第8話 節約ノススメ

🌽8話はえらい長いです

ごめんなさい。🌽


ミオは節約記事を目にしていた

日向汰とせっかく距離を置いたのだから頑張って預金しょうと考えていた


まあ陽向汰からの返金は使わず、PayPa〇にいれたままだ


しかし銀行口座には貯金もなく今はスッカラカーン

まあアルバイトも就職したら辞めなきゃだし と、思い返し節約の目ざとい記事を読み漁る。




「ふうう~ん、凄、1年で2百万預金か!フムフムフム」


へー歩くだけでお金になる?

レシートでポイントためる?


携帯をクレジット払いにすればポイント倍貯まる?


スゲーエ

着ない服をうる?


夏のクーラーは図書館

うわあー節約って頭使えばカナリ

いける


ミオは19の頃25万で買った中古車の買い替えを考えていた、朝マッ○を買いに行き窓を開けようとしてブイィィィン開いたのは良かったがブイィィィンブイィィィンブイィィィン下がらなくなった後ようやく又下がったが

カチッ カチッ カチッ アレアレレ?

上がらない꜆꜄꜆꜄꜆


「御注文はお決まりですか?」

とクルーのお姉さんが何度も聞いて来る


「えっえっえええ〜

今度は窓開かねぇ՞ ՞

窓があかねぇ〜急に?」


ドライブスルーだから

しかも1人

でもマッ○食べたい

ミオは仕方なく車を発信せざるおえない状況。

後ろは何台も並んでいるし注文しないミオにイライライラしてる威圧的な感じがするー




「幸せは身近にある気付かないだけ」


大きな災害にあった時普通の生活がどんなに恵まれていたか身に染みる

開かない窓が開いていた頃は普通に何も考え無かった

当たり前だった

窓の開閉が出来る幸せが今はしみじみと分かる。


水がある事、食事が出来ること、仕事がある事

歩ける事、走れるなんて贅沢と思える事、そう生きている事、そのどれもが出来なくなれば人は苦しくなる・・・

車の窓が開かないのがこんな

不便なんて・・・・


ドライブスルーで窓が開かないのがクルーのお姉さんに

バレたのは恥かしい



と思ったが、ミオは車を徐行させ駐車場へはいる 5分車に残り色々考えたが空腹には勝てない

気まずそうに店の中へ入った。

さっきの今なのだ顔見

て笑われそう絶対カメラあるだろうし


ミオは朝マッ〇のソーセージマフィンが大好き10個は買って帰る

Appleパイも5個

ソーセージマフィンは冷凍しても美味いがAppleパイはそのまま食べたが

美味い。

冷凍したらビョローンとのびてパリパリ感無し、アップルパイはその場で食べるべき。


「ありがとうございましたー!」

マッ🍔のかけ声も美味さの一つ

さっきのドライブスルーのお姉さんはミオの事も気にする暇さえなさそうにバタバタと働いていた


「窓あかなかった事、気にする程なかったか!」

ミオは安心してマフィンを抱えて店の空いた席に腰掛ける。


隣には老夫婦が座ってきた。どうやら病院帰りらしい

白髪の穏やかな上品な奥さんはアイスをテーブルの上に置いたままスプーンですくって食べている

おじいさんも中々紳士風、


「何を話ているのかな?」

ミオは興味ありげに👂""をクイクイ



「婆さんアイスは歯にしみらないか?そんなにいっぺんに食べて

歯が浮くじゃろうが」


「おじいさん

私には浮く歯が無いから大丈夫よ

入れ歯だもん、デモ入れるのわすれて来たから歯茎歯よ」


「ん?入れ歯は家か?

偉い美人にみえるぞ

( ´∀`)ハハハ

お前は笑うなよ怖いからな」

と爺さんは嫌味を言ってる

ミオはしみじみとお婆さんを見る



「あ、だからAppleパイが伸びた麺になってズボボーンとお婆さんの口から出てきたんか!中身を吸い取ってたのか〜」

と小声で呟いた


ミオはAppleパイを凝視

なるほど確かに中身は無い!ベロン

ペタンと包み紙の上で伸びていた

お婆さんは歯茎で舐め舐めしたのだろう。


チラッ

「おじいさんは何を食べてるのだろう。」


ミオは今度はおじいさんを見る、

歯の丈夫そうな🦷お爺さんは

セットを食べていた


「美味しいですか?」

フガフガした口でお婆さんは聞いた。


「・・・若者の気持ちも分かるな

美味いと言えば美味いがワシはバーさんのシャケ、味噌汁

ぬか漬けが合っているかなぁ」


ミオも「それもアリ」マフィンを食べながら

うんうんと頷いた。


お婆さんはニコニコと笑って

「でもハンバーガーセット完食したじゃあありませんか」


「ん、あぁ」


「やっと貴方と添えたんだし

私のやりたい事に付き合って下さいな!」


「またそれを言う

入れ歯をいれとらんからハッキリ聴き取れんが、ワシも、待たせて悪かったって言ってるだろう。」

お婆さんはゴソゴソとキッチンペーパーに包んだモノをポケットから出して


「あなたがせかすから入れ歯入れる暇無かったから持ってきたんだった

忘れてたワ」


とつぶやきつつ

ゴソゴソとポケットから出した物を包んだキッチンペーパーからゴロッと出すとピンクの物体が現れた


ミオはそれを見てビックリ


「飯食ってる時にパカッと出すな食欲が落ちる」


と言われたお婆さんは


「もう完食してるじゃない」

と呟くと異例の速さで

「カプッ」

と口に放り込むとにっこり笑った

見事な入れ歯投入技、入れ歯がキラリ


「結婚式したばかりなのに冷めるワ」

とお爺さんは眉をしかめて言った

「所詮ニセモノの歯じゃろうが、俺の歯はまだホンモノじゃ」と笑う爺様の

歯もよく見ると歯っかげ爺さんだった。

笑えば隙間があいている


『変わんないじゃん、ん?もしかして新婚さ・・ん?』

ミオはジーさんを見てつぶやいた。


「ハイハイ、貴方は私を捨てて

資産家のお嬢様と結婚されて💢」


👂"""え!!


「私はどうしたら良いか、分からなかったんですよもう30歳でしたから急に妾でいてくれと言われて」



「捨ててはいない

ちゃんと妾にして生活費も振り込んだだろ💢」


「一年に何回か来るだけ、なのに私は2人も妊娠して、やっと着れたウッウッウッ私のウェディングドレス見て大爆笑していたし」


「そりゃやっぱ婆ァには似合わん夢でうなされそうじゃったワイ、見なけりゃ良かったと後悔レベルだろうがコワハハハ」


「貴方の元奥さんは似合う歳で式を上げたんで似合ってたんでしょうよ」


賑やかな店内も2人を見て静かになった、2人の昔に何があったん

だろう?

注目されている事に気付いたお爺さんはお婆さんに


「か、帰るぞ、入れ歯忘れるなよ、ってかもう外すな、フガフガしてると余計に

クソババアに見えるぞ」


お爺さんがお婆さんに声をかけるとお婆さんはお爺さんの言う通り腰をあげた。

「あんなに文句言ってたのに従うんだー」

ミオは首を傾げる。


「あーあ!!男尊女卑のまんまやん」

ミオは、あのお婆さんが可哀想になった。

あの人も都合のいい女だったんだ

それをつらぬき通したんだな

可哀想に・・・


ん?

季花が言ってた一言が脳裏に浮かぶ


「アンタ、いいように扱われて可哀想! 明治、大正、昭和じゃないよ

アホ」


可哀想ってこんな事だったのか

ブルブルブル

一瞬で目が覚めた、あのお婆ちゃんは目が覚めなかったんだ・・・


「大きな声だしてごめんなさいね」

お婆さんはミオに頭を下げるとお爺さんの後を小走りでついて行くミオは複雑な気持ちで見送った。


そんな切ない気持ちでいると

「お爺さんこっちこっち」

今度は賑やかな、でも上品そうなお婆さんが入ってきた

「婆さん何を注文するか?」


「朝マッ🍔セット、あ、コーヒーも、孫たちの持ち帰りも頼んどいてくださいな」


「あー暑い暑いワ」


「ハイハイ」

お爺さんは頷きながら帽子をテーブルに置きカウンターへと汗をフキフキ歩いて行った

肩をグルグル回して首をコキコキしていたから多分

遠くから運転して来たのだろう


お婆さんは、と言うとハンカチでバタバタ仰いでいたが今は暑さもお店の冷え冷えのクーラーで落ち着いたのかスマホを見ている。


お爺さんが持ってきたマッ🍔セット

を見てニコニコ

お爺さんも嫌な顔をしないでニコニコ、お婆さんはお爺さんに愛されてるらしい、コーヒーのストローまで

さしてあげている

挙句に自分のハンカチをお婆さんの

胸に広げ服に優しく挟んだ


「フフッ君はよくソースを

こぼすからね」


「そ、そうかしら?」

至れり尽くせり

この2組の夫婦を見てミオは考える


嫁に行くなら望まれて行った方が良いと祖父が言っていた意味が分かる‼️


お婆さんはハンバーガーをパクパクペロリとたいらげたミオから言わせると

「旦那さんはこんなワガママな嫁で人生幸せだったのか?」

見るからに70代半ばって所かな

ミオがチュウチュウと吸い上げたコーラがズボズボと音をあげるコーラも終盤に差し掛かる。


お爺さんは少し疲れている様子が分かる


「あなた、ユックリ食べて

これから先はワタシが運転するし」



「あ、ありがとう

あとここからなら5分くらいだけどね歩いてアハハ」


お婆さんはムッとした顔をして


「お腹すいたって言ったから嫁ちゃんに迷惑かけるからってココに寄ろうって言ったのはアナタじゃない。」



ン"ン"ン"

お爺さんは何も言えなくなり黙り込んだ。


お婆さんは何処かに電話し始めた

プチッと電話を切って暫くすると

キャーキャーという声が聞こえてきたドアが開くと女の子が3人入って来た小学生だ

6年、4年2年って所かなと思っていると


「ジージ、ジージ」

とさっきのお爺さん目掛けて走って来た、

「バーバお昼も買ってきてってママが言ってた」

と1番大きい子が1万円札を出した



「結花それはママに返しなさい

もうタップリ頼んであるから

いらないよ!」

お爺さんはニコニコしながら呟いた


ズーズーミオのカップの氷も底を付いた音を立てる


「ソロソロ帰るか」

ミオは席を立つ



人生を考える、

『ヤッパわかんない

人生色々だなぁ』


妾時代を悲しみながらも正妻になるまで入れ歯を引連れ頑張ったあのお婆さん


旦那を尻に敷きつつも尚且つ愛されている妻のお婆さん

2組の老夫婦はミオのこれからの人生を考えさせた。






車に乗りエンジンをかけた、相変わらずミオのくるまの窓は上がらない。


「うーん年式古いですからねー

部品があるかどうか?」

ミオが持ち込んだ車検専門店では

36くらいのイケメンお兄さんが頭を抱える


「1度見てみますね」


割と大型の車検のお店は何台もの車が車検の為並んで持ち上げられていた、そのまわりを何人ものスタッフさんがあわただしくうごいている。


1枚窓の大きな店内からミオは自分の

年代物の車を見る、少し弱った愛車はしょんぼりしたように見えて可哀想になる


店内では車検を待つ人がテーブルに座り無料自販機から

コーヒー、お茶、紅茶をそれぞれ飲んでいた、一見するとカフェにみえる。

ミオもキャラメルコーヒー

を飲み待つ事にした。


「倉科サマー

倉科ミオ様」

あれから一時間程して受付嬢のコッテリ化粧したお姉さんにミオが呼ばれた。


頭をあげるとさっきのイケメンさんが席までやって来て


「やはり無理でしたー

部品が中々の年代物ですので・・

一応窓は上げてしめています

開かないようにしてあります。」

これ以上は扱えないって事だろう


『まあ乗れれば良いか車検もあと1年それに夏も後1ヶ月だし八月乗り切れば うん

なんとかなるっしょ。』


ミオはどんなポンコツだろうが愛車は愛車だ

『頑張ろう』

と一言愛車に声かけした。


ヤッパ車変えるなら資金が必要陽向汰に熱を上げて回りが見えなかったが現実はちゃんと回って来る

季花の心配してくれていた気持ちも今は、有難く感じる。



「無駄使い禁止」

ミオは車を走らせ大型スーパーを目指す、運転はあんま得意じゃない

車使うのは神経やられる陽向汰を迎えに行く時は神経集中

陽向汰は夜しか運転を頼まない

皆と離れた場所を陽向汰は待ち合わせに選ぶその意味がやっと分かる


「恥ずかしかったのか?

このポンコツ愛車が」


なら自分の車を出せば良いのに

高級車がマンションの地下に眠っている1回乗った事もあったが

あんま、触らせてはくれない


あの日から日向汰の電話を着拒

私にも女の意地がある

٩(๑`^´๑)۶フンツ



車は目的地の大型スーパーへ到着

紙に1週間の材料を書いていざ入店


ザワザワと賑やかな店内で見知った人物がいる、白い暴走族の特攻服を着た



「えっと、えっと確か雪華ダッケ?」

雨降ってたし名前?そんな感じだった、いやいや今は知らん振りしょう


大きなカートを押しながら

飲料水、水、


「W結構重い」

あとは野菜、米、調味料&洗剤などでカゴは山盛り


ヨイショヨイショ

支払いを済ませ店を出る


太陽は高く蝉は姿を消し夏の名残を惜しむように咲く小さな花を付けたあさがお、夏は大きな花をつけていたのに スッカリ

秋本番そんなザワザワした中に


「肉たりるか?

飲み物は、それよりお菓子お菓子」

若い女の子と男の子の声がする

どうやら買い物チェックをしているようだ。


見るとアノ集団が炭やらバーベキューセットを抱え談笑していたどうやら買い出し班か?


真ん中にいるのは矢張りあの彼だ

「ヤッパ見つからないようにしとこう」


ミオはソロソロと見られない様に

素通りしてチラッ

大丈夫きずかれない皆和気あいあい、ミオに気づいていないヨシヨシ


ミオはホッと胸を撫で下ろす

車に材料を詰め込んだところで

「カート持って行きますよ、」

通りがかりの親切な

ガードマンさんがカートを押して持って行ってくれた、あの集団の横を通るのは嫌だったから、

ガードマンさんにおねがいする


「ありがとうございます」

と遠慮なくお願いをした事にお礼を言う。


「さぁてと!」

ミオがエンジンを吹かせる

ブルルル ル ル ・・・アレ?

もう一回

ブルブルブルブルーン ?


ミオは焦りで青くなる

ブルンブルンブルン?

何度エンジンかけても煮え切らない

鈍いブスンブスンと音が響く!

異変に気付いた人達がチラチラとミオを見てくる。


「ふあー暑!

仕方無い保険も入ってるし

レッカー呼ぼう」

ミオが携帯を取り出すと着信が入っていた。


「ん?冬華?冬華って誰・・・あ!!」

ミオは直ぐ思い出した雪華じゃなくて冬華だ૮(꒪⌓ ꒪‧̣̥̇)აったゼ!


携帯を見ながら汗をフキフキ

すると開かないドアからコンコン

とノックの音


ミオは窓を開けれ無いからドアを開ける。


「何してるの?ブアッ」

ヒイーッ

開けた途端熱気が冬華にブチ当たる

冬華は小さな悲鳴を上げた


頭テカテカ今どきのリーゼン白い特攻服にはお決まりの細いサングラスに眉毛無し


「見た目コッコワイ」


「は、なんだよご挨拶だなー!」


「え、えっと、大丈夫だから、大丈夫です

この間は・・・ドーモヘヘッ」

ミオは固まった笑いで言う しかし冬華も妙なしかめっ面で


「止まったカンジ?」

と顔をぐ練らせて言った。


「確かミオに見えたから電話したんだぜ、気づかなかったの」

冬華はドアをバンバン後ろを開けて

「代わって」

とミオを引きづり出した


「え、あ、うん、呼び捨て」

確か君より私歳上」


「気にすんな、そんな

チッコイこと」


この暑さ頭もボーッとするエンジンが掛からないからクーラーも

使え無いのは当然


「おーい

呼べ」

冬華が下っ端な子に叫ぶ、下っ端な彼はパパパっと走り出し誰かにペコっと頭を下げた。


それだけで通じたらしく一台の車が回って来た。


「ナニナニ?」

ゾロゾロと集まる族人達に

ミオは軽いパニック


すると車から男性が降りて来た

「どーした冬華」


「セルが回らない」


「は?エンスト?」


「バッテリーがダメなんじゃないか?」

2人はボンネットを開けて車オンチの

ミオには 分から なぁあい 話をしている、2人は突然車と車をケーブルで

繋ぎブルン

またブルン

ブルブルブル

ブルブルブルブルンブルブルブル

なんとエンジンがかかった。


ミオは「フーッ」と腹の底から長いため息を吐く

運転席からドアの横に立つミオを見上げサングラスをズラして目を見せて笑って言う。


「かかったゾ」


「あ、ありがとう」

ミオはホッとした顔をして頭を下げた。


冬華と男性は何か話していたが

男性がウンウンと頷くと彼は車に戻ったが🔑を下っ端らしき子に渡すとちょっと待ってろ、ミオにそう言った。


ミオは冬華を見て

「行かないの?」

と聞いたが冬華の下っ端らしい人達が回りに立っている。

きっと冬華が来るのを待っているのだろう。


その質問を無視するように


「連絡してくれなかったな」

冬華はミオを見て

『会いたかった』と言えずに

つい憎まれ口をきく。



「え?だって連絡して来るナ

みたいに言ってたじゃない。」



・・・・「そう・・だっケ?」

本当はそうだ、そのつもりだったけど気になって仕方が無かった。


「じゃあオレも行くからな

時間には戻って来いよ。」

冬華の顔を見てミオの知らない彼が冬華に言う。


特攻服が同じだが

彼はサングラスをしていなく長い睫毛に垂れたオメメ

そう渋そうなイケメン彼も20歳前後か?


そんな彼が冬華に手を振りかけたが

「オイ、お前も着いてこい」

冬華はつっけんどんに言う


「え?ヤダ、なんで?俺まで?」

と不服そうな顔をした。


「は?分かったこと聞くな

車が止まったら押さなきゃダメだろ、俺ひとりじゃ無理!!

それにクーラーかけたら絶対又止まる

後ろの窓は何とか空くけど

前はアウトだ!!あ、か、な、い」


「えーマジで」

彼はチリチリした前髪をワシャワシャとだるそうに掻きむしった


「総長の命令なら仕方無い!」

彼はダルそうに「先に行け」

と待っている仲間に声を掛けた後、

後ろ座席におとなしく座りミオをマジマジと見た。


冬華の運転で車は動き出すと

後ろ座席の彼が族仲間に手でチョイチョイと合図を送るとパパパと後ろの彼の車に一人が乗り込み走り出した。


パパパブオンブオンパラパラパラ

好き勝手な音をだしバイクや車は先頭車の後を付いて走り出した


ミオは「話さなくてもわかるの?」

と聞いたら


後ろの彼はフッと息を吐いて口を歪ませる。

冬華は「俺らには何が言いたいのかは、空気でわかるんだよ」そう言った



「オーイ、どんだけの時間かかる?」

彼が冬華に話しかける

クーラーをかけないで走る

彼には生温い風が我慢出来なさそうだ。


「ゴメンなさい30分くらい」

ミオが答える


「は?30ぷーん!」

彼はだるそうに叫ぶ

この暑さで耐えられないのか服を脱いで上半身裸


「え(-.-)」

見ると冬華まで脱いでいる

ゴツゴツした背中には汗が吹き出して小さな汗粒が背中に光る。


ハンドルにうなだれ掛かりだるそうに信号を見る


「後どれくらい」

後ろの彼が又叫ぶ彼の限界はちかいか?

ミオもかなり暑さで疲れて来た

「あの薬局を過ぎたマンション」


ミオのマンションが見えて来た所

3人ともホッとする。


「ウウッ金〇がゆで卵になる所だったぜ!」

冬華がボソッと呟く


「マジだ、湯気だって来た」

2人は真ん中をお互いに眺めつつ

大笑い


「上がってアンタたちのキン〇〇

冷やさないと」

ミオはそう言って階段をかけ上がりクーラーで部屋をガンガン冷やした



後から二人が荷物を抱え上がってきてバタッと倒れ込んだ

ミオは買って来た炭酸を長いグラスに氷を詰め注ぎ込み

それを手渡すと


二人は一気に喉に流し込んだ

オカワリを自分で継ぎ足しアッと

いう間に2リットル飲み干した

氷も無い"


「ぷふぁ」

クーラーも効いて来て2人はやっと

落ち着いたのか一言も話せずに

眠ってしまった。


ミオは女姉妹だからオトコの裸には慣れていなくて1枚のタオルケットを

並んで横になる2人に掛けた


「キン〇〇がかぜひくぞ」

と呟いた


ミオもヤッパ喉乾いていたからゴクゴクゴクゴク一気飲みをしたが

腹がパンパンになり動けなく

ソファに腰掛けた。


眠さが襲って来たがなんせ男二人油断は出来ない、かといって

時間を見れば13時


「なんかあったかなぁ」

ダルい体を持ち上げ冷蔵庫の前に立つ、買って来た肉や牛乳をチェックする、冷凍肉やアイスを大量に

買ったせいで保冷剤の役割を果たしたのかまだ肉は冷たく、でもアイスはだいぶとけ始めていた。


急いで冷凍庫に投げ入れる

卵もまだ冷たくホッとする

野菜もギリ大丈夫ピンとしていた

冷蔵庫だけには金をかけてある

高いやつ‼️


冷凍庫の中にこの間冷凍したハンバーグがあった、若いし喜ぶかな

陽向汰も私の作るハンバーグは2個3個食べてしまう。


トマトを切ってレタスと千切りキャベツにベビーリーフを混ぜて

ハンバーグに添える

ご飯を鍋で5合炊いた、お米も立って

プツプツと小さな穴が見えた


「美味しそう」

陽向汰以外の男の人にご飯を作るのは去年のキャンプぶり、つい腕をふるいたくなる。


冷凍しといたアサリで味噌汁を作る

これもいい匂い、後はぬか漬けを

上げてテーブルに並べた


「こんなに疲れさせたもの

お礼は当たり前だよね。」


冷えた麦茶をコップに注ぐと完了

若い子の好みは分からないけど

陽向汰ぐらいの年齢だし

「ま、いいか!」


「ねえねえ冬華君

ご飯食べない?ゆで卵もあるよ笑」


ゆで卵に反応したのか2人はパッと

ゆで卵になり損なった玉を掴む

とパチリと目を開けた


ノソノソと起き上がりミオの作った

温泉卵に目をやりゴクッと唾を飲んだ ご飯をミオがよそうと胡座をかき


「いただきます」

と手を合わせた

ミオはその高い声にビックリして

「ド、どうぞ」

とつまりながら言った。


黙々と食べ続け5合のご飯はアッという間に消えた。

若い男の子の食べっぷりはお見事

驚いたのは片付けまでやってくれた事だ


「え、いいよ私やるから」

そう言うと

「黒虎族のしきたりなんだ

やらないと下に躾が出来ない」

そう言って丁寧に洗い物を片付けていた。


それから2人は又ぐっすりと眠って

夕方5時迄居着いてしまった。


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