書くことで浄化する

sayaka

💜💙💚💛🧡❤️💖

 なぜお気に入りの服ばかり穴があいてしまうのか。

 靴下に穴があいているのに気がついて、さすがに捨てようと思う。

 片付けか風水か何かの本で「穴があいている服は捨てましょう」と書いてあったのが心にずっと引っかかっている。

 部屋の一角に、そういうものが未練がましく置いてある。

 名残惜しいものコーナーとでもいえばいいのか、いずれ埋め尽くされてしまうことを想像しながら、それもわるくない気がしている。

 ともかく爪を切り、二度と靴下に穴があかないよう制御しなければ。

 そうはいっても靴下の在庫は他の衣料類と比べると潤沢なので余裕がある。

 なぜこんなに靴下を買い集めてしまったのだろうか、過去の自分に問いたい。


 捨てられないといえばこんなものがある。

 人からもらったもの。

 その人の思い出ごと処分するのが筋だとは思うが、なかなか踏み切れずに数年が経過した。いい加減に手放してもいいのではないかとこれを機に、黒歴史であったことを放出する。

 何らかを黒歴史と呼ぶことは人の人生に失礼な気がしていて、まあまあ苦手な言葉である。それでも自虐的に使うにはマイルドでなかなか便利なワードなので、一時期よく発していた。


 まあ黒歴史でなければ白歴史でもない、強いていえば淡い虹色のような夢のような期間だった。

 失ってしまい二度と取り戻せないからこういうふうに考えるのかもしれない。

 思い出は当時に思い描いていたそのままにして、心の中に閉じ込めておくことができたらいいのにといつも思う。

 今ではもう、どんなだったか、断片的にしか記憶をたどれない。

 こうしてだんだんとあやふやになっていくのが思い出になる、ということなのだろうか。


 エッセイというのはもうすこし具体的に書いたほうが伝わりやすい気がするものの、詳細を書くのは気がひけるので曖昧な表現にしておく。


 カクヨムの黒歴史コンテスト開催に心から感謝したい。

 2024年3月23日土曜日、雨の合間の早朝、部屋の窓辺にて。

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書くことで浄化する sayaka @sayapovo

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