無能力者のダンジョン無双~自分だけ入れるダンジョンで神が宿りし五つの指輪を手にした最弱ハンター、測定不能のSSS級ハンターとして無双する~

Booske

第1話

「グ、グギャァァァァ!」


 一人の男の前で、おびえた様子で威嚇をするモンスター。

 モンスターが必死に威嚇しているのは、最低ハンターランクであるE級ハンターの鈴木拓哉。


「狩りの時間の始まりだ」


 拓哉はそう言うと、体の前に掲げた掌の前に火球を出現させる。そして、その火球をモンスターへと放った。


 ◇◆◇◆


 ジリリリリリリリン!ジリリリリリリリン!


 けたたましい音と共に、目覚まし時計のベルが朝を知らせる。

 その音に気が付いた現在、19歳の鈴木拓哉はのっそりと起き上がると、目覚まし時計を止めた。


「くわぁ~あ」


 大きなあくびをすると、拓哉はベッドから起き上がり、朝食の準備を始めた。拓哉は現在、一歳年下の妹と、二人暮らしをしている。父親は拓哉がまだ小さい時にダンジョン攻略の際に命を落としてしまった。それと同時に母親が生まれつき持っていた不治の病の症状が急変し、今は入院生活を強いられている。


 そして拓哉は母親の治療費のためにハンターとして日々仕事に励んでいる。


「はぁ」


 自分と妹の朝食を作りながら、拓哉は重いため息を吐く。拓哉はE級ハンターだ。


 今から三十年前、地球には突如として異世界と現実世界を繋ぐ、ダンジョンというものが出現した。ダンジョンの中には通常兵器では歯が立たないような凶悪な魔物が存在し、ダンジョンの中に立ち入った人間を襲った。また、ダンジョンの中には魔鉱石と呼ばれる貴重な鉱石が眠っていることも分かった。


 ダンジョンの出現と同時に、特殊な力を持つ者も現れた。その者たちは常人にはあり得ないパワーを持っており、魔法を使い、ダンジョンの中にいる魔物を倒す力を手に入れた。


 ハンター


 これらの者たちは、皆一様にそう呼ばれた。


 ハンターたちは全員『魔力』というものを持っており、魔量総量の多さがそのハンターの強さに直結していた。ハンターは強い順から


 SS級

 S級

 A級

 B級

 C級

 D級

 E級


 とランク付けされている。


 そして拓哉の魔力総量は―――1。

 その強さは常人となんら変わらず、彼は他のハンターたちにこう呼ばれていた。


 無能力者


 拓哉はいつもそう蔑まれ、バカにされていた。拓哉の常人と何ら変わりのないスペックではダンジョン攻略はいつも命がけ。ダンジョンに入るたびに怪我をして帰ってき、その日の稼ぎよりも怪我の治療費の方が高いという毎日だった。

 ちなみに、ハンターの魔力総量は生涯変化する事は無い。つまり、拓哉はこのまま一生、無能力者のレッテルを張られたまま生きていかなければいけないのだ。


「今日も仕事か……」


 辛いだけの仕事を考えれば自然とため息も出て来る。

 拓哉は朝食を食べると、家を出た。


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~あとがき~

マイペースに投稿していこうと思います。投稿しない期間がすごく長くなったりしますが、どうぞ最後までお付き合いください。

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