第30話 エディは来ない

松前に電話したが出ない

『ミオのエスコート役が決まってるってなに?イギリスからエディを呼んだのか?』

バタバタする陽向汰を見て佐伯は

「課長どうしました?」


「え?」


「あ、社内メールだ

早ッ

受け付け終ー了⤴︎︎︎らしいっす」


「へ?ホントか‼️」

慌ててメールを開くと定員に達した為受け付けを終了しました

の文字が・・・・・

「課長本当は参加したかったんすか?」

佐伯は聞いてくる


「・・・」


赤池大輝も

「あーあ、残念ッス

即日終了はないっすね

社内には沢山28以上はいるっす、定員に達するのは早いっちゃあ早いッス

でもまあ今度は20から30までがあるかもっすよ、期待しましょうよ、若い子も沢山いますし」

とつぶやいた。


佐伯は首をウンウンと振り自分で納得したようにパソコンに向かい業務に戻っていた。


『バッキャロー、ミオのエスコート役が気になってんだ出席何かドーでもいいんだ』


陽向汰はいても立ってもいられず、葵に電話をかけた。

然し葵は


「え??エディは何にも言って無かったし間違いじゃないか?」

葵は不思議そうに言う

「間違いないって!!まだイギリスにいたしオジジの作戦じゃないか?

陽向汰を呼び出す為の?」


「そ、そうだろうか?」

半信半疑な陽向汰の心はザワついてしかたがない


その夜



「会長素敵なドレスありがとうございます、支払いは松前さんがもう済ましてるとの事で

甘えさせて貰いましたが

どう見てもお安い物じゃないので少しでも支払わせてください。」



この日会長と食事をとる事になっていたミオは会長に直談判した


「いやいやワシの楽しみでした事だから支払わせてくれ」


「でも金額が・・・」


「大丈夫ですよ会長夫人も

その日お見えになりますから

奥様もミオさんに会うのを楽しみにされております、ご安心下さい。

会長に恥をかかせてはなりませんよ。」

松前の一言でミオは引き下がった

『金持ちの考えることは次元を超えている』

そう思ったが🙊




「それより会長、先ほどスチュアートが日本に向かったそうです。」



「うむ、そうか」ニヤニヤ

陽向汰の慌てふためく顔がみれるんじゃな大吉は楽しそうに笑った

松前もニヤニヤがとまらない

ミオの顔を見ながらてんこ盛りの野菜にフォークを刺す大吉を見ながらミオは又首を傾げる



毎日毎日ヤギの餌と変わらぬ

食事を取りながら

「松前」

「はい?」

「お前の嫁に爺さんの仏壇にあげたのでいいから菓子を

持って来てくれと、頼んだんだが顔をみせんなぁ」



「ああ、多分嫁が食って無いんでしょう、諦めてください

仏壇にお供えしたら嫁がすぐ食ってますからね

あげん罰下げん罰とか言って」



「は?」

「嫁は大量にくいますからね

この間仏壇のカップ酒まで

呑んでましたから仏壇に備えたシャインマスカットなんか1日でだいぶ減ってますし、そのうち化石の恐竜みたいな姿に変化して無くなるし

掃除ついでにプチプチとつまんでいるんですよ」



「なんと、カップ酒まで飲むのか!( ꙩᯅꙨ )なんとツマミがシャインマスカットーやるな!」

大吉は裏返った声を出す。


キッチンドリンカーじゃなくて

仏壇ドリンカーか?

上には上がおるのだなぁ

大吉は頭を回転させ、やっと琴音を使おうと思いたったのだが撃沈🤣


金持ちだからなんでも食えるとは限らない高血圧、糖尿病予備軍の大吉には、塩気、&甘味の

規制が張られ厳しいのだ



近くて使える人間を探し出すのに大吉は苦労していた

会長だから会社を背負っている大事な人物なのだ

みんなの目は大吉の食生活に、より一層厳しくなるのはあたりまえだ



「会長、日本には鍋とゆう文化があります

鍋をつくりましょうか?」

ミオが口をついて言うと


「そうじゃった、青臭い野菜はもう、罰ゲームとしか思えない」



「すき焼きにしてくれ、ワシは草食動物じゃない」

ここぞとばかりに大吉は食欲の思うままミオに頼んできた


ミオは支配人に頼み食材をそろえた


減塩醤油とゼロカロリーの砂糖を使い鶏胸肉や野菜はすでにカットしてあり

白菜やネギお馴染みの食材がならんでいる。

キノコを使いガスコンロを用意してもらい すき焼きを作った



「本来のすき焼きとは若干味が落ちますが美味しいとおもいますよ。」



「どれどれ」

大吉は嬉しそうに取り皿の とんすいと箸を握りなべに手を伸ばした


「ううっ、コリャ美味い」

美味い美味いを連呼する大吉を見てミオも嬉しそうな顔をする


ミオと松前と3人で鍋を囲む

グツグツと音を出す鍋は、いい匂いを放っていた。


こうなりゃ鍋コースだ


月曜日キムチ鍋

火曜日もつ鍋

水曜日みずたき

木曜日湯豆腐

金曜日シャブシャブ

土曜日豆乳鍋

日曜日 きりたんぽ鍋


野菜多めが1番、塩気控え目は必須

塩加減を控えれば薄味でも食べれる鍋は優等生だろう

出汁を昆布、小魚 椎茸 魚介類で取れば塩気は抑えられると

ミオは思ったのだ

アレルギーなど縁のない会長には持ってコイな食材

アレルギーのない事に感謝だ!!


「なぁミオ、イギリスに来ないか?私のそばにいてくれんか?出来たら陽向汰と結婚してワシの身内になって欲しい。」



「会長!」

はい、喜んでと応えたいミオだったが、ミオの思い込みで陽向汰とは結婚出来ない

陽向汰の遊び癖をでんと構えて許せるほど器はおおきくはない

会長がミオと結婚しろと言えば陽向汰は従うだろう

、しかし

遊び癖は治らない

あれは筋金入りの女好き

どんだけ利用され傷ついたか!

長い人生を捧げるにはチョット


「そうか、まぁそうだろうなぁ」

大吉は残念そうにつぶやいた。




そして三日が過ぎた。


「誰だろう?会長が会わせたい人って?」


昼休みコンビニに向かうミオに松前から着信があった

「あ、はい分かりました。」


「では、七時にホテルのレストランへおいでください。」




「もしもーし陽向汰か?」


昼休みサンドイッチをパクつく俺に葵から電話が来た

「俺にかけてきたんだから

俺だぞ」


「アハハ確かに」


「エディだけど、やっぱ日本に来る話は無いと言ってた

ダンスパーティの話も何の事だ?と言っていた

取り越し苦労だったな安心シロ」

スタ🌿.∘のコーヒーを飲みながら

「そうか!」とホッと陽向汰は胸を撫で下ろす




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