第99話 格上の、明らかに劣勢とかいう戦いを補助しなきゃいけないとか、そんなに俺の仕事増やして楽しいかよ。それに……
もう何がなんだか分からない。
いきなり最終局面みたいな感じになってるし。
まずこれだけは言わせて欲しい。
なんでわざわざ火の精霊王なんかに付いたんだコイツら?
普通に単独で圧勝できるじゃん。
それともあれか? 一度は負けたから少しでも勝率上げようっていう魂胆か?
でも形式上その四大精霊になるためには一対一の戦いだっけ? をしないといけないらしいし……
その割には思いっきり連携魔法とか使ってたけども。
うーん……良う分からん。
つまりあれだ。
とにかく難しいってわけだ。
[予測される理由として……]
お前は黙ってろ叡智。話がややこしくなる。
確かにお前が伝えてくることは正論かもしれない。
だから? 正論で何もかも片付けられないのは叡智っていうくらいなら分かるだろ……
あーどいつもコイツも頭イかれてるわ。
さてと、取り合えず支援……強化系とかか?
うーん……あ、取り合えずフェニックス呼んでおこう。
戦力アップに越したことはないし。
沙耶……ダメだ。アイツはダメだ。
最悪ここの全員皆殺しにしてくる。
あれは加減という概念すら知らないんじゃないかってくらいにはヤバい。
この数ヶ月間に何をやらかしたか……
あ、数ヶ月間!?
ヤバい。滅茶苦茶学校休んでるじゃん。
留年案件だよこれ。
「うっ……結構ヤバいかも……」
「そうですね。もしかして何か対策してきましたか?」
「勘がいいわね。そうよ、悪いかしら?」
「あなた方に勝つためです。手段は選んでられませんよ。」
「それで勝って嬉しい?」
「嬉しいですね。嬉しいに決まっています」
あ、二人ともヤバそうじゃん。
取り合えず守らないと。
「『慈愛の衣』」
ふぅ……じゃない。
えーマジか。アイツらの後輩とか嫌なんだけど。
ただしあのイケメンは除く。
ともかくマジか。どうしよう。
[こちらの世界での経過時間は三日ほどです。]
うん? なんかそういうこと言ってたような……
ていうかそういうことは早く言えよ。
あとタイミング絶対に今じゃない。
確かに聞いてはみたよ?
聞いてはみたけど、それはただの愚痴ってくらい分かるじゃん?
「本来なら譲っても良いところだけどさぁ……君たちはちょっと……ね? 流石に僕でも君たちみたいにズルする相手にこの座を譲る気にはなれないよ」
「譲らなくても元から奪う気でしたので良いですよ?」
「元から奪う気だったとか随分と自信満々だね。でも僕はそう簡単にいかないと思うよ?」
おい叡智、お前コイツらの話に紛らわせてサラッと無視ろうとしただろ?
そうだよな? だって明らかに面倒な雰囲気出してたもんな?
……そうかい、そうですかい無視ですかい。
まあ今は俺も構ってられないから放っておくけど後から覚悟しとけよ?
全く……で、話は……
「それなら全力で打ちのめすまでです」
「そうですか……私も本気でお相手致しましょう」
「そうだね、僕もそうしよう。魔王の時と違って今は十分に魔力が使えるから容赦できないかもよ?」
「今までが本気ではなかったと?」
「ええ。少しは改心してくれるかと思いまして」
「僕は返り討ちにする気満々だったけど、ウーちゃんが『やめてくださいっ!』て言うから仕方なく……ね?」
「……今は一旦置いておきますが、シルフィード分かってますね?」
「あ、はい」
なんかやってる。
あと何それ。
まだ本気を出していない(キラッ)
ってやつか? カッコ悪っ。
なんかそういうの萎えるんだけど。
あと普通に叡智がポンコツなのが分かった。
つまり補助は要らなかったと。
「ふふっ、そう……それがあなた達だけだと思ったの? 随分と頭がお花畑のようね。私たちもそりゃあ本気を出してるわけないじゃない」
「そうですね。あなた達と同様、我らもその力は使えるのですよ」
おっと……?
あれれ……すごいなんか不穏な感じがするんだけど気のせいかな?
[現在を持って当スキルの助言が正確であることが証明されした。]
ウザっ。
それわざわざ通知してくる?
やめろって……
[ユニークスキル『精霊戦争』を獲得しました。]
あー物騒だなぁ!
そんなスキル要らんって……何をさせたいの?
俺に戦争させたいのか?
戦争なんてするか! わざわざ平和万歳な俺に与えてくんな! ウザすぎてもう笑えてくるわ。
[マスタースキル『絶対停戦』を獲得しました。]
また戦争関係かい。
これは有益そうだから良いけどさ。
すっかり忘れてたけど、通知……スキル……うっ頭が……
……そうだ、これっていつものパターンだよな?
一個手に入れたら連鎖していくパターン……
あ、これってヤバいのか?
こんな状況で?
通知の嵐!? 来ちゃうの!?
は!? ……おかしいんじゃないのか?
いや待て、まだそうと決まった訳じゃ……
大丈夫、そう大丈夫……
[ユニークスキル『通知嵐』を獲得しました。]
いらねぇよ!
もう嫌だ……
[スキル『ツッコミ強化レベル1』を獲得しました。]
はあー……
やっぱり、始まっちゃったか……
悪夢の再来ってこういうことを言うんだなって身を持って実感する。本当に頭おかしいんじゃねぇの?
[スキル『悪夢再生レベル1』を獲得しました。]
今まで無かったから油断してたけど、そういえばこんなんだったな……もうそろそろやめてくれると思ったのに……
そう都合よくはいかないよな……はぁ……
[スキル『不都合展開レベル1』を獲得しました。]
はぁぁぁぁ………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます