第28話 森の精霊 ミホーク
〇世界樹の庭園 精霊の泉
あれからこの地で幾年が過ぎたのか・・・ファリス曰くここでの時間は他の世界での時間とは無縁だと言う
俺はこの地で、各精霊から精霊術を学び、ミホークからは武器の扱いを、オリハからは武術を習った
俺自身はこの地で成長し、当時13歳の少年だった俺は青年へと成長していった
「ミホーク・・・髪型はお前の力で調整できるが?・・・」
「ダメですぅぅ~ロン様の髪の毛を触れっるのは私の特権ですぅぅ」
俺を席に座らせハサミを器用に使い、鼻歌を歌いながら俺の髪を切ってくれてるミホーク・・・
眼の前に切られて落ちる俺の髪の毛は以前の白髪では無く薄い緑色になっていた
にしても・・・・だ・・・・
「ミホーク・・・さっきから当たってるんだが・・頭に・・」
「フン♪フン♪フン♪フ~ン?え?何か言いましたか?ロン様ぁ」
「いや・・さっきから俺の顔に思いっきり当たってるんだが・・モゴモゴ・・」
「あ、あん・・・や、やだぁぁロン様ぁぁ感じちゃうぅぅ」
身もだえながら尻餅をつくミホーク・・・その姿はパンドラにも負けないグラマーな身体の大人の女性の姿だった・・
「お前のその姿では俺の髪を切る時に邪魔になる所が多いだろ?」
頬を上気させながら呼吸を荒くしてるミホークは初めて見た時の少年か少女か分からない姿では無く、長い髪を後ろで結び、原住民が着るような麻生地の下着の様な服を着用していた
しか服のサイズが胸の大きさに堪え切れておらず半分以上がはみ出している
「そ、その・・・この姿で・・ないと・・この後ロン様に愛して頂けないのでぇ・・・」
「ミホーク・・・そういう時は正直に言うのでは無く・・この姿で無いと背が届かないから・・とか誤魔化すもんだぞ?」
「あああぁぁ・・なるほど!」
胡坐で座ってポンと手を叩き俺の話しに納得するミホーク・・姿は魅力的な女性でも純粋な心は変わらない・・俺には妹や弟というものが居なかったのでミホークとダキが弟と妹の様に思えていたのだが・・・
「まぁ妹妹・・・だったわけだ・・・」
「?????」
俺の話しについて行けず首を傾げるミホーク・・苦笑しながら見て居ると俺の身体に白いモフモフしたものが触れ身体についた髪の毛を優しく払い落としてくれる・・・
「ダキ・・有難う・・・お前の尻尾は癒されるな・・・」
尻尾をモフモフと触りながら仄かに香る風の匂いを楽しんでいると
「ロン様ぁぁダメですぅ・・・ダキの尻尾をそんなモフモフしちゃぁぁ・・・我慢できなくなっちゃいますぅぅ」
ダキを困らすのは本意では無いので名残惜しいがダキの尻尾を離した
「ダキぃ今日はミホークがロン様のお世話をする日だからぁダキは自分の役目に戻ってよぉぉ」
そうミホークに言われシュンとするダキの狐耳をコショコショと触るとくすぐったそうに笑顔になる
「ミホークもそう言うな・・・・ダキも気にするな・・役目頼んだぞ」
「は、はいぃ・・・ロン様・・明日の私の番の時は・・・その・・・沢山可愛がってくださいぃ・・ね」
「ああ勿論だ、楽しみにしてるよ」
精霊には役目がある・・・それは色んな世界において人々の手助けをしたり、時に人々を導いたり・・この世界樹の庭園と呼ばれる空間から自分が必要とされる世界へ赴き様々な役目を担ってる
そんな精霊が交代で1日俺の身辺のお世話をする事になっている・・・
第一従者がフィールで、第二従者が妹のフィーネ、そして第三従者がこの目の前にいるミホーク、そして第四従者が先ほどの狐耳のダキ
第五従者はオリハ、そして第六従者がファリス、そして最後の第七従者がパンドラとなっている
これは公平にくじ引きで決めたので特に意味はないが、上手く前の世界での曜日に沿った形で覚え易い
「むぅぅぅぅ、ロン様!今日はオイラ・・私の当番の日ですよ!他の精霊に目移りしちゃ嫌ですぅぅ!」
目の前で頬を膨らませながら模様の彫り込まれた頬を赤く染めるミホーク
「ああ、じゃ先に俺の髪を整えてもらってから、武器の稽古をお願いしようかな、ミホーク先生」
そういうと一気に笑顔になり何度も頷くと、先ほどと同じ様に鼻歌を歌いながら俺の髪の毛を切り揃えていった
森の精霊 ミホークは他の精霊と相克を持たない中立の精霊でもある、そしてミホークの一番大事な役目は世界樹ユリシーズのお世話であった
森の精霊はその名の通り、植物に関わる精霊術を使うその為、世界樹を維持する為の保全をする責務を負う
当然他の世界に対し、力を行使する事もある、ミホークの眷属には、御伽話や絵本に出て来る妖精やエルフと言った自然の象徴たるミホークを神として崇拝する者達も多く居る
守護聖の七人の内でも、光の精霊ファリスに次ぐ実質ナンバー2と言う位置づけである
「ふふ、ロン様が、より一層素敵になりましたよぉ」
手を叩きながら喜ぶミホークには子供の様な純粋さを感じ安心する
の・・・・だが
「ロン様!そんな打ち込みではミホークは倒れないどぉぉ!!」
「はぁはぁはぁ・・・ミホークは早すぎんだよ」
ミホークは小さな子供の姿になって、自分の力で作り出した木剣を地面に突き立て膝をついて肩で息をしてる俺に檄を飛ばす
「クッ・・・」
俺は髪の毛を一本抜き掌に握ると木属性の精霊力を集中させる
【息吹】(いぶき)
右手の中の髪の毛が植物の芽になり急速に成長し一本の木剣となる
「まだまだぁぁぁ!」
俺はミホークに向かって真っすぐ構え素早く後ろに振りかぶると右上段から左下段に向けて振り下ろす
「取った!!」
振り抜いた木剣がミホークを斜めに切り割いた・・・・と思っていたがミホークの姿は靄の様に消えてしまう
トントン
俺の肩を背後から木剣で軽く叩かれる・・・
「はぁぁぁ今日も、一本も当たらない・・・」
「にしししし、ロン様は筋がいいどぉぉ、少しだけでミホークの服の端を掠ったどぉ」
ミホークは服の裾をつまむと俺に見せつけニコニコと笑った
「腹も減ったな・・・少し休憩にするか」
「あい!!果物を用意するどぉぉぉ」
ミホークは練習していた、木々の間に木のテーブルと溢れる程の果物を出した、果物と果実酒を堪能しながらミホークと談笑する
「そうかぁ~ミホークはフィールとパンドラとダキが苦手か、ははははは」
「ううぅぅぅ・・苦手というか・・炎と闇と風は・・うん、苦手だどぉ!」
こういう所も素直なミホークらしい
「じゃ、フィーネとファリスとオリハは好きなのか?」
「うん!好きだどぉ!水と光と土は森には大切だどぉぉ・・・あ、でもロン様が一番好きだどぉぉ」
ニシシと満面の笑顔のミホークの頭を撫でる
「・・・ロン・・様・・・」
ミホークは撫でてる最中に頬を赤すると大人の女性の姿になる、俺達の周囲を木で覆い隠し小さなドームを作りだすと俺の座ってる所に草木で出来たベッドを出現させる
「ロン様ぁ私もう・・夜まで我慢が・・出来ない・・で・です・・今すぐ下さいぃ💛」
「ふふ・・こっちのミホークも可愛いぞ・・・」
はみ出そうなミホークの胸を覆う布をズラしその大きな胸を乱暴に揉みながら口づけを交わす
「ロン様ぁはやくぅぅ・・・」
その日は訓練は早めに終わり、ミホークとの激しい夜を過ごす事になった
2章 了
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