第32話 勇者の家ネットワーク
「それで、勇者様の足取りはそっちで掴んでいるの?」
「大森林を出ていったんサーフラ侯爵令嬢の実家テスカの街のワーリク侯爵邸にいるみたい。」
僕はフエツの街に拠点を持つ「勇者の家」のメンバー。
あの時ただ行くところもなくて、あの壊れそうな教会で死んでしまうのを待つばかりだった僕達を救ってくれた勇者は僕達が生きていく術も与えてくれた。
ちょっとやりすぎなぐらい。
おかげで僕達は自分達だけじゃ無くて同じような境遇の子供達を助けて組織化した。
勇者は食べ物どころか沢山の金貨をくれたし、一緒にいたちっちゃな大賢者?はいろいろな知識や技術を教えてくれた。
何故か「勇者の家」宛に定期的にエルフの里からエリクサーが送ってくるし。
きっとこれでかつての僕達みたいに普通じゃ治せない病気や体に欠損のある子を癒しなさいって事なんだろう。
それこそが僕達に与えられた使命なんだろうな。
僕達はチームを組んでいろいろな街に調査に行ってはその先々で「勇者の家」を作った。
わからない法律的な事はワーリク侯爵が後見人をしてくれているので法律家が指導に来てくれる。
何故かエリミリア大聖女の教会も助けてくれるようになった。
僕達はかつて生きる術もなかった子供達でも生きていけるように学校を作るんだ。
身分や種の違いを問わない学校を。
その事とは別に斥候やシーフのスキルを持つ仲間が勇者の役に立てるように情報収集をしている。
でも意気込んでは見たものの勇者達が何をしようとしているのかがいまいちよくわからないんだ。
まずはそこを探るのが先かな、だって何か勇者の役に立ってみたいじゃない。
「魔王ってどこにいるか知っている人はいるの?」
ダッツの街の仲間が聞いてくる。
勇者と言えば魔王の討伐なんだろうけど、別に魔王や魔族が侵略して来たりって事もない。
それにどこにいるのかだーれも知らない。
かつて魔王がいたってぐらいの伝説みたいになっちゃっている。
難しいね。
役に立てるようになるんだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます