第28話 壊れた兄の元へ
一方、クライス率いるデジャヴは海へと出て、とある男の元へと向かう
ハンドル「見つけた...ティードの船...」
クライス「美術館の一件でまさかとは思ったが...まさかティードが生き返ったとはな」
そういうとクライスは煙草に火を付けた
ギャバット「船を海賊船に寄せろ!」
エリー「いえっさー!」
ギャバットがそう叫ぶと、エリーは舵をがらがらと回転させる
ゴゴゴ...と音を立たせながらクライスの木船は海賊船へと向かう
クライス「よし、乗り込むぞ」
カイラ「...正気か?」
クライス「マジだとも」
クライス達は海賊船へと乗り込んだ
クライス「...あ」
酒臭い船のど真ん中でくたばっていたのは狼姿のティードだった
ティード「んあぁ?」
当の本人は寝ぼけた様子で船の真ん中で酒を片手にくたばっていた
クライス「起きろ、兄弟」
ティード「...クライス...まぁ座れよ」
ティードは座り込み、転がっていたグラスに酒をトクトクとついだ
意外な反応だった、これまで敵対してきた奴らが共に酒を交わすことになるとは
クライスは剣を置き、座ってグラスを口にした
ティード「久しぶりだな、元気だったか?」
クライス「まぁな」
クライス「もう一度王国に戻る気はないか?」
ティードの手が止まった
ティード「...何?」
クライス「もし私のもとで兵士として働いてくれるなら、これまでの所業をなかったことにしてやる」
カイラ「...」
ギャバット「ちょっとまてよ、正気か!?」
クライス「もうやめたいんだ、兄弟喧嘩は」
クライスは苦しそうにそういった
クライス「お前の力を貸してくれ...頼む...!息子を止めるにはこうするしかない!」
数秒沈黙が続き、ティードは顔を上げて答えた
ティード「いいだろう、その話、乗ってやるよ」
ティード「再び、王都に光を」
ティードはグラスを掲げた
クライス「...光を...」
クライスもそれに乗じて、グラスを掲げた
ティード「そうだ、お前にプレゼントだ。倉庫にマジョのシマから盗んだ強大なアーマーがある。それをお前にやるよ」
クライス「新たなアーマーか、恩に着る」
クライスは立ち上がり、倉庫のドアを開けた
埃被った、暗い倉庫の中を歩くと奥に"紫に輝く鎧"を発見する
クライス「これが...魔導士たちの兵器...!」
"パープルアーマー"と呼ばれる鎧は魔女たちの使う呪法、いわゆる呪いを編み込んだ強力なアーマーである
クライス「俺の意思に応えろ、パープルアーマー!」
ガチャガチャと音を立てて、パープルアーマーはクライスの身体へと装着されてゆく
クライス「力が沸き上がる...!これがパープルアーマー...!」
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