ウォーロックと一緒

みなと劉

第1話

まだ、寒い季節である。季節はやっと春一番の風を感じる季節。

だがまだ炬燵は必須の時期である。

ここは、北海道の函館。

今日も炬燵で寛ぐことにした俺は足を伸ばす。

すると中には先客が居たのだ。

家の長老たる猫のタイムである。

中で俺の足をたしたししている。

なんと可愛いことか。

足を掴むと軽く甘噛み

「こらこらタイムさん。俺だよ?」

「分かってるさ、だが本能で甘噛みするは猫のさがなり」

「まあそこは理解してるけどね」

さあ、猫はいま喋りましたね。

実は、ココ最近話題に上がっている猫と似た種族『ウォーロック』。タイムさんはそのウォーロックなのだ。

基本的に猫と同じ。

違うのは二足歩行で喋るという点。

それと盛りというものが無いので人間と同じでしたい時にする感じ。

「ぺろぺろ」

「ひゃ……ん…………タイム……さん」

「ぺろぺろ」

「ああ……そこ……ダメだって……」

「ペロペロ」

「や、やめてくれよぉぉぉぉ!」

タイムさんは足を舐め続ける。

もうすでにズボンは脱がされたので俺は短パン姿である。

「ぺろぺろ……じゅじゅ」

俺は口を両手で押さえて声を出さないようにする。

「ふ…………んんぅ」

「ペロペロ」

「ひゃぁあ!」

もう限界だ!

「タイムさん、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」

俺は勢いよく足を振り上げると、タイムさんは後方へと転がった。

これで一安心。

そしてゆっくりと体を起こして炬燵の中へと入る。

すると突然部屋にチャイムが鳴り響く。

なんだ?来客か?こんな朝っぱらから?

「はいはい、今出ますよ」

俺は炬燵から出て玄関に向かう。

ドアを開けるとタイムさんのお友達のウォーロックだったので

「タイムさーん……助三郎さんが来てるよ」

だだだ!と勢いよくタイムさんがやって来る。

「おお!助三郎!おはよう」

「おはようタイム。朝早くに済まないね」

「いや、構わん。さあ炬燵へ入りたまえよ」

「ああ、そうさせてもらうよ」

俺は席を譲り自分の定位置へと戻る。

「巧殿の太腿はなんと由々しきかな。ぺろぺろ」

「こらー!助三郎さーん俺の太腿舐めないでよ」

「これも猫というか我らウォーロックのさがなり」

「なんかタイムさんと同じこと言ってる」

タイムさんと助三郎さんの俺の足ぺろぺろが始まる。

「なんか……変な気分になるってば」

「ペロペロ」

「ペロペロ」

今日も俺こと巧。そして家の朝は今日も平和です。

俺たちはいつも通り炬燵でぬくぬくと暖を取っていた。

だがそんな静寂は突如として終わりを告げたのだ。

それは俺の携帯電話が鳴り響いたからだ。

「ん?」

俺が携帯電話を見ると

そこにはウォーロックのリュウイチと表示されていた。

出ると

「もしもし」

『おい!巧!!』

「なんです?」

『足や顔を舐めさせろ!以上だ!』

と言って電話は切れる。

「誰だったのだ?」

「んー、リュウイチくん」

「お主はウォーロックに好かれまくっておるな」

「なんでか知らんけどそうみたいだね。あの調子だとそろそろ」

ドンドンドンドンとドアが叩かれる。

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