第12話 再会は、突然に
それからミオは赤い牡丹の花の着物と緑の袴で髪は緩やかに結い上げて桜吹雪の中キャンパスを振り返りながら卒業して行った。法学部のミオは法律事務所を希望していたがやはり自分には荷が重いと感じ上場企業に就職した
陽向汰も冬華もあれっきり会っていない。
聞いた話じゃあ陽向汰は留学してイギリスの某有名大学へ留学したそうだ
月日は流れていった。
冬華も族を卒業して本業である医大でしっかりと勉強していると聞いた
偶然黒虎の冬華と家に来た彼に会って聞いた。
彼はミオの諦めた弁護士になっていたミオも一度目指した職業だ、羨ましいとは思わない、ミオは弁護士という職業は重荷だった。
彼は以外にも頭が良かったんだなぁと感心する。
若くして狭き門を突破したのだから
それからまた月日は流れミオは29
日向汰は27
冬華も27になっていた。
「もう、ミオを逃がさない」
「ねぇねぇミオ
新しい課長みた?
アメリカに二年修行に行かされていたらしいわよ」
「またまたぁ
何処情報よ、茅乃の情報
いつもガセじゃん。」
「ガセって何よ
ちゃんと秘書室の女子が
トイレで話してるのを💩しながら
聞いてたんだから」
「ゲゲッ
そんな時出にくいよね
💩もトイレからも」
「そうそう
自然現象には勝てないし
出るものは出さないと
体に入れててもなんの得にもならないし」
「ってそんな話じゃなくて
イケメンなんだって新しい課長」
茅乃は口をピヨピヨさせながら説明する。
「へえ若いの?」
「若いらしいよ」
「はぁ、そろそろ嫁らねばね
ミオもワタシも」
右隣りのデスクから
パソコンの手を止めミオの同期の智代は小さい溜息を吐く
何人もいた同期は
パパパパパと嫁に行った。
「だねだね
貰い手がなかったら仕方ないよね
アハハハハ」
ミオは豪快に笑い飛ばす
嫁に行く気なんてサラサラない!!って事を強調させる。
「ん、ンンンつ
私は当てがあるから、」
ミオは智代にニッカリと笑い
「どーぞお先にヘヘン」
智代の親が心配してお見合いを迫っている事は噂で聞いた。
智代はいい子だし、良い旦那見つけて幸せになってほしい。
ミオは陽向汰の事がトラウマになり男の人と付き合えなくなっていた。
「ふーん、27で課長か
凄い」
ミオは新しく来る課長の年齢にビックリ
「デキる奴なんだろうなぁ」
御局様へと足を踏み入れたミオは若い社員の女の子のキャアキャアと盛り上がった声に顔をむける。
「見た見た凄くカッコイイよー
わたしアタックしょうかなぁ」
「ええっ、マジ」
5、6人で立ち話ワイワイ、キャアキャア話に花が咲いている。
「あんな頃もあったなあ」
若いなぁ
あんな
頃が羨ましいと思いながらパソコンに向かい呟く。
「おはよう」
突然、ロマンスグレーの背の高い部長が部長より背の高い男性を連れてやってきた。
「おはようございます、
Σ( • • ;)ギクッ・・・部長」
部長の後ろから口角を上げニャリとする男に目が止まった。
ゲゲゲウハッ
「おっ倉科」
部長は真っ先にミオの元へやってきた。
「こちら、倉科陽向汰君
あ、苗字同じか?」
「倉科君
コチラ倉科ミオ君
なかなか美人なのに嫁に行けない」
(ー_ー)!!ジロ
「あ、ごめんごめん」
部長は触れては行けない所に触れてしまったマズイと言うような顔をした。
「あ、ハハハ
行けないじゃなくて
行かないんだっけ・・・か?
確か・・・アハハハハな、な!!」
部長は頭の後ろをカキカキしながらバンバンとミオの肩をたたき弁解をした。
「イテテ」ミオの呟きをかきけすように
「キャキャギーャア」
後ろから圧のある奇声が耳を襲う!
まるでアイドルの追っかけだ
その声を鎮めるように部長は声を出し陽向汰を紹介した。
「静かにシロ!みんなー
今日から就任した課長の倉科陽向汰君だ、若いがなかなかの人物だ宜しく頼む」
少ししゃがれた声で部長は陽向汰を紹介しながら部長が陽向汰とアイコンタクトをとり陽向汰が一歩前に出た。
「倉科です。
厳しい事も言いますし
甘くありませんが
宜しくお願いします。」
そう言うと陽向汰はまたミオを見る
尖った厳しい眼差しで!!
ミオの顔は青から白へ
ゾクゾクッと背中に寒気を感じながら陽向汰からの宣誓布告のように思える。
「し、しご、仕事仕事」
ミオの動揺は隠せない
甘いマスクだった陽向汰の学生らしさがスッパリ抜けて、大人の男になり
ミオの前に現れた。しかしだ
陽向汰はミオの事など忘れてしまってるハズ
さっきのは見間違い、自分を
納得させるように言い聞かせる。
「倉科さんちょっと」
陽向汰はミオを呼びつけた。
「う"」
仕方なく席を立ち課長席へと歩く
「なになに?」
興味津々の野次馬達は課長と
ミオの2人に視線を浴びせた
「あのぉ なにか不手際でも
ありましたか?」
恐る恐る課長に聞いてみた。
課長は白い紙を差し出し人差し指でコンコンと叩いた、ちらりと見えたカッターシャッの腕から高級時計がキラリと光っていた。
ミオは携帯があるから時計は持たないチラリと自分の袖口を見る。
するとまた課長は紙をコンコンと
叩くミオが紙に目を向けると
"ミオ、久しぶりだな"
( ;꒪⌓꒪;)
それを見た途端ミオの顔色が又
赤くなったり白くなったり青くなったりした。
「お︎՞ ՞お久しぶりです。」
ミオは45°に頭を下げてご挨拶
今、彼は上司だ、前の陽向汰じゃない
ミオはそれなりの言葉使いと
態度を示した。
ふぅー
陽向汰は短い溜息を吐くと
サラサラと文字を書いた。
"仕事終わったらマンション迄
来い"
ミオは「御遠慮します」と即答した。
陽向汰は目を丸くして一礼して帰るミオをワナワナと見送るし か出来なかった。
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