第4話 希望の光、新しい恋、音楽の奇跡

◇ 涙の色:希望の光


「母さん、これからは家族みんなで支え合っていこう」

悠は母の手を握りしめた。


「そうだね、悠。

私たちは一つの家族なんだから」

母の瞳には、温かい光が宿っている。


「お父さんも、きっと良い仕事が見つかるよ。

一緒に乗り越えていこう」

悠は父を抱きしめた。


「悠、ありがとう。

お前がいてくれて、本当に良かった」

父の目から、安堵の涙がこぼれる。

悠は改めて、家族の大切さを実感していた。

困難な時期も、家族がいれば乗り越えられる。


「さあ、みんなで美味しいご飯を食べよう!」

悠が明るく呼びかける。

家族の笑顔が、食卓を照らし出していた。

その笑顔には、希望の光が溢れている。


◇ 涙の色:新しい恋


「さやかって、すごく素敵な女性だね」

サークルの先輩が、さやかに話しかけてきた。


「え、あ、ありがとうございます…」

さやかは戸惑いながらも、嬉しそうに微笑む。


「今度、二人でお茶でもしない?」

先輩の言葉に、さやかの心は弾んだ。


「ぜひ、お願いします!」

初めての経験に、さやかはドキドキしていた。

先輩との出会いは、さやかに新しい世界を見せてくれた。

自分の可能性に気づかせてくれた。


「私、もっと自分を信じてみる。

そして、恋も頑張ってみるんだ」

さやかは心に決めた。

キラキラと輝く瞳から、新しい恋への期待の涙が零れ落ちる。

さやかは、勇気を持って一歩を踏み出した。


◇ 涙の色:音楽の奇跡


「みんな、聴いてくれてありがとう!」

ライブ会場で、隆が叫んだ。

観客から大きな拍手と歓声が沸き起こる。

隆の音楽は、多くの人の心を動かしていた。


「隆くん、あなたの音楽、最高だよ!」

ファンの女の子が、目を輝かせて言う。


「ありがとう。

君の言葉、胸に刻むよ」

隆は感激で言葉を詰まらせた。

ステージの上で輝く隆の姿を、両親も見つめていた。

息子の情熱が、音楽という形になって多くの人に届いている。


「隆、お前の音楽は最高だ。

本当に誇りに思うよ」

父は隆の肩を叩いた。


「お父さん…」

隆の目から、歓喜の涙があふれ出す。

音楽が結んだ奇跡。

隆はステージの上で、自分の居場所を見つけたのだ。


悠、さやか、隆。

三人の涙は、それぞれの色を持ち、それぞれの物語を紡いでいく。

青春の終わりに見つけた真実。

それは、自分自身を信じ、前を向いて生きていく勇気だった。

涙の色は、やがて虹となり、彼らの未来を鮮やかに彩っていく。

新しい旅立ちの日、三人は再び集まり、笑顔で語り合う。


「また会おう、青春の日々よ」

そう言って、彼らは高校の門を後にした。

夏の風が、優しく彼らを見送っていた。


(完)

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