第6話 お人形

「ねえ、ゆきちゃんのくびとれたー」

はあ。

こういうのは、私のボケたお義母さん。

「ねえねえ、ゆきちゃんのくびとれたー!」

私の夫の母親だ。

おっとのなまえは、幸利。

だから、「ゆきちゃん」

私は、介護も何もせず真っ昼間からゴロゴロしている夫を殺してしまった。

嫌気が差してきたのだ。

「くびとれた!」

こう騒がれては、警察を呼ばれる。

私が殺したことがバレてしまう・・・!

私は、ガラス製の花瓶をお義母さんの頭に勢いよく叩きつける。

お義母さんは倒れる。

「ゆきちゃ・・・く」

やっと静かになった。

おや?何か机の下に。

そこには、胸に「雪ちゃん」と書かれた名札がついた人形があった。

そう。お義母さんは、人形のことを言っていたんだ。

急いで血とかを片付けなくては。

ピンポーン

「ソーラーパネルの件でセールスに来ました・・・」

うそ!聞いてない!!!!

「入りますね・・・」

5秒後ほどに、セールスマンはこの部屋を見て、警察を呼ぶのだろう。

呼ばなかったにしても、私が捕まるのはさほど遠くないだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る