第2話 始まり

ーーカチャン、カチャン


1人しかいない部屋にティーカップを片付ける音が響いている。


「ふぅ……」


片付けが終わったのか、ゆっくりとソファにもたれ掛かる。

そのまま少し休むようだ。

腕を頭の下に組み、瞼を閉じる。

また、夜には「彼女」が来る。

それは彼にとって嬉しくもあり、悲しくもある。


そもそもこの男はどうして延々と続く夜に囚われてしまったのか。

「彼女」は一体男のなんだと言うのか。


それを知るにはこの男の過去について遡る必要がある。

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