第10話
朝は当たり前にやって来る
ピピピ🐦
チュンチュンチュン
雑踏の中何時も聞こえないが鳥の声が耳に響く
ジリジリンジリジリジリジリジリ
次いでに目覚ましも鳴り響く
『あ、目覚まし』
ジリジリジリジリジリジリ
目覚ましを消そうとフンワリとしたピンクの毛布からミオの白い手が
伸びる
パタパタと何回か止めるのを空振りして ジリジリジリジリンと音も激しくなったがやっと止まる⏰
ふぁぁ今日は休みだったー
ボサボサとした髪を右手で梳きながら上半身を目を擦り擦り起こす
『ん?』
ふと生暖かい感触
『ふぁぁああ〜』
2度寝、気持ちイイ2度寝
ミオはまた横になる
『ん?ん?ん?』
「ん?ヤッパ気のせいじゃない!」
ミオは目をパチクリガバッ
『工エエェェ嘘おーォォオオー』
パチクリと目を開けたミオの視界の
ピンクの毛布の中には背中が見えたミオはビックリして
両手で口を抑え目は真ん丸⊙ω⊙
「嘘っ」
ミオは猫ちゃん柄のパジャマを確認
ニクロで買った下着も確認
ちゃんとつけてる事に
「ホッふぅー」
と安心する
彼は赤いブリーフ一丁
ベッドの横に彼の黒の特攻服が掛けてあった
ミオが貼りまくったサロンパスのスースーした匂いがプンプン
その匂いで昨日の事を思いだした
けが人にSEXする元気なんて
ないよねーと安心した。
ゆっくりと毛布を剥がして冬華の体を観察する。
やはり脇に青紫のアザがあるように見える。
息はスースーしているからアバラは折れていないようだ、
折れていたら息苦しいはず
ミオは又横になる
怪我人を追い出すなんて出来ない
痛ましい体を横にするのも大変なはず・・・
『彼が起きたら病院へ
連れていこう』
と呑気に休みの日にしか出来ない気持ちいい2度寝を決意
ミオが又うつらうつらし始めた頃に
携帯の着信が鳴る。
「う〜ん、」
無視していると何回も鳴った
仕方ない誰だ?せっかくの土曜日ってのに!
意を決して又パタパタと携帯を手だけが探す。
手に冷たい感触が走りガシッと掴む
「はい も・・・ しもし」
ミオのかすれた声で応答する。
「オレ、陽向汰だけど」
「えっ(⊙⊙)・・・は?陽向汰」
寝ぼけ眼が目をさます。
ミオはたじろぎながら振り返り冬華を見る
『冬華となにかあった分けじゃあ・・・ない、何で慌てる?
落ち着いて、落ち着いて
それに陽向汰とは・・・
何の関係も無かったが終わったはず』
スーハスーハ携帯を胸に当て
深呼吸をして又応答する。
「ミオごめん、謝りたい
今から行く」
「チョッチョッチョッ
と待ってだめ、来ないで✘-✘
今季花んちに居るの
き、き、来ても居ないわよ」
咄嗟に嘘を吐く
今まで陽向汰に嘘を付いた事がないから慌ててしまう。
「じゃあ車で待っ」
陽向汰もミオが嘘を付いた事がないから簡単に信じてしまう。
「いやいや季花と遊ぶから
時間約束出来ないし」
「 ね・・・又今度」
「分かった。」
そう呟くと
陽向汰はコンビニから優人と出て来た。
優人は電話の内容をきいていたし陽向汰の反省はよく分かった。
「ま、まあ、ガッカリするな
彼女はお前に惚れ え!! は!!」
ポンポンと陽向汰の肩を叩く優人の手が止まる!
「何だどうした」
優人は陽向汰を引っ張り車へと急ぐ
「何だ何だ どーした?陽向汰はまた訝しげに聞いた。
優人は季花がコンビニへ入り視界から消えた事を確認すると
「ア、アハハなんでも無い
早く帰ってコーヒー飲みたいかな」
と誤魔化す陽向汰と 季花と合わす訳には行かない ミオの嘘が優人には分かったようで彼女を陽向汰の視界に入れるわけにはいかなかった。
優人は、早くコンビニの駐車場から出たかったから慌てる。
「コーヒー?分かった
買ってくるぞ
付き合わせたし待ってろ」
踵を返す陽向汰を優人は慌ててとめる。
「いやいやいや帰ろ
お前の入れたコーヒーが飲みたい
このサンドイッチと・・・な、な!!」
優人はコンビニで買ったサンドイッチとイクラおにぎりをチラつかせ陽向汰に言った。
そう優人がみたのは季花の彼氏か分からんけどそんな雰囲気)なゴツイ男と季花?
多分朝ごはん?を買いに来たんだろう多分
ミオと彼女は何時も一緒にいるから優人も季花の顔はしっていた。
本当の事は、分からないがミオは季花と一緒と言ってたはず、キョロキョロ優人は目で回りを探すがミオは居ない・・・
ミオは浮気をしているのだろうか?
いやこの場合浮気といえるのか?
言えないのか?
とにかくマズイ早く陽向汰が季花に
気づく前に去らなければ、気持ちは焦る
優人もビックリしたが陽向汰は本気でミオをカノジョと思い込んでいたようだ。
自分のカノジョにはどんな扱いしてもいい、だって自分の彼女なんだから
と意味わからない説明をしていた。
陽向汰のマンションに帰ると
ガックリと項垂れた陽向汰に優人が
コーヒーをいれサンドイッチを
薦める。
長年の付き合いだ何処に何があるか
お互いに知っている
アイスコーヒーマドラーでクルクルと氷を混ぜながらカラカラと
音を立てる。
カフオレのミルクが白い色をマダラに垂らしている。
眩しさを避ける為に引いたレースのカーテンが陽向汰に良く似合って落ち込む姿が映し出される。
陽向汰は元気なく言う
「ミオのサンドイッチはパンを焼いてパリパリのパンなんだ
卵サンドとハムサンドホンノリ
ワサビの香りがして挟んだキュウリがピリっとして美味い」
バクッとサンドイッチを食べながら
言う。
「コ、コンビニのだってソコソコ
美味いじゃないか!」
「なんか食べた感、しないよなミオのサンドイッチは、歯応えがある、コレ歯応えが無いミオのサンドイッチは、バリバリのレタスも入ってるしトマトの酸味も旨味も感じる。」
陽向汰は握ったサンドイッチを見ながら呟く
「チッ、ケチ付けるなら食うな」
優人は陽向汰にブチギレる。
「あ、いや、そんなつもりで
言ったんじゃない!」
優人の買ってくれたサンドイッチにケチを付けたように思われたのかと慌てて弁解する。
お金で買えない美味さがある事を陽向汰も優人も知ってしまった。
親の作ったおにぎりが美味しいのは愛情が入っているからと聞いた事がある。
成程、ある意味手作りとは恐ろしい物かも知れない。
1度食べたらその味をもとめてしまう、食べられないとしるとどうしても捜しつづける。
「そんなに好きだったなら
何で手を付けなかったんだ」
優人の問いかけにパッと陽向汰は顔を上げた。
「セフレなら沢山
いたからサ
体の好みもあるだろ
ミオには手を付けなかったのはミオ迄体が持たなかったんだ遊び相手にまた会って、また会ってっていわれて、だからいい体の子で相性が良かった子とついつい
ミオならそんな事要求してこないし、俺の世話が趣味みたいだったから・・いいかなって思ってサ」
「じゃあデートしてあげれば良かったんじゃないか映画とか旅行とか?」
「毎日バイトで忙しくしていたし朝と夜9時過ぎにしか会えなかったし
映画なんて見ないしバイト派だし旅行なんて行けないだろ
ミオには贅沢すぎる
俺たち付き合ってたから別に彼女に金なんて使わないだろ
俺を好きなミオが金を出すべきだと思っていた。」
「は?」
「はぁー?」
優人はあきれてしまった
つまりデートはセフレとするもので家事全般は彼女がするものって言っている・・・
「違うのか?」
陽向汰はウルウルした目を見せる
「うーん育ちが関係している」
優人は頭を抱える、思い込みを覆すにはどうしたらいい!
陽向汰は母親の愛情を受けて育ったはず、そういえば陽向汰の父親とは大きなパーティとかしか会った事がない、彼の家には陽向汰の父親はいた事が無い!
然し陽向汰は実子
母親は正妻
父親は愛人セフレが国事に何人かいると俺の父親から聞いたことがある、俺の父親と日向汰の父親は大口の取り引きだ、仲がいい。
陽向汰が生まれると自分の仕事は終わったとばかり戸籍はそのまま父親は家を出た。
陽向汰の父親が何処かでそんなむちゃくちゃな教えを刷り込んだのだろうか!多分幼少の頃からだろうな
「陽向汰」
優人が声をかける
「ん?」
優人は振り返る陽向汰を見つめ
"いや自分で気づいたがいい"
そう思い
「コーヒーオカワリは?」
そう言った後、口を噤んだ。
優人は聞きたかった
ミオと寄りを戻したなら又同じ扱いを彼女にするのか…と
セフレと彼女の区別をするのかと
ならばミオは幸せにはなれないだろう たとえ大企業の御曹司、大金持ちの
陽向汰の嫁になったとしても
陽向汰は将来各国を飛び回るだろう、多分その国事に家を構える!
つまり世話をしてくれる家族がいれば楽しいし寂しくも無い、快適に過ごし充実感も味わえる
陽向汰にはそれだけの稼ぎと資産は今充分にある。
男前で金持ちエリート、そんな陽向汰に言いよる女は沢山いる
最低で最高な男それが陽向汰だ。
連れて歩くにも見た目最高
綺麗な女を従えて歩けばたちまち注目の的・・・
然しミオは家庭的
陽向汰には物足りなかったのかも
知れない。
そんな事があったとも知らないミオは
「おおーいい匂い」
陽向汰の大好きなパリパリサンドイッチが陽向汰以外の男の為に作られた。
小さなベランダには所狭しとミニトマト、レタス キャベツ ナスそれに
キューリとゴーヤが緑のカーテンを
作っている。
鳥が来ないように網が野菜を囲ってある。
冷たい氷を入れたカフェオレのコップは汗をかいたようにつぶつの
水の玉が取り囲んでいた。
「うわぁー美味そう」
冬華は嬉しそうな声を上げる
「座って座って」
ダイニングテーブルの上をミオがポンポンと叩く
ノッコリと起き上がりテーブルに着く
冬華はサンドイッチを食べながら
「うめー
うめー」
と言っていた、ミオもサンドイッチをパクつきながら嬉しそうに微笑む作ってあげた人の喜ぶ顔を見ながらの食事はこんなに美味しいのか?
陽向汰には2人分の食事を、お願いされるが一緒に食べた記憶が無い。きっと女と食ってたんだろうなー
クッソ
「ミオ、顔怖いぞ!」
冬華の忠告に我に返る
「ごめんごめん スープのオカワリは」
冬華はカップをズズズーとミオの前に押しやる。
オカワリ
ミオはカップを持ってコンソメスープをついで持って来る
「美味しいよミオ」
冬華はニコニコしながらそれを受け取った。
「こんな食べれるなら大丈夫ね?
念の為病院行こうよ」
そんなミオに冬華は
「家に帰れば医者は4人いるから
気にするな」
「よ、四人?」
ビックリ仰天のミオに冬華は
「、祖父母、姉兄
医者の家系なんだ俺も医大に
通ってる父親と妹は違う仕事だけどな」
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