。携帯を覗き込むとそこには、カラオケで楽しそうにしている梨沙たちの写真が投稿されていた。
「予定なんて嘘なんだよ。お前がやる必要ないって」
「でもこれできないとみんな困るでしょ。私、ただえさえ迷惑かけてるし」
そう言うと蒼空は私から鉛筆を奪いとった。
「成功させたいのなら、お前は練習しろ。今のままじゃ人に見せられないぞ」
「うっ。そこまで言わなくても」
「練習してもらわないと俺の出番、一生こねぇじゃん」
「す、すみません」
蒼空は地面にドンと座ると私の続きを描き始めた。隣で私は一度しまった台本を取り出して、開いた。
「お前は周り気にしすぎ。意外とみんな周りなんて見てねぇよ」
「それは蒼空だけじゃない?」
「お前に俺はどう見えてるんだよ」
そう言って、蒼空は笑った。
「そこまで悪くは映ってないよ」
「そうかよ」
それから私は蒼空に手厳しい指導を受けた。そして、この日から早くも二週間近くが経っち、私の演技もド下手くそから下手くそまでには成長した。
今日は樹くんの紹介で演劇部の部長さんが私たちを見に来ていた。
練習してたシーンはシンデレラが舞踏会で王子様からダンスを申し込まれる場面だ。なぜだか部長さんがすごく私を見ている気がする。
「お嬢さん、私と踊っていただけますか?」
「ええ、喜んで」
そう言うと蒼空が私の手をとり、踊り始める。
「ストップ、ストップ」
蒼空が次のセリフを言う前に部長さんが止めた。
「シンデレラ役の子、中野さんだっけ?」
「は、はい」
「動きが硬い。それにこのシーンはシンデレラの夢がやっと叶うところなのよ。もっと嬉しそうに笑って」
「すみません」
それからも私は何度もダメ出しをくらい続けた。私はこの場面が一番、苦手だ。ダンスは蒼空がリードしてくれているからなんとかなるけど、嬉しくもないのに笑うのは難しい。
それにくらべて私の目の前にいる蒼空はそれはもう完璧だった。部長さんも文句なしの王子様スマイル。
そんなことを考えているとダンスを踊っていることを忘れて、蒼空の足を踏みつけた。
「集中、切れてるわよ。ちょうどいいわ、十分休憩」
部長さんはそう言うと廊下に出ていった。
「さすが部長さん。本格的だな」
「蒼空はなにも言われなかったね」
「あたりまえだろ。俺は完璧だからな」
蒼空がこう言うと否定ができないからムカつく。
「俺もあの顔はどうにかして欲しいわ。なんかすげぇ嫌がられている感じ」
「笑ってるつもりなんだけど、そんなにひどい?」
「すごい顔してるよ」
「それ失礼だよ。笑ってるつもりなんだけど」
私はそう言うと時計に目を向けた。
「あっ、そういえば。美優に呼ばれてたんだった。ちょっと行ってくる」
「時間までに戻ってこいよ。お前いないと始まんないだからな」
そう背中越しに聞きながら返事をして廊下を出た。私は駆け足で家庭科室に向う。少し手前で歩いて乱れた呼吸を整えた。
ドアに手をかけると中から聞こえてくる声に手を止めた。この声は...聞き覚えのある声をドアの隙間から覗く。
「ねぇ、最近さ。美月と仲良いよねー?」
「そうだけど...」
「美月と仲良くしない方がいいよ。まぁ、なんでかはわかると思うけど」
「あいつ最近、調子のっててうざいよねぇ。ね、葵もほんとはそう思ってたでしょ?」
昔に見た事のある光景に、私は呆然とする。葵は俯いている。あぁ、またこれか。前も梨沙がこういうとみんな「うん」と頷いた。そう言うしかなかったのだろうけど......。私は奥歯をグッと噛みしめた。私はその場から離れようとする。
「調子のってるのはそっちじゃない」
背中越しに響いた強く放たれた言葉に私は足を止めていた。「えっ」私は下を向いていた顔を葵の方に向けた。
「は?今なんて言った」
「私ずっと後悔してた。けど美月ちゃんは許してくれて、今度こそ裏切らないって決めたから」
葵の言葉を聞いた途端に三人はお腹を抱えて、笑いだした。
「ねぇ、なに偽善者ぶってんの。あはは、きっも」
「わかった。じゃあ、お前があいつの代わりになってよ」
梨沙がそう言って葵に詰め寄った。葵の手が震えているのがここからでもわかった。
「ほらっ、こう言った途端に黙っちゃうのになにが友達なんだよ」
すると、梨沙は新しいおもちゃでも見つけたように面白そうに笑った。
俯いている美優に梨沙は肩を強く押した。
「もう遅いけど、お前も馬鹿だよね」
どうしよう、助けないとそう思ったのに足が動かなかった。助けに行ったらまた私が、せっかく標的が私から外れたんだ。見なかったことにすれば...。
そう思った自分にはっとした。私、最低だ。葵は私を庇ってくれたのに。
動けずにいるとふと、蒼空の言葉を思い出した。
そして、気づけば私はドアを勢いよく開けていた。自分でも逃げる選択の方が賢いのはわかってる。でも初めて、私を庇ってくれた友達だった。
私は葵を庇うようにして、梨沙たちの間に入った。
「美月ちゃんッ」
「うわっ、まさかのヒーロー気取り」
「葵は関係ないでしょ」
私が強い口でそう言うと、梨沙は気に入らなそうに眉を寄せた。
「正義感、強いアピやめてくれる?見てて本当にうざいから」
「ずっと思ってたんだけど、梨沙が私に突っかかってくるのって八つ当たり?それとも嫉妬?」
「はっ?なんの話し」
「あははっ、てっきり蒼空が振り向いてくれないから嫉妬してるんだと思ってた」
「なっ」
図星なのか梨沙は顔を赤くした。
「それに梨沙って友達いないでしょ。うしろのふたりも梨沙のいない所で陰口ばっか言ってるみたいだし」
私がそう言うと梨沙は後ろに振り向いた。
「なに言ってるのよ。私たちがそんなこと言うわけないじゃあない!」
「そうよ。デタラメ言わないでよ!」
遥と芽衣は慌てたように私の話を否定した。でもこれはすべて事実だ。帰り際に梨沙のことを愚痴ってるのを聞いたことがあった。
「まぁ、梨沙たちの友達ごっこに口出しするつもりはないけど」
「ブスが調子、乗んなよ!」
私がそう言うと梨沙は私の胸ぐらを掴んで壁に叩きつけた。
「美月ちゃん!」
葵が心配した顔で私に近づいてきた。
「葵、大丈夫だから先に戻って」
「でも」
葵は困ったように考え込んでいると少し、して廊下に走り出した。
私は馬鹿だなと自笑した。これで今まで我慢してきたのが全部パーだ。でもここまで来たら、いまさら引き返せない。
「私に毎日突っかかってきて、ほんと暇だよね」
私は大きく息を吸う。そして梨沙の顔を真っ直ぐに見つめた。そしてお腹のそこから、
「バーーーーーーカッ!!」
息が止まるまで言ってやった。晴れ日やかな気分だった。すると梨沙は怒りが抑えきれなくなったのか右腕を振り上げた。私は瞼をギュッと閉じる。だが、少し経っても振り上げた腕が振り下ろされることはなく、私は閉じていた瞼をゆっくりと開いた。
「えっ」
私は驚きで声を漏らし、目を見開いた。梨沙も戸惑っているように見えた。私たちが見つめる先には梨沙の腕をギュッと掴む蒼空の姿があった。
「蒼空、これは違うの。先に美月ちゃんが手を出してきて、抵抗しただけで」
さっきの口調とは裏腹に今にも泣き出しそうな声で梨沙はそう訴え、涙ぐんだ瞳で蒼空を見つめた。
「わかったから泣くなよ」
蒼空は梨沙にそう言って微笑み、梨沙の腕を解放した。
「蒼空っ」
梨沙は蒼空の腕に抱きつくように腕を回した。梨沙は蒼空の見えない角度から私に視線を向け、ざまぁとでも言いたげに笑った。
「お前ら本当に最低だな」
蒼空の低い声が家庭科室を満たした。そして、蒼空は梨沙の腕を荒々しく振りほどいた。
「えっ、蒼空。どうしたの?」
梨沙がそう言って、同時に私は蒼空に顔を向けた。そこには微笑む蒼空の顔、ではなく冷たく梨沙を見下ろす蒼空がいた。
蒼空のこんな冷たい顔を見るの初めてだ。普段、優しく笑っている蒼空とは別人だった。
そんな蒼空に全員が唖然とする。
「お前、なに勘違いしてんだよ。俺はその下手くそな演技やめろって言ったんだけど」
「蒼空、信じて。本当に私はなにも」
躊躇のない蒼空の言葉に焦りながらも梨沙はおもむろに口を開いた。
「自分のことしか考えてない馬鹿女より、俺は美月を信じる」
そんな毒舌の蒼空に梨沙は口を積むんだ。
「お前さ。俺になにを期待してるのか、知らねぇけど、俺はお前みたいな女むりだから。正直、迷惑」
蒼空が強く言い放つと梨沙の顔は傷ついたように眉を寄せた。
「勘違いしてるのは蒼空じゃない。私、蒼空のことなんて好きじゃないから!」
梨沙は真っ赤の顔に涙を浮かべてそれだけを言って、勢いよく出ていった。
その後を遥と芽衣は気まづそうにこちらを見たが追いかけて走っていった。
すると、蒼空は後ろにいる私に振り返った。温度のなかった瞳には光が宿り、優しく笑った。
「戻ろーぜ。今頃、部長さんカンカンになってるぞ」
「あっ、そうだった」
私はすっかり忘れていたことを思い出し、時計を見た。もうに三十分は経ってる。部長が怒っている姿が想像できた。
「蒼空はなんでここに」
「お前が時間になっても帰ってこないから探してたら葵が走ってきてよ。助けて欲しいって」
蒼空は記憶を辿るように私に教えてくれた。
「そっか。葵が呼んできてくれたんだ」
「葵のやつすげぇ心配してたから後でお礼、言っとけよ」
蒼空はさっきの出来事が想像できないくらいにいつもの調子に戻っていた。
「じゃあ、戻るか」
そう言って背を向けて歩き始めた蒼空に私は気づけば、蒼空の裾を掴んでいた。
それに気づいた蒼空は再び振り返り、少し驚いたように眉をあげた。
「どうした?」
「えっと、その...なんていうか」
自分でもどうしてか、わからずにテンパっている私を見ていた蒼空が笑った。
「まぁ。たまには息抜きも必要だよな」
「ちょっと蒼空」
「後で一緒に怒られようぜ」
そう言った蒼空に腕を捕まれ、私たちはその場を後にした。
そして、連れてこられたのは屋上だった。
「今日もいい天気だなぁ」
蒼空はそう言いながら真ん中に寝転がった。そんな蒼空に近づき、少し離れて隣に腰を下ろした。特に会話もなく私たちは風に当たっていた。
「私ね。葵を助けないとって、思ったとき足が動かなかったんだ」
私は雲ひとつない空を見上げてそう言った。
「逃げて私が助かるなら、そうしたいって」
私の話を蒼空は何も言わずに聞いてくれている。
「私、最低だよね」
私は最後に自分を潮笑して軽く笑った。すると少し流れた静寂を払うように蒼空は勢いよく体を起こした。
「それが普通なんじゃねぇの」
蒼空はあぐらをかき視線は空のままそう言った。
「そう思うのが当たり前でそれでも動けるお前はすげぇよ」
蒼空はさっき私が言った「最低」を否定するようだった。
「じゃあ、蒼空もさっきの私と同じ状況になったらそう思う?」
私が蒼空にそう聞くと蒼空は「あぁ」と短く答えた。そんな蒼空に本当かなと思ったりもした。
「いじめられてるやつがいたら助けるとか綺麗ごと言ってるだけの偽善者より、お前はよっぽどましだよ」
「でも私が動けたのは、蒼空の言葉を思い出したからなんだ」
「俺?」
私がそう言うと蒼空はずっと空を見ていた視線をやっと私に向けた。そして、どうして俺なんだとでも言いたそうに首を傾げている。
「明日があることはあたりまえじゃないって、だから生きているうちに言ってやろうと思って」
私はそう言って笑った。あのまま逃げてしまっていたらきっと今日のことを一生後悔していた。
「だから蒼空。ありがとう」
私は心から感謝の気持ちを伝えた。心なしか蒼空の瞳から見えた私はなにかが吹っ切れたような顔をしている。
涼しい風が吹き蒼空の髪が揺れ、その隙間から見えた蒼空は何か珍しいものでも見ているような顔をしていた。が少しして蒼空は笑いだした。
「お前はそっちの方がいいよ」
そう言って微笑まれ、なんだか鼓動が早くなったのを感じた。
「言いたいこと言えてスッキリした」
私はなぜか早くなっているそれをなだめるよう視線を蒼空から外し、話を変えた。
「俺もお前が言ったバーカにはスッキリした」
「き、聞いてたの」
「聞いてたも何もあんなでかい声で、言ってりゃ聞こえるだろ」
蒼空はニヤッと笑った。今、思えばなにを小学生みたいなことを言っていたんだろうと顔が赤くなった。
「でも蒼空まで梨沙にあんな言うとは思わなかったよ」
「そりゃ、お前にだけ言わせといて俺が言わないのは不公平だろ?」
「いまさらだけど大丈夫なの?よく話してたじゃん」
「仲良かったわけでもないし。俺も言いたかったこと言えてスッキリした」
てっきり仲がいいんだと思っていたけど、そうでもないみたいだ。
「それにあいつの顔、見たか?」
「見た見た」
私たちは顔を合わせると声を揃えて笑った。梨沙には少し悪いと思ったけど、このくらいは許されるだろう。
その後、教室に戻った私たちは部長さんにすごく怒られた。正しくいえば、私だけだ。なんだか部長さんは蒼空には甘い気がする。蒼空が言うにはイケメンの特権らしい。
そういうわけで私だけ部長さんに目をつけられて、次の日からもそれは鬼のようにしごかれる日々が続いた。
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