待ち合わせはダンジョンで!
小花衣 秋雨
第1話 プロローグ
―「はっ…」
とてもいい夢を見ていた気がする。
なぜか汗はぐっしょりで決して気持ちのいい目覚めとは言えないが。
カーテンを開けると、キラキラした朝日が入ってくる。
世の中の人々はこういう朝日を見て、今日も頑張ろうだなんて思うんだろうな。
俺は…気分は最悪。
今日は朝から会議があるのに、資料は後輩がバックアップをとっていなかったのと、間違って消しちゃったのとでもう1回作り直しだし。
おまけに部長に飲みに誘われちゃったし。
部長、飲むと話止まらなくなっちまうんだよなぁ。
憂鬱な気分でとても綺麗だとは言えないスーツに袖を通す。
朝飯はここ数年まともにとったことがない。
あーーー早く家帰りたい。
まだ会社行ってないけど。
「いっけね、あと10分で電車来るじゃん」
急いで荷物を詰め込み足早に家を出る。
家と言ってもボロいアパートだが。
いつもの道。
いつもの景色。
ホームへの階段を転げ落ちそうになりながら降りていく。
もう少しこの階段広くしてほしいよな。
「まもなく〜1番線ホームに電車が到着致します〜」
急げ急げ。
人混みをなんとかすり抜けながら電車に乗りこんだ。
ふぅ…。
香水のきついおばさん、なにかをモゴモゴ食っている少年。
そして肉詰めのような満員電車。
うん、いつも通りだ。
こうして俺のいつもの日常が始まるのであった。
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