第74話 魔王軍最強格なのにクソ弱い、クソ弱いはずなのに……ゾンビ戦法とかクソとしか思えないのはどうしてだろうか。
ヤバい。加速魔法が切れた。
どうする……魔力はもう無い。
武器すら即席で作れない。
これって詰みだろ。魔力が回復するまではどう持ち堪えるか……
って何だ何だ!
「この一撃、受けてみよっ! ブリリアント・ブラスト・ノヴァー!!」
何だその厨二病みたいな技は!
一周回って弱そうに見えるんだけど。
でも舐めてたら死ぬ。正直沙耶のときに殺されるときは殺されるってことは学習した。
とにかく、俺にできることは極限まで逃げ続けること、そして万が一のときに自分の身を守れるような用意をしておくことが大事……とはいえそれすらもできそうにないのだが……この一撃とか言ってたし、相当強い斬撃が来るに違いない……
炎の竜巻? えっと……剣技じゃなくて?
って! コイツ魔法使いかよ!
どう考えても剣士みたいな格好してるだろ!
えっと……?
どこを狙ってるの?
あー分かった。コイツありとあらゆる面でポンコツだ。
沙耶みたいに無駄に実力があるポンコツじゃない。
ただのポンコツって奴だ。
力だけ持っていて、その力を上手く制御できないのだろう。この俺みたいに。
……魔力が少し溜まった。
剣くらいなら作れる。今あるだけで最高のものを作るしかない!
[称号『
[我が前に集いし聖なる風の魔力よ、魔を打ち払う剣となれ『
[称号『超重溜息迫撃砲』の効果が発動します。]
[溜息の回数を測定……2698回。]
[威力の計算を算出……倍率、5496倍。]
[称号『超重溜息迫撃砲』の効果が発動しました。]
よし、行こう。
勝機があるかじゃない。やらなきゃ俺が死ぬ。
こんな戦いはやりたくない。
「『聖剣開放』!」
[生成武具、『
[『
いや、するだろ。あと武器の名前長い。
もっと短くしろ。それはまあ良いとして……よくないけども、それよりも……
俺の口を勝手に動かしてスキル使おうとすんな!
聖剣開放? 俺知らないぞ!
誰が使うって言った? 言ってないよな!?
[独断と偏見による使用です。]
それをやめろって。
あと偏見って何? 今のどこに偏見要素があったか?
無かったよな?
「装備の一つが増えた程度では我には勝てないぞ! 『形態変化:幻魔』」
何だ!? あれ……姿が見えない、逃げたのか?
いや違う。感じれないだけだ。
でもこういうときはどうしたら良いのかは沙耶から学んでるだよ!
「『万能結界:風球壁』]
[称号『超重溜息迫撃砲』の効果が発動します。]
[溜息の回数を測定……2698回。]
[威力の計算を算出……倍率、5496倍。]
[称号『超重溜息迫撃砲』の効果が発動しました。]
[次は……『聖剣技:
こうやって全範囲攻撃をぶちかます。
これ以外に思いつかない! 少しはダメージ入っただろ。
えっと……やったっぽい。
ここでやったのか? は言っちゃ駄目なのはお約束って奴だから言わなかったが、つい言ってしまいそうになった。
もしかしたらこの世界ってギャグ時空と混ざってるおかしな世界なのでは?
そうとしか思えない。
そうじゃなかったらきっと俺はヤバい奴だ。
性格的にじゃなくて、存在的に。
性格的にヤバい奴は沙耶で十分だ。
これ以上過剰供給するのはやめて欲しい。
ね? 叡智さん?
ちょっと待て、経験値が得られていない……もしかしてコイツ倒されてない?
そんな訳ないだろ、意外とあっさりだったし。
あれで最強格って言われても拍子抜けだ。
それにしてもシルフィードはどこだ?
[こっちだよ! ちょっとギリギリなの! 助けて!]
はい? あの弱いやつだろ?
すぐに行くけどさ……ていうかあいつまだあれで倒されてなかったのか。
「ふん、我の残機を一つ減らした程度で糠喜びか。笑わせるな。戦闘とは完全に勝ってから終わるものだろ?」
残機? え、いや何その要素。
俺知らないんだけど。
さながら赤い服着たおっさんのゲームの奴じゃん。
[スキル『コマンド操作レベル1』、『確率調整レベル1』、『遊戯レベル1』、『HPゲージ表示レベル1』、『MPゲージ表示レベル1』、『コマンド表示レベル1』、『スタンゲージ表示レベル1』、『奥義ゲージ表示レベル1』、『クールタイム表示』、『予備動作察知レベル1』、『攻撃範囲表示レベル1』を獲得しました。]
うっざ。戦闘中、オーケー?
で、その残機っていうのはあといくつあるんだ?
[不死騎士王:キウロスの残機はあと十万五千……]
「十万五千!? 無理ゲーだろ!」
[スキル『コマンド操作レベル1』、『確率調整レベル1』、『遊戯レベル1』、『HPゲージ表示レベル1』、『MPゲージ表示レベル1』、『コマンド表示レベル1』、『スタンゲージ表示レベル1』、『奥義ゲージ表示レベル1』、『クールタイム表示』、『予備動作察知レベル1』、『攻撃範囲表示レベル1』を獲得しました。]
だ・か・ら、今戦闘中だって!
うるさいなあ! 戦闘中にただの邪魔とか意味不明だろ。
通りで魔王軍最強格と……そりゃあまあ倒す前にこっちの精神が持たなくなるもんな。その隙にチビチビ攻擊して倒すって訳か。普通に疲れるわ。クソゲーにも程があるだろ!
[スキル『コマンド操作レベル1』、『確率調整レベル1』、『遊戯レベル1』、『HPゲージ表示レベル1』、『MPゲージ表示レベル1』、『コマンド表示レベル1』、『スタンゲージ表示レベル1』、『奥義ゲージ表示レベル1』、『クールタイム表示』、『予備動作察知レベル1』、『攻撃範囲表示レベル1』を獲得しました。]
[スキル『HPゲージ表示レベル3』、『MPゲージ表示レベル3』、『コマンド表示レベル3』、『スタンゲージ表示レベル3』、『奥義ゲージ表示レベル3』、『予備動作察知レベル3』、『攻撃範囲表示レベル3』に統合しました。]
「だから困ってるの! 手伝ってよ!」
そりゃあまあ手伝わなきゃ俺が死ぬしな!
本当は手伝いたくないけど仕方ないから手伝うよ!
俺はゾンビ戦法のクソ敵との戦闘に挑むのだった。
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