第18話 失った身体と消えかけの心
エストがローファット家に収監されてから6ヵ月が経過した・・・ここ1ヶ月以上はミリアもハリーも見かけない
二人が居なくなってもエストに対する拷問の手は一切緩む事無く、さらに過激に続いた
今日は月一回のザビーネの訪問日だ・・・ザビーネは訪問するたびにエストの牢にゼスと共に現れる
そして・・・
「あはぁぁぁん、ゼスさまぁぁいいい凄くいいですぅぅもっと―――!」
エストを拷問し昂り興奮したザビーネはエストが倒れてる牢の前で、腰を突き出しドレスを捲り淫靡な声を上げ激しくゼスと行為に及んでいる
「はっはっ・・ザビーネ様・・このような場所で・・・はっはっ興奮されるとは・・・はは・・それだけでこの豚を飼っているかいが有るというもの」
「ゼス様ぁぁぁもっとぉぉもっと強くぅぅ私の目の前で豚が興奮してますわぁぁあはぁぁん」
エストが唯一みえる左目でザビーネを見上げると、ザビーネは口から涎を垂らし目は明後日の方を向いていた・・・地下牢内で反響するザビーネの喘ぎ声・・しかしエストには届かない・・
「私の美しい声を、この汚い豚にも聞かせたかったのにぃぃぃああぁぁぁ気持ちいぃぃ」
激しく腰を振るゼスと鉄格子を強く握り腰をゼスの方に突きだし激しく悶えるザビーネ・・・
「ザビーネぇぇくっっ」
二人の行為はゼスがザビーネの中で果てた事で終了した
「はっはっはっ」
鉄格子を握ったまま腰をプルプルと痙攣させ、恍惚な表情で余韻に浸るザビーネ、ゼスは下げていたズボンを上げ着衣を整えるとザビーネの顎に手をそえ激しく口づけを交わす
「ゼス様ぁぁ貴方は最高です~上級魔法を顕現させた上に武技においても秀でてる、私の理想の夫そのもの・・私早く貴方のお子を身ごもりたいですわぁ」
「ふふ、ザビーネ様は気がお早い、婚礼の儀は来月で御座いましょう、今身ごもってしまっては折角バーネット子爵がご用意くださったドレスが着れなくなってしまいますよ?」
「まぁゼス様のイケず、でもそんな所もお慕い申しております」
牢屋の中で愛を語る二人そんな二人を見つめるアイスブルーの瞳は冷ややかに輝いていた・・
「・・・ゼス様ぁ?私あの生意気な目が気に入りません・・・潰してしまって宜しいです?」
「それはご勘弁を・・・唯一残ってる目なんで」
そう言うとエストの方を見て邪悪な笑みを浮かべる
「まぁ・・残念です・・・ではその時には是非私にお任せ下さい!」
「ええ、それは勿論ですよ」
「さぁ屋敷に戻ってから続きでも・・・」
「まぁゼス様・・・勿論宜しくってよ」
そう言うとザビーネの肩を抱いたゼスがエストの方を見てニヤリと笑い口だけ動かし
【あ・と・で・な】
そう言うと地下牢から出て行った・・・・
二人を見送っている間もエストはピクリとも動かない・・・この時のエストは、おおよそ人が受ける拷問の度を越えていた
髪の毛は燃えて無くなり、頭皮は焼け焦げ
右目はくり抜かれ
両手首、両足首は切り落とされ豚の皮を剥ぎ取って縫い合わせてあり
耳は削ぎ落され
男性器も切り落とされており
自ら命を絶つ事を防ぐ為、すべての歯を抜かれ舌を切り落とされていた
ゼスは拷問を受ける自分の絶望的な状況を、その目で見せる為に敢えて片目だけは残してあるのだと言う
(誰か・・・俺を殺してくれ・・・死なせてくれ・・・これ以上生かさないでくれ・・・)
地下牢の生活が長くなり、牢の中は糞尿にまみれあちこちに虫が湧いており、エストの身体にもウジがたかっていた・・
夜もふけ月明かりが差し込む地下牢に足音が響く・・・
「やぁエスト・・・気分はどうだい?」
現れたのは昼間にここでザビーネと淫らに行為に及んでいたゼスだった
「そんな目で睨むなよぉ、俺達親友だろ?あの日お前が言ったんだぜェ?全力で俺を助けるって」
「まさか忘れたとか言うなよ?悲しくて泣けてきちゃうぜぇ」
「デズゥ・・ぼ・あ・え・」
エストは歯と舌が無いため上手く喋れない
ゼスはエストと二人きりになり少し明るい表情を浮かべる
「いやぁエスト、君のお陰で俺はこんな素晴らしい力を手に入れたよ」
ゼスは指先から小さな稲妻を出す
「そんな君に僕からのささやかな贈り物があるんだ是非受け取って欲しい」
ゼスがそう言い軽く手を叩くと、二人の騎士が木箱を抱えてきてエストの前に2つ並べる
「さぁこれが僕からの贈り物だよ」
騎士達が同時に木箱を持ち上げると・・・・中から出て来たのは
ハリーとハリス親子の生首だった
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