こんにちは、突然ですが、転生しました。
@Sakurayanagi
第1話 こんにちは、突然ですが、転生しました。
こんにちは、突然ですが、転生しました。
乙女ゲームや、小説の世界でもない、異世界に。
悪役令嬢でもなく、逆にヒロインでもない。
うう。逆ハーヒロインの付き人になりたかったのにいい!
まさか、ただの前世持ちの大公女に転生するなんて!
破滅しないから、まあ、安心して暮らせるんだけど。
私は鏡越しに映る淡い紫色の髪を撫でた。
セレネディア ルナ リュンヌ。
月を象徴する大公家の末っ子で、大公家の唯一の女性だ。
自分で言うの恥ずかしいな。
あ、ちなみに現在7歳です!
前世の記憶はないけど、知識はあるよ!
「お嬢様、大公子様がお呼びです。」
「お兄様が?」
専属侍女のテアが影服のまま、窓から現れた。
テアは私の6つ上で、リュンヌ家の裏の騎士団と呼ばれる『闇』に所属しながら、私の専属侍女をやっている、つよつよ少女だ。
一瞬でメイド服に着替えたテアに連れられ、私はお兄様の部屋に向かった。
「お兄様ー!」
「セレネ。今日も元気だね。」
私の兄、ライオス アスト リュンヌ。
14歳!
弟もいるんだけど、またパパのところにいるかも。
「お兄様、パパのところに行こう!」
「いいよ。リクもいるかもしれないからね。」
お兄様の手を握り、私はパパの執務室まで走った。
「リクー!パパー!来たよー!」
私はノックするのを忘れて、執務室の扉を開けると、リクが恥ずかしそうにパパの膝の上に座っていた。
リュンヌ家末っ子、アステリスク ステラ リュンヌ。
私の天使だ。
「お、お姉様!お兄様!」
助けをもてめているような顔でリクがお兄様のことを見た。
「ディア、ライ、いらっしゃい。」
「おはようございます。お父様。」
「パパー!」
私はパパの上に飛び乗ると見せかけて、リクを持ち上げた。
「ちょっ、姉様!」
顔が真っ赤になったリクも可愛すぎる!
「もうちょっと私に甘えてよ〜!一応リクの姉様なんだからね?」
「た、確かに、姉様は僕の姉様ですけど…年あまり変わらないじゃないですか。」
赤面から無表情に戻ったリクがぼそっと呟いた。
「でも、身長は私より低いじゃん。」
リクの頭を撫でながら微笑むと、突然お兄様に抱っこされた。
「僕にとっては、どっちともまだ小さいけどね。」
「うう…」
お兄様にからかわれてる気がする。
「こらこら、ディアもライも喧嘩しないの。もうすぐ昼だから、ご飯食べよう。」
パパは私たち三人を持ち上げると、食堂へ向かった。
やっぱり、上には上がいるんだなあ。
いつか私もパパのこと抱っこできるようになるかな。
うおー!頑張って身長伸ばすぞー!
1人で目標を立てながら、私はパパに抱きついた。
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