第6話 新たな挑戦への誘い
音楽教室の成功がグループホームの中で大きな話題となったある日、外部からの意外な提案が雅史と神子に届いた。地元のコミュニティセンターからの招待だった。彼らの活動に注目したコミュニティセンターは、地域イベントでの演奏を依頼してきたのだ。
「私たち、本当に外で演奏してもいいのかな?」神子が不安げに言うと、雅史も少し考え込んだ。
「大丈夫、神子さんがいれば。僕たちなら、何でも乗り越えられる。」
雅史の言葉には自信がなかったが、神子を励ますため、そして自分自身を鼓舞するためにそう口にした。神子は雅史の励ましに心を強く持ち直し、二人で挑戦する決意を固めた。
準備期間中、彼らは演奏会で披露するための曲目選びから始め、アレンジ、練習と、前回以上に熱心に取り組んだ。特に雅史は、このイベントを通じて自分の音楽をより多くの人に届けたいという強い意欲を感じていた。
演奏会の日、コミュニティセンターには地元の住人であふれていた。多くの人がこの日のために集まり、様々な演目が披露された中で、雅史と神子の演奏も大きな注目を集めていた。
演奏が始まると、緊張で震える手を抑えながらも、二人はこれまでの練習の成果を存分に発揮した。雅史の繊細なピアノの旋律と神子の心に響く歌声が会場に響き渡る。演奏が進むにつれ、彼らの音楽が人々の心を捉え、会場全体が一つになっていく感覚を味わった。
演奏終了後、会場からは温かな拍手が湧き起こり、二人に対する称賛の声が絶えなかった。地元の新聞記者が演奏の感想を求めてきたり、他のイベントへの出演依頼が来たりと、雅史と神子の活躍はさらに大きな輪を描き始めていた。
「こんなに多くの人に支えられて、私たちの音楽が届いたんだね。」神子が感激しながら言うと、雅史も感慨深げにうなずいた。
「うん、僕たちの音楽で、もっと多くの人と繋がりたい。これからも一緒に頑張ろう。」
この日、雅史と神子は、自分たちの音楽が持つ力を改めて実感し、新たな夢と目標を見つけた。彼らの旅はまだまだ続き、これからも多くの人々の心に響く演奏を届けていくことだろう。
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