助けたつもりでいたけれど
三日月まこと
助けたつもりでいたけれど
両親の介護や看病、いろんな人が苦労していることだと思う。
今回、我が家も一大事でここのところの一か月、私がほぼ一人でいろいろ立ち回った。
と思っていたが。
根本的に私には持病があって、色々精神的にも肉体的にも弱い人間なのだ。
まず、電車、バスに乗ることがとても困難。
人混みが苦手で気持ち悪くなる。
いまのところ、この二つがおおきな障害になっていて(その他にも障害はあるが)、生活に大きな支障がでている。
もちろん、私個人はいろいろな福祉サービスを受けさせていただいている。
そんな自分が、一か月頑張って父や母の看病、介護をのりきり、元の状態に戻るまで乗り切ったつもりでいたけれど。
父には大きな負担をかけた。(一人で病院へ行かせたことが二度あった。母を家に一人にできないのと、私が車を運転できないから)
母が具合が悪くなっても、父と私でなんとかやれる。
私が具合が悪くなった時は、父がなんとかしてくれた。とんでもなく苦労したと思う。
そんな父に、なにかあったときは安心して治療を受けてもらいたいのだけど。私が電車やバスにのるのが難しいから、父はなにかあっても救急車に乗ることを嫌がるのだ。
救急車に乗ると、どの病院に連れていかれるか、分からない。
家から半径十キロ圏内であれば、私は電動自転車で行けて、色々手続きもできるが、それ以上離れて、バス電車を使わなければいけない場所になると、きつい。
タクシーは今回のことで「高い」と実感した。
弟は仕事があるし、今回のことで「共倒れしたくない」と薄情に言われた。
父が安心して救急車にのれるような方法があれば……。
考えたけれどあまり言い考えが浮かばない。
母の面倒をみつつ、父の病院へ電車で通うというのも、きつい。
どうしよう、どうしよう。
取り敢えず、電車やバスに乗る訓練は前からしているのだけど、あまり成果はない。
もし、救急車でちょっと遠くの病院へ行ってしまったら、もう根性論で「根性ー!」と叫んで電車やバスに挑むしかないのだろうか。
それで、乗れればいいけれど。
気持ち悪くなったら、きつい。(乗り物酔いのたぐいではなく、精神的に)
今回、両親を助けたつもりだったけれど、根本的に安心させてやることができない自分は無力だ。
八方ふさがりで、気が滅入る。
助けたつもりでいたけれど 三日月まこと @urutoramarin
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