第4話
季花は彼氏の山崎賢に相談する
「なわけよ
どうおもう?」
賢は季花より2つ上、季花の高校の先輩だ!
見かけは強面、剣道でインターハイまで登りつめた経歴の持ち主
背は高く怒り肩、笑うと目が細くなる季花想いで季花にベッタリなギャップが面白い。
季花のアパートに来た時はご飯も家事も手伝ってくれる。
大学を出てからは父親の警備会社に入社 いずれは跡取りだ。
「季花、別に人は好き好きだから
あんま首突っ込まない方がいいぞ」
「だってだって」
モゴモゴ言う季花の鼻を摘む
「おちつけ、いよいよな時は、ミオちゃんが決める その時力になってやればいい
彼女の人生なんやからさ」
季花を納得させるように優しく話しかける。
「う・・・うん」
あんまり乗り気じゃ無かったが季花も見守る事を決めた。
散々陽向汰に無理難題を言われコツコツとこなして行くミオ
次は何を言われたんだと季花は頭を抱える。
案の定
「分かった10人前ね
任せて!!」
ミオは陽向汰に弱い、スグ了承する
「陽向汰」
「ん?」訝しげに振り向いた陽向汰にミオは右手を出した
パチンと音がして右手は叩かれ落とされた
「俺、の、誕生日!なんだけど
金とるの💢?」
「う、え?」
その一言でミオは撃沈、食材費も却下と言う事だ
ここでしょげててもしゃーない
ミオはエコバックを車に乗せて
大型スーパーへ向かう10人分か!
キツー
スーパーの買い出し分5万円
ビール、酒、祝ハタチには飲酒が付き物 ミオは陽向汰のタワマンに買い出しの、荷物を運ぶ
見切り品コーナーで野菜と果物を調達 カットフルーツは助かる
手間が省けるし見切り品に並んでいれば超最高、パイナップル&オレンジ➕リンゴヤッター
フルーツのカットの時短
又腹部に違和感、お腹も張って来た
痛いまでは無い、なんか痛くなりそうだなって感じるくらい、早くパーティの準備をしなくては腹の痛みは待ってくれない。
苺のエプロンを付けて料理開始
陽向汰は手作りを喜ぶ
「ミオってサ
ポッチャリしてるだけあって
料理は美味いもんなー」
陽向汰は嬉しそうに食べる
陽向汰には言って無かったけど両親は実家で小料理屋をやっている
店を構える前は有名なHOTELで父は板長、母は外国でパティシエとして腕をみがいていた、2人の出会いはアメリカで日本料理の指導に来た父が道に迷いオタオタしていた時その父に道案内をしたのが母、それがきっかけだった、父は35、母は28
どっしりと落ち着きのある母
二人はアメリカで出会い母も久しぶりの日本語を楽しんだ
ネズミ年のせいかチョロチョロ🐭と落ち着きのない父だが気が回り人当たりも良くそんな父に母は頼りがいを覚え父を追って日本に帰国、それから何年かして父と母は結婚し
小料理屋を開いた。
常連のお客さんが人をつれてきてリピータが増えクチコミで中々繁盛している、そんな腕利きの両親から
料理をスイーツは母から仕込まれているから腕には自信がある。
焼き鳥を焼いて、魚を捌き煮魚を作る、刺身は勿論必須
陽向汰の好物は外せない!
小籠包は近くの中華屋さんにバイトに行って覚えた、見て食べて舌で覚えろ父の教えに従い
小籠包は本番仕込み中華のチンさんから習った、ルルルルル
🎶ルル調子良くなり鼻歌を歌う
お腹の痛みも何処へやら陽向汰の喜ぶ顔を想像すれば嬉しくなる。
ミオは手慣れた様子で、見栄え良くパパパと料理をテーブルに並べる。
唐揚げも大きめにカットして食べ応えあるように作る
小籠包も上出来た。
シーザーサラダとラザニアもOK
コップも冷蔵庫にひやしておく
時計を見ると18時になる
痛みはマラソンを2時間走った後の横腹を刺すような痛みににてる。
幸いそこまでの痛みは今はない
ホットしつつ横になる。長時間の料理は足も痛いが疲れてしまう。
「ソロソロ帰ってくる頃かな」
ミオが思案していると
「ミオただいまー」
陽向汰の明るい声が響く
ミオはソファから立ち上がり玄関まで出迎えに行く。
「陽向汰おかえ・・え?・」
おかえりと言おうとした途端
「おー
入れ入れ」
の掛け声に「お邪魔しマース」
可愛い系の子、綺麗系の子が合わせて5人の後、ドカドカとイケメンが4人入ってきた。
『あ、この子達まさか夏祭りの?』
季花から聞いていた人相に似てる
「陽向汰︎ぁー💕︎︎」
取り分け可愛い系のクルクルカールで茶色のカラコン
ブルーのレースのワンピを着た彼女が陽向汰に飛び付いた
ドン「おいおい、依桜(イオ)」
と言いながら陽向汰はカワイイ系
女子が喜びそうな頭ポンポンしながら
「ミオビール」
と叫ぶ陽向汰にミオは
「はーい՞ ՞」
新妻ふうに返事をする、冷蔵庫から冷やしたグラスを出そうとしたら
「私たちやりマース」
陽向汰が連れて来た女の子がキャピキャピした態度でドカドカとキッチンに入って来た。
「お、お願いします」
ミオは動揺しながら一歩足を引く
冷蔵庫からビールを勝手に取り出しパーティが始まる
「ミオ、サンキューもう帰って
いいよ、ありがとうな」
乾杯の音頭を陽向汰がとる、カンパーイ
「え?私帰るん?なんで?」
微妙な顔をしていると・・・
「だから
ありがとう」
突っ立ったミオを見て陽向汰が又言った。
「え?あ?え?う・・・うん」
陽向汰に帰れと言われてるようなもんだ、いや( -᷄ _ -᷅ )💭言われてるんだ。
ミオは仕方無くエプロンを外し携帯ひとつ持って陽向汰のマンションを出た
ミオの背中には楽しそうな10人のおめでとう‼️㊗️おめでとうの笑い声が聞こえた
「ハァーッまさかの、私は呼ばれて無かったのか!」
寂しい一人言は続く
駅迄の道を歩いているとハッとする
「あ、プレゼント渡すのを忘れてた」
お高いネックレスだポイ置きは出来ない、ミオは慌てて引き返した
今始まったはずのパーティは真っ最中
ミオが入って来たのに誰も気づかない。
アレ( ´◔‸◔`)?冷蔵庫の上に置いていたプレゼントが見当たらない
リビングからふと聞こえてきた声に耳を寄せる👂。
「ね、陽向汰さっきの人だれ?
マッ!!マサカ……彼女?」
その声にパッパッパ優人、雅紀、尚也、真彦は陽向汰がなんと答えるか興味津々で陽向汰の方へ視線をなげる。
彼等も知らない、料理は上手いし家事もカンペキ陽向汰に無理難題を言われても、尽くしてこなすと聞いている噂な女の子・・・
陽向汰にとって彼女は何なん❓
「ああ、ミオの事、アレは・・・」
「あれは?」
ウンウン
「あれは・・・」
陽向汰は顎に親指をたて目を左上にむけながら
「俺の彼女件家政婦」
「家政婦?」
👂ふと聞こえてきた言葉に 全員が
「は?」
そのまま陽向汰の話は続く
「そ、デートもしない御飯も行かないし なんなんだろうなぁ
手も握らないしキスなんてモチロンしたことないでも
仕方ないからこんな時呼び出して
都合よく使うだけ、彼女もそれで満足してる、だから俺の大事な人には間違いない」
陽向汰はハハハと笑いながら依桜を抱き寄せる。
「やだぁ変なのカワイソじゃない」
キャアキャア黙って聞いていればミオを馬鹿にした盛り上がり
そのあとすぐ
バリバリと音がして依桜が言った
「うわぁキレイコレ欲しい~」
陽向汰はネックレスに目を落とすと
「ああ、イイよやるよ」
「いいのぉ陽向汰
こんな高いの私がもらって」
「いいよ、それが欲しかった訳じゃないし
それより
男物だけど大丈夫か?」
陽向汰が欲しかったのはミオの服従した姿勢その証だった。
依桜は嬉しそうに手に二回転巻にしてブレスレットのように扱う
「うん、気に入った、ありがとう」
陽向汰も依桜も満足に笑っている
━━━━━プッツーン━━━✂️
ミオの中の限界の糸が切れた
腹の痛みを乗り越え、ウンコと日々戦い便器をハゲ頭の様にピカピカに磨き上げ かき集めた20万
のうちカードローン三万リボ払い
ミオの眉間にシワがよる
「許さない許さない許さない」
人がせっかく働いて買ったネックレスを女の子に軽くあげちゃうなんて💢
「💢ちょっと」
その怒声混じりの声に全員が振り向く
「陽向汰、私そのネックレス
あなたにあげるって言ってないよ
コレお父さんへのプレなんだから
勝手に開けないでよ!」
「は?ミオ」
陽向汰は逆らうはずのないミオが
怒っていたので唖然
「横取りはヨロシクなくてよ💢」
依桜をギロリと睨む
「ヤメロ、これは俺がリクエストしたヤッだ
俺への誕プレなんだろ
俺がどうしようと勝手だろ!
もらったもん勝ち」
「は?
デザイン違うでしょ
良く見なよ」
ミオの言葉に陽向汰はジッとみて
「確かに細い」
陽向汰に頼まれたネックレスの金はもう少し分厚い。
「あんたへの誕プレはこの料理よ
いくらかかったと思ってるのヨ」
「そんなケチ臭いこと言うなら
もうお前とは縁を切る」
陽向汰の殺し文句、こう言われたら
何時ものミオなら黙って押し黙る
しかし限界の糸は切れてしまった。
依桜はネックレスを首にかけ陽向汰の後ろに隠れた
「ねえ、あなたソレ返してちょうだい 私の忘れ物なんだから」
「いやです、私が陽向汰から
もらったんだモーン⤴返さないモーン⤴」
陽向汰も間に入って押し問答が始まる
「そ、じゃあ警察呼ぶから未成年は?いないよねぇ」
「い、いる訳ないだろ!」
「そ、じゃあ」
ミオが携帯の番号を押そうとした時
「か、返します」
依桜がビクビクしながら手を伸ばして来た、金のネックレスが重た
そうに指先を押さえていた。
そんなネックレスを見てミオは
「出来たら55万で買い取って
もう開けちゃったからプレゼントにはならないし、もう中古じゃん」
『買い取る?』
意味が良く分からないのか陽向汰は納得しない顔をしている。
『え!!陽向汰どうしょう』
ウルウルした目で依桜が陽向汰を見る。
その声にハッとしたのか
「わ、わかった、振り込むよ」
男気を出して、いいカッコシーの陽向汰がそう言った。
男気を見せドヤ顔の陽向汰がそう言うと彼女はホッとして顔をあげる。
陽向汰の為にバイト掛け持ちして
働いた20万で買った
転売になるかもだが今まで日向汰に使った金額を思えばなんてことない
30万のアラなんて無いに等しい
5万はこの料理代と準備代、これくらいしてもバチは当たらない大丈夫だろう
今は便利な世の中だ
PayPa〇なる物があるザマァミロ
「あ、5万は別にして振り込んで
PayPa〇は50万が限度額だから」
「ああ💢分かってるよ」
不機嫌なままの陽向汰は財布から5万を抜き取りミオにバッと差し出した
「料理代、これでいい💢」
「はい、確かに!
残りはちゃんと入れてね
それから陽向汰
縁切りありがとう」
「え"え"あ"は?」
慌てだした陽向汰を優人がエッと言う顔をして見た
ミオはそれだけ言うとサッサと玄関に向かう、陽向汰の好きな赤い薔薇20本を玄関に飾ったが気付いていないのだろう。
ありがとうの一言もない
フッ、ミオは薄笑いを浮かべ
薔薇の花の頭をひつっかみ玄関にばらまいたバラのトゲが刺さり血も出たが痒みさえ覚える
陽向汰の玄関は甘々な薔薇の香りにつつまれた。
フンッ、ミオはドアを開けて後ろで突っ立っている陽向汰に気づきもせずブアアァアァーンとドアを閉め歩き出した
怒りのせいか足が軽い、然し
ミオの頭は正直パニック😵💫🧠
アドレナリンがドバドバドバと出ていたのかもしれない。
歯医者さんで親知らずを抜く時の
麻酔が聞いたような感じ
フラフラする。
パタパタパタと走る足音が段々緩くなって街灯の下で止まり座り込む。
「誰かウッウッ助けて」
ミオの涙が突然目を覆う
大好きだった、尽くしていれば何時か私を受け入れてくれると思っていた、都合よく扱っているってのが
陽向汰の本心だったなんて
ミオは道に座り大声をあげて泣いた
何時の間にか降り出した雨はミオの全部を濡らし
泣き声さえかき消す程強く降り出しミオの背中を激しく叩いていた。
優人は飛び出したミオを追いかけ見つけたが、ただ傘を握りしめ、突っ立っていた、声も掛けれず手も差し伸べられない、陽向汰に尽くす彼女が
可哀想で可哀想で・・・
その日から優人は遊びで夜出歩く
のをやめた、所詮遊びの俺達には矢張り遊び目的の女の子にしか出会えない。
生物学から言えば正直に生きている、子孫を残す為には正しい生き方なのだろう、しかしミオを前にしてそんな、俺達の
正論が正しいとは言えない
人を幸せにするのは、今までの俺達には難しい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます