疎遠だった幼馴染との再会には違和感はつきもの ~その『恋』は季節を移り変わらせる~
海槻えと
『スマートフォンの落下にはご注意を』
その日、
春休み最終日。
寝ぼけたまま、枕元に置かれたスマホを充電器のケーブルから外した
「……」
ぼやけた視界の中でメッセージの送り主の名前を目にした
それと同時に、手に握られたスマホ本体が手のひらから離れてしまい、
寝起きである
「痛え……」
予期せぬ鈍痛はじわじわと
そこで、
『ちはる』
それが送り主の名前。
『ちはる』は、その相手の名前。
フルネームは、
それは、遡ること約四年前。
それが、彼女——
そんな幼馴染からの突然の連絡。
そしてその内容に、
——久しぶりの連絡になってごめんね
その文章が、始まり。それに続く形で、
——紅太は元気にしてたかな?
実はね、先日こっちに帰ってきました。
だから今日の十二時半に海野駅前の広場で待ち合わせはどう?
紅太はどうせ、わたしに会いたいだろうからね
返事待ってます
と、昔となにも変わらない調子で綴られたその文章に、
再度、メッセージを最初から読んだ紅太は、そのあと、
「相変わらずだな、千春は……」
と、呆れ交じりの笑みが自然にもれた。
ロック画面の中央上に大きめに表示された現在の時刻は、十一時三十六分。
『わかった』、とだけを。
この日、
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