7つの大罪の力を手にした男の成り上がり

とうもころし

第1話 俺と言う男

朝、目覚ましの音がうるさいと思えるほどに部屋中

に響き渡り今まで寝ていた頭は次第に目を覚ます。目覚ましを止め時刻を見ると時計の針は6時半を指していた。


「学校…行きたくないな……。」

 静かにつぶやいた言葉は静かな部屋に消えて行った。しかし、学校とは行きたくないと行って簡単に休める所ではない。そんなことは分かっているのにどうしても行きたくないという気持ちが勝ってしまう。それは俺が学校でいじめられているからだ。理由は自分にあるだからこそ嫌になる。それが僕、神崎 湊だ。


 気持ちを切り替えるために洗面所に行き、顔を洗い目の前にある鏡を見る。身長165cmという男の中でも低い背と決して良いとは言えない、いやむしろブサイクなこの顔。これがいじめられる理由の一つ。しかしもう一つ決定的な理由があった。


 それはこの体質。この世界には能力と言うものがあり、一人一人がそれを持っている。しかし僕にはそれがない。無能力者。だからいじめられる。強いものが弱いものを支配するそれがこの世の理。それが当たり前だった。


 朝食にトーストを焼き,食べ、水で無理やり流し込む。現在、この家は僕と父親の2人で暮らしている。母親はすでに他界ししている。僕を産んですぐに死んでしまったそうだ。父は必死に働き僕を養ってくれている。だから僕は父に迷惑をかけるわけには行かない。父に冷蔵庫に晩御飯の残りがある旨の手紙を残す。


「行ってきます。」

小さく言い玄関の扉を開ける。これから起こる事もう知らずに一歩踏み出し外へと出る。

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