レッツ!パロディー物語

羽弦トリス

第1話峠の妖怪

旅の僧侶がとある峠のに建つ屋敷の門を叩いていた。

トントントン

「たのもう、たのもう」

トントントン

「たのもう、たのもう」

ギイィ。

老婆が出て来た。

「あぁ〜?新聞なら間にあってるよ!」

僧侶は、

「一晩の寝床と、食事をお頼みもうす」

老婆の顔つきが変わった。

「お坊様でしたか。どうぞ、どうぞ、ババアの屋敷ですが、どうぞお入り下さい」

「ありがとう、ババア」

僧侶の名は、クウカイと言った。


「クウカイ様、ちょうど風呂も沸いておりますので、お入り下さい」

老婆はクウカイにそう言うと、

「これは、有り難い。では、早速。旅の疲れを取るとしましょう」

クウカイは風呂場に消えた。


「グヘヘヘ。坊主じゃ坊主の肉じゃ。ババア最高!先ずはこのスペシャル痺れ薬で、半殺しにしてから、坊主の踊り食いじゃ」

半刻後。


「いゃ〜、ババア。良い風呂を馳走になりました」

「クウカイ様、今夜はババアのスペシャルラーメンで宜しいですかな?」

「ら、ラーメン。私の大好物です」

ババアは、スペシャル痺れ薬をたっぷり入れたラーメンの入ったどんぶりを持ってきた。


「それでは、頂きます。美味しそうな……く、くせぇ」

老婆はクウカイの食事の様子を眺めていた。

『このラーメン、くっせぇ。腐ってるのかな?』

「ちょいと、ババア」

「へいへい、なんの御用でしょうか」

「このラーメン腐ってるんじゃない?」

「滅相もありません。インスタントラーメンに、野菜炒めを乗せただけですから」

「そうなんだ」

『ウグッ、くっせぇ』

「ババア、私はお腹一杯なので、ババアが食べてよ」

老婆は慌てて、

「何をおしっしゃいます。夕飯をご所望ではありませんでしたか。食べてくんさい。ホレッホレッ!」

クウカイはババアに悪いので食べようとしたが、

「ババア、変なの入ってない?ババアが食べたら私も頂きます」

老婆は、

「では、い、頂きます」


ズルズルッ!ムシャムシャ、ゴクン!


「ウッギャアアア」


老婆はスペシャル痺れ薬の量を致死量まで入れていたので、その場で吐血し、死亡した。


老婆の姿はオニババだった。

この峠に出没するオニババを退治したクウカイは、街の商工会から礼金をもらった。

金額は2500万円だった。


終劇

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