第3話

 えねーちけーのラジオの朗読の世界と云ふ番組で檀ふみが菊池寛短編集と云ふのを朗讀してゐる。

 朗読の世界は月金で一回十五分先週までは山田太一の異人たちとの夏で讀み手は篠田三郎だった。


 檀ふみの聲できくちか、と云はれると何度聴いても讀んだことはないが阿川佐和子の聞く力を思ひ出す。

 この二人は父親が作家同士で若い頃からの友人同士だし聞く力は菊池寛が創業した會社から出てゐる。

 冗談のやうな人選だが檀ふみは昔からナレーションの仕事もかなりやってゐたと思ふが齢を重ねられ更に重厚感が增してゐる。

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